2011年 10月 20日
Price(コスト)とValue(価値)
ファイナンシャルプランナーの杉山 明です。
保険には2つの価値基準があると思います。それはPriceとValue(価値)です。Priceつまり、保険料は、他の条件が同じであれば安い方がありがたいと感じます。Priceはコストを表しているのです。将来保険金を受取るために、現在我慢しておくべきもの。コストにはそういった意味があります。
一方、もう一つの価値基準はValue(価値)です。昔は終身保険に入るのであれば保険料の安い若いときに加入するとよいといわれていました。そうして、長年保険料を支払い続けて保険料の支払いが済んでしまったとしましょう。その保険に残っているのは、Value(価値)です。
保険料を払い終わっただけであれば、保険のValue(価値)は解約返戻金(解約したときに戻ってくるお金)でしょう。しかし、体の具合が悪くなってしまった人にとって保険のValue(価値)は解約返戻金ではありません。むしろ、保険の価値は保険金額に近いものになっているでしょう。
金額に換算するだけでなくValue(価値)は心の状態にも依存します。保険料の払い込みの満了した医療保険に加入している人にとって、その保険のValue(価値)は給付金日額以上のものがあるかもしれません。
Price(コスト)を比較するのは比較的容易です。たくさんの保険を取り扱っている代理店であればきっとコストの安い保険を探し出すことができるでしょう。でも、このとき、少しだけ保険のValue(価値)を考えてみるとよいかもしれません。
Value(価値)を感じることは少し困難です。そこで、コンサルティングを主力とした保険募集人はValue(価値)を擬似的に実感できる経験や逸話を話してくれます。きっと示唆に飛んだ話でしょうが、このとき、少しだけ保険のPrice(コスト)を考えてみるとよいのかもしれません。