2011年 10月 03日
自動車保険制度の抜本改定
ファイナンシャルプランナーの田中尚実です。
損害保険各社の自動車保険事業は、高齢運転者の事故が年々増えている
ことにより慢性的な赤字に陥っています。
そのため、損保各社は自動車保険料を引き上げる動きを見せています。
今年4月に損害保険ジャパンが平均1.5%引き上げたのを皮切りに、
この10月からは三井住友海上火災保険が平均1.9%、
あいおい同和損害保険が平均1.0%引き上げます。
また、来年1月には東京海上日動火災が平均1.7%、
日本興亜損害保険が平均1.8%の引き上げを予定しています。
更に、2013年度からは保険料算出の抜本的な改定を行なって、
収益の改善を目指すとのこと。
その概要が先週明らかになりました。
自動車保険は、無事故の期間に応じて保険料を割り引く「等級制度」を
採用しています。
事故を起こすリスクに応じて20等級に分かれており、1年間無事故なら1等級
上がって保険料が安くなり、事故を起こすと3等級下がって保険料が高くなる
仕組みです。
改定案では、現行の「等級制度」が無事故の人と事故を起こした人の2つに
わけて新設されます。
事故を起こすと、「事故有り」の割引制度に移り等級が下がります。
「事故有り」の割引は「無事故」の割引に比べ小さいので、同じ等級であっても
保険料が現行よりも高くなります。
例えば、「無事故、20等級」の人が事故を起こすと「事故あり、17等級」に
下がり、「無事故、17等級」の人に比べると保険料は30%程度高くなります。
ただし、3年間事故を起こさなければ、「無事故」の割引制度に戻ります。
また、現在は火災や盗難、いたずら等の事故で保険金支払いを受けた場合は、
等級が据え置きとなっていますが、新制度では等級が1つ下がります。
損保各社が加盟する損害保険料率算出機構が新しい保険料算定の目安となる
「参考純率」を決め、損保各社はこれをベースに保険料を独自に定め、
2013年4月以降の契約から適用になる予定です。