2011年 09月 22日
賢い商品選択の方法
ファイナンシャルプランナーの杉山 明です。
“自分にあった商品を選びたいと思うのであれば、商品を比較するのはやめましょう”。この話、保険商品については正しく、一般的なファンドについて当てはめれば正しくありません。その理由は、この2つの金融商品の違いにあります。
団体定期保険や自賠責保険など一部の例外を除いて、保険商品の内容は、各保険会社オリジナルの内容になっています。損害保険であれば、ものの損害を補償する、生命保険であれば人の生死を保障するという大原則から外れなければ、どのような商品も作ることが可能です。
そうすると、作るほうが考えるのは、ほかの会社にないものを作って差別化を図ろうということです。したがって、各社の保険商品を集めて比べてみると、少しずつ違っている部分があるという状況になっていることがわかります。
このような状況の中、一対比較をはじめると・・・大変なことになってしまいますよね。生命保険商品の上手な探し方は、「自分の要求水準を決めて、その水準にあった2~3程度の最終候補(商品)を選び出す」ということでしょう。
一方、ファンド(投資信託)は、生命保険と異なり、商品のしくみで差が出るものではありません。ファンドにとっての勝負は、あくまでパフォーマンス(運用成果)。運用成果は基準価額と分配金のデータがあれば、横並びの比較が可能になります。さらに、将来、すばらしいパフォーマンスを挙げる可能性にも注目する必要がありますね。ただし、こちらも比較可能です。
生命保険の場合、消費者にとって必要になるものは、
1.自分の要求水準を整理してくれるツール
2.自分の要求に合致した商品を絞り込んでくれるツール
3.絞り込まれた商品のポイントの解説
ということになるでしょう。
一方、ファンドの場合は、
1.目的に合致したファンドのパフォーマンスの定量的な比較表
2.ファンドの将来のパフォーマンスを示唆する定量的・定性的な分析
ということになるでしょう。