2011年 09月 12日
今月から厚生年金保険料率が引き上げられました
ファイナンシャルプランナーの田中尚実です。
先週末、公的年金、生命保険・損害保険、金融商品、所得税、
不動産、相続・贈与の基礎を学ぶ丸2日間の企業研修を行いました。
公的年金について講義をはじめる冒頭で、
「皆さん、毎月の給与から厚生年金保険料はいくら位ひかれていますか?」
と、受講生に尋ねてみました。
すると、全員の方が、おおよその額すらまったくわからない、と返答されました。
はい、そうなんですよね。給与天引きだとね~。
給与明細の控除項目をいちいちチェックしている人というのは少ないですから、
いくらひかれてる?と聞かれても、
さっぱり検討もつかないという方がほとんどなんですよね。
皆さんの月給から引かれている厚生年金保険料は、簡単に説明すると、
平均月給×厚生年金保険料率×1/2
で計算されています。
1/2とあるのは、厚生年金保険料は、労使で折半して負担しているからです。
平均月給というは、4月、5月、6月の平均です。
正確には、標準報酬月額といい、4~6月の平均額を万円単位のキリの
いい額に置き換えたものです。
4~5月はあまり残業をしないほうがいい、と聞いたことありませんか?
なぜなら、この期間の月給の平均が、厚生年金保険料算出のベースになっている
からなんですね(健康保険料算出のベースにもなっています)。
ご自身の標準報酬月額がいくらになるかは、毎年計算し直されています。
では、厚生年金保険料率は?というと....。
今年の9月から16.412%に引き上げられました。
引き上げられたってどういうこと~?って思いますよね?
厚生年金保険料率は毎年9月に0.354%ずつ引き上げられることになって
おりまして、最終的に平成29年に18.3%になる予定なのです。
ですから、仮に標準報酬月額が変わらないとしても、
保険料率は毎年上がりますから、厚生年金保険料負担は増えていくんですね。
9月の変更が反映されるのは10月納付分からです。
9月と10月の給与明細を見比べてみてください、
厚生年金保険料の額が変わっているはずです。
この9月分(10月納付分)から、例えば、
標準報酬月額が20万円の人の厚生年金保険料は16,420円、
標準報酬月額30万円の人は24,618円、
標準報酬月額41万円の人は33,644円になります。
さて、皆さんの場合はいくらでしょう?
※厚生年金保険料算出における標準報酬月額上限は62万円
※ボーナス支給時は、ボーナス額の1,000円未満の端数を切り捨てた額
(上限は150万円)に厚生年金保険料率を掛け、労使で折半して負担する