2011年 09月 05日
医療費負担を抑える方法
ファイナンシャルプランナーの田中尚実です。
皆さんは、ジェネリック医薬品(後発医薬品)をご存知ですか?
ジェネリック医薬品とは、新薬の特許が切れた後に発売される
割安な医薬品のことです。
新薬と効き目や安全性が同等と認められた場合に発売を許可されます。
研究開発費が少なくて済むため、価格は新薬の5~7割程になります。
価格が安いわけですから、ジェネリック医薬品の利用は、
患者である私たちの負担が減ると同時に、
国の医療費も抑制することができます。
そのため、政府は2012年度にジェネリック医薬品の普及目標を
30%としています。
しかし、2010年6月時点の数量ベースの普及率は23.5%。
2005年の17.7%からは上昇基調にあるものの、当初計画に比べると伸びておらず、
目標の見直しを検討せざるを得ない状況のようです。
ジェネリック医薬品が普及しない背景としては、
ジェネリック医薬品に対する医師の認知度が高まっていないことと、
不信感が残っていることがあげられるようです。
医師は、ジェネリック医薬品を使わない理由に、
「品質が不安」(約4割)「新薬を長く使用し信頼している」(約3割)
と答えています。
厚生労働省は「効果は新薬と同じ」としているのですがね。
薬を処方する医師の意識がこうならば、そりゃあ普及はすすみませんよね。
もちろん、患者である私たちの認知度が低いのも普及しない背景にあります。
広島県呉市では、2008年に市町村国保で初めて、ジェネリック医薬品を
利用した場合の差額を加入者に通知することをはじめました。
そのことにより、ジェネリック医薬品の普及率が2年で17%から20%に
上がったそうです。
「ジェネリック医薬品を使うとこんなに安いんだ」ということがわかり、
「ジェネリック医薬品でお願いします」と患者側から医師に働きかけた
ことのあらわれですよね。
もっとも、まだジェネリック医薬品がない新薬もありますし、
あっても薬局に在庫がない等、供給面が整っていないこともあろうかと
思いますが、
「ジェネリック医薬品でお願いします」と、とりあえず一言
お医者さんに言ってみることを、皆さん習慣にしてみませんか。
お薬代が安くなるんですもの。
自らの家計を助けることになりますし、国の社会保障負担を減らす
ことにもなりますからね。
ジェネリック医薬品は積極的に利用したいものです。
でも、ナカナカお医者さんに言いにくい、っていうのはありますよね?
2008年4月からは、「ジェネリック医薬品への変更不可」という医師の
署名がない限り、患者の選択によりジェネリック医薬品が利用できる
ようになっています。
お医者さんに言いにくい場合は、処方薬局で薬剤師さんに相談してみるの
も一つですよ。