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2011年 08月 01日

地震リスクをマネジメントするには(5)

ライフプランニング公式ブログ読者の皆さん、こんにちは!
ファイナンシャルプランナーの田中尚実です。

持ち家で、住宅ローンの残債が大きい、貯蓄が少ないという方は、
地震保険の加入を検討されることをおすすめします、と前回の
ブログで書きました。

ここで、地震保険について整理してみましょう。


◆ 地震保険とは

地震保険とは、地震・噴火・津波による損害(火災・損壊・埋没・流失)
に対して保険金が支払われるものです。

例えば、

地震により火災が発生して家が焼失した
地震により家が倒壊した
噴火による噴石で家が壊れた
地震による液状化で家が傾いた
津波により家が流された

といった場合に保険金が支払われます。

地震・噴火・津波を原因とする損害に対しては、火災保険は補償
しないんですね。
ですから、地震が原因の火災で家が焼失したとしても、火災保険
から保険金は一切出ません。


地震リスクは、発生時期や頻度等、予測が非常に困難であることや、
損害が巨大になる可能性、損害が非常に広域になる可能性が高いことから、
民間の損害保険会社だけで補償するのは不可能です。
そのため、地震保険は、政府と損害保険会社が共同で運営しています。


◆ 地震保険に加入するには

地震保険は、火災保険にセットして契約する必要があります。
地震保険単独での契約はできません。

現在加入中の火災保険に地震保険をつけていないという場合でも、
火災保険の契約期間の途中から地震保険をつけることができます。

地震保険の対象となるのは、居住用の建物(併用住宅含む)
および家財(30万円を超える貴金属・宝石等は含まれない)です。

地震保険の保険金額は,主契約となる火災保険の30%~50%の範囲で、
限度額は、建物は5000万円、家財は1000万円までとなっています。

例えば、火災保険の金額が、建物2,000万円、家財800万円の場合、
地震保険金額は、建物600~1,000万円、家財240~400万円となります。


「うん?これじゃあ、自宅を再建するには足りないじゃない」
と思われるかもしれませんが、地震保険は、そもそも被災した自宅の
完全復旧や再建を目的としたものではないのです。

地震保険は、1966年に制定された「地震保険に関する法律」に
基づいて作られました。
これは、地震による被災者の生活ができるだけ早く安定するよう
その手助けをすることを目的としているのです。


仮に、2,000万円の自宅が地震で全壊、住宅ローンは1500万円残っている、
貯蓄は300万円といった場合を考えてみましょう。

地震保険に入っていない場合、
貯蓄300万円と被災者生活再建支援制度からの300万円を合わせても
600万円。
住宅ローンは900万円残ってしまいます。

しかし、もし1,000万円の地震保険を受け取ることができれば、
貯蓄300万円、被災者生活再建支援の300万円を合わせれば、
ローン残債以上の1,600万円となります。

生活の建て直しに向け、早く一歩を踏み出そう
という気持ちになれるのではないでしょうか。


長くなりました。続きはまた次回。
by lifeplaning | 2011-08-01 11:58 | 田中 尚実
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