2011年 06月 28日
確定拠出年金(401k)制度の仕組み
ライフプランニング公式ブログ読者の皆さん、こんにちは!
ファイナンシャルプランナーの長谷剛史 です。
最近、確定拠出年金(401k)制度に関する質問が増加しています。
お勤め先で導入されるケースが大半ですが、節税目的で個人型に
興味をもたれる方も多いです。
そこで、今回は簡単にこの制度の仕組みをまとめてみたいと思います。
確定拠出年金制度は退職金制度の1つで、主として公的年金を
補うために老後の生活資金を積み立てる制度です。
退職金(企業年金)制度では、老後に支給される給付が重要ですが
その給付には2種類があります(企業型で解説)。
・『確定給付型』 給 付 = 掛 金 + 運 用
(約 束) (変 動) (想定⇒変動)
※運用が想定以下になると、≪掛金≫が増える⇒ 【企業の問題】
※運用が想定以上になると、≪掛金≫が減る
・『確定拠出年金』 掛 金 + 運 用 = 給 付
(約 束) (想定⇒変動) (変動)
※運用が想定以下になると、≪給付≫が減る⇒ 【従業員の問題】
※運用が想定以上になると、≪給付≫が増える
確定給付型は会社任せですが、確定拠出年金は従業員=個人の自己責任になります。つまり、予定通りの退職金が受け取れるか?受け取れないか?は
本人次第で、制度内容を理解しきっちり運用できた方とできなかった方とでは、
退職金が雲泥の差になる可能性があります。
確定拠出年金(401k)制度5つのポイント
① 運用は加入者自身が判断して決めていく
⇒ 将来の受取額は、運用実績により個人ごとに異なる。
② 加入者ごとに口座管理
⇒ いつの時点で各加入者の資産額がいくらあるかがわかる。
③ 持ち運びができる制度
⇒ 職業が変わってもその時点での資産を転職先で継続して運用できる。
④ 税金のメリットがある
⇒ 掛金や運用益に対して税金がかからない。年金形式で受け取る際には、公
的年金等控除などの優遇措置を受けることができる。
⑤ 受け取りは原則60歳以降
⇒ 60歳以降に年金もしくは一時金で受け取れる。
確定拠出年金の運用の仕組み
① 60歳迄引き出せない ⇒ 長期投資
「資産運用の基本ですが、短期間では値動きの大きいものであっても
長期保有すれば値動きが緩和されます。」
② 毎月拠出する ⇒ ドルコスト平均法
「金融商品の価格は常に変動するため、個人の予測や判断に頼らず、
機械的に時間(タイミング)を分散させる方法が有効。」
③ 複数の金融商品から選択 ⇒ 分散投資
「値動きの異なる資産に分散するとリスクが下がります(ブレが軽減されます)」
④ 運用益は非課税 ⇒ 課税の繰り延べ
「通常、運用益に税金がかかりますが、運用期間中の運用益に
税金がかからないことにより複利効果を活かすことができます。」
確定拠出年金制度を最大限に活用するためには、上記の仕組みを
理解した運用が大切です。
参考までにリスクとリターンの仕組みを理解し積極的に運用した場合と、
リスクを恐れて元本保証の消極的な運用をした場合の将来受取額の差を
ご紹介しますね。長期運用では、1%の収益率の違いが将来大きな差を生じます。
25歳から60歳まで積立(年間18万円)
0%運用=元本=年間18万円×35年=630万円
1%運用 ⇒ 754万円 2%運用 ⇒ 911万円
3%運用 ⇒ 1,112万円 5%運用 ⇒ 1,704万円