2011年 06月 21日
モノの値段が下がる状況は喜ぶべきこと???
ライフプランニング公式ブログ読者の皆さん、こんにちは!
ファイナンシャルプランナーの長谷剛史です。
さて、今回は、ここ10年程、日本が経験している「モノの
値段が下がる状況」について皆さんと一緒に考えてみたいと
思います。
生活者として、モノの値段が上がっていく状況は「ありがたくない
状況」で、モノの値段が下がっていく状況は「ありがたい状況」
なんでしょうか???
モノの値段が下がる状況は、生活にどのような影響を与えるので
しょうか?
そもそも物価が下がる原因は、モノが売れないことにあります。
今までと同じ値段では売れないので、企業は値下げして売ること
になりますね。これでは折角売れても利益が減ってしまいます。
利益が減ると、会社を存続させるために従業員に支払う給料を
抑えることもやむを得ない対策です。給料が減ると、消費に
回せるお金が減り、今までのようにモノが買えなくなります。
消費者がモノを買ってくれないと、企業はますますモノが売れなく
なり、さらに値下げをするしかありませんね。値下げによる利益の
減少をさらに給料を減らしてカバーし、家計に回るお金がますます
減ります・・・
簡単に図式化してみると、
≪モノが売れない≫ ⇒ ≪値下げ販売≫ ⇒ ≪利益減少≫ ⇒
≪給料カット≫ ⇒ ≪所得減少≫ ⇒ ≪需要減少≫ ⇒
≪ますますモノが売れない≫ ⇒ ≪ますます値下げ販売≫ ⇒
≪ますます利益減少≫ ⇒ ≪ますます給料カット≫ ⇒
≪ますます所得減少≫ ⇒ ≪ますます需要減少≫
このように、モノの値段が下がる状況ではヒト・モノ・カネの動きが
どんどん鈍くなっていって、ますます不況になるという悪循環を繰り
返すことになります。「デフレスパイラル」と呼ばれたりします。
世界中のいろいろな政府を含めても、デフレの経験はインフレほど
多くありません。「デフレ」の対策はノウハウの蓄積が少ない分、
政府にとっては難題ですが、これを解決しないと日本が成長する
ことは難しいと思います。