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2011年 06月 13日

年金額がやけに少ない。それ、勘違いかも(基金編)

ライフプランニング公式ブログ読者の皆さん、こんにちは!
ファイナンシャルプランナーの田中尚実です。


先月、ご相談にいらした方の第一声。

「住宅の購入契約を撤回することはできますか?」


ご相談者は民間企業にお勤めで、定年退職を3年後に控えた男性。

住宅ローンの選定にあたり、将来の年金額をねんきん定期便で
確認してみると、老齢厚生年金が20万円位しかない。
想定以上に少なくて、これでは返済していけない。
だから購入をやめたい、

というのです。


老齢厚生年金は、生涯の平均給与と加入期間を基に計算され
ますので、人により金額が違います。

厚生労働省がモデルにおいている、40年加入の平均的な
男性サラリーマンの老齢厚生年金額は約120万円です。

50歳以上の方のねんきん定期便には将来の受取見込み額の
記載があるのですが、大卒後ずっとサラリーマンを続けて
きているご相談者の年金額が、モデルとこんなにかけ離れて
いるはずはありません。


私は尋ねました。

「○○さんの会社って、厚生年金基金を導入してません?」

厚生年金基金とは、企業が退職した従業員に年金を支給する
企業年金の一種。

厚生年金保険料の一部を国に代わって受取り運用する「代行部分」と、
基金独自の「上乗せ部分」を一緒に運用し給付する制度です。

ねんきん定期便には、「代行部分」の金額は一切載っていません。

ですから、老齢厚生年金の額がずいぶん少ない、と勘違いされて
いる基金加入者の方をよく見かけます。

案の定、定年退職を3年後に控えているというのに、このご相談者も、
会社の制度が厚生年金基金かどうかすらご存知ありませんでした。


是非会社に確認なさってみてください、とアドバイスをした後日、

「うちの会社、厚生年金基金でした~!!」
と、人事部から出してもらった書類を手にご相談者が現れました。

国から支給される老齢厚生年金、
基金から支給される代行部分、基金独自の上乗せ部分+プラスαを
合わせると、今度は逆に想定よりも多い額に。

これでローンを組める、と安心されていましたが、

そもそも、住宅購入契約を結ぶ前に確認でしょう~!

たまたま勘違いだったから良かったものの。

あぶない、あぶない。


不動産屋さんも、将来返済できるか確認を、とか、まったく触れずに
販売しているんですかね?

ひどいな~。
by lifeplaning | 2011-06-13 09:42 | 田中 尚実
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