2011年 06月 09日
原理原則型の私
ファイナンシャルプランナーの杉山 明です。
『男性は物事の本質を知りたがり、女性はすぐに役立つかものを知りたがる』。「男性はかくかく、女性はしかじか」といってしまうと男女差別と怒られそうです。実際、女性の方に聞いてみると、『私も本質を知りたいと思う一人だよ』、という回答が少なくなかったので、世の中には2つのタイプの人がいるといったほうが正確なのでしょう。
私もそうですが、一方のタイプは、原理原則を知りたがります。個別の案件ではなく、その結果を導き出した原理原則に興味があるのです。原理原則をわかっていると、個別案件には対応できるだろうという考えです。公式を覚えてしまえば、あとは、数値を入れ替えれば結果がわかるだろうという考えですね。原理原則型ということができるでしょう。
もう一方のタイプは、まったく逆です。なぜそうなったのかという原因よりも、結果として発生した現実に重きをおきます。どういうことがあったにせよ、現実として発生していることに目が向けられます。こちらのタイプは、結果重視型ということになるでしょう。
セミナーなどで講師を務めるときにこのことを意識しています。聴衆の様子を伺って、原理原則型が多いと、どうしてそうなったのかというプロセスや原因の説明に重きをおきます。結果重視型が多そうなときは、まるで反対です。「今日の話を聞いていただいて役に立つことはこのポイントです」と話すようにしています。どちらが、私(話し手)にとって厳しいかといえば後者です。
特に、私が得意分野としている、資産運用や経済の話をするときには気をつけています。『アメリカでは、FRBが金融緩和政策を継続しそうです』と話をしたとします。原理原則型であれば、『金利は低いままだから、企業はお金を借り易くて・・・』と自分で勝手に考えて結論を出してくれます。質問で求められるのも、「どうして金融緩和政策を維持するのですか」といった類の話です。一方、結果重視型の聞き手はそうではありません。前置きは別にして、『だから、アメリカの株式は魅力的です』という結論が求められるのです。すぐに役立つ情報がないと納得してもらえないのです。
原理原則型の私が人前で話をするときの最終チェックは、「今日の話を一言でいうとどうなるだろう」、そして、「私は聞いて役に立つ話をしているだろうか」ということです。