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2011年 06月 02日

ファイナンシャル・プランニングの話は家計の話ではない

ライフプランニング公式ブログ読者の皆さん、こんにちは!
ファイナンシャルプランナーの杉山 明です。

私たち、ファイナンシャル・プランナーが、ライフプランニングやファイナンシャル・プランニングというと、「ああ、家計の話ね」と理解されることが多いと思います。この理解、半分正しくて、半分間違いです。

これは、株の話に置き換えると理解できます。株というのは、企業の単位あたりの持分のことです。そして株の価値をお金で表したものが株価です。株価を考えるとき、その企業が、現在、どれだけの収入があって、どれだけの支出があるのかは、とても大切な情報です。企業版の企業版の家計ですね。損益計算書やキャッシュフロー計算書を見るとそういった情報が掲載されています。

しかし、株価は現在の企業の状態だけから決まるものではありません。むしろ、その企業が将来どのような姿になっているのかという情報により大きく左右されます。将来どのように企業が大きくなって、株主に配当を支払ってくれるのかというポイントが大切なのです。株価は現在の企業状態というより、将来の企業の方向性を値踏みしたものになっています。

だから、トップマネジメントの役割は需要です。企業がどこに向かっているのか理路整然と説明し、将来予想される収益を明示する。投資家はそれに納得すれば、その企業の株を購入し、納得しなければ売却するという行動をとります。

ファイナンシャル・プランニングというのは、個人あるいは世帯単位の株価の話だと考えるとよいでしょう。そこに集約されているのは、将来の状態をお金に換算したものです。そこには、2つの意味で、誤差が生じる可能性があります。一つは、将来のことは正確にわからないということ。もう一つは、お金に換算することができないことがあるということです。

しかし、考えてみれば、この2つの誤差は、株価の評価でも同じことです。企業にとっても将来のことはよくわかりませんし、労働の質や特許やノウハウなどお金に換算することが難しいものもたくさんあります。そして、予想が変わると株価も変わる。だから、株価は変動するのです。これは、個人や世帯の話でも同じです。将来の予想が変わると、現時点での評価も変わるのです。

ファイナンシャル・プランニングの話が、家計から出発することは紛れもない事実です。しかし、ファイナンシャル・プランニングの中心の話題は、現時点の家計の話ではなく、将来どのような方向に進んでいくのかという、個人あるいは世帯としてのキャリアプランニングの話なのです。
by lifeplaning | 2011-06-02 05:44 | 杉山 明
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