2010年 09月 23日
国民健康保険が値上がりする?
ファイナンシャル・プランナーの横川由理です。
日本の健康保険は、働き方によってどの健康保険に加入するのかが決まります。
会社員は、大企業なら会社が運営している保険。
中小企業にお勤めなら“協会けんぽ”に加入しています。
自営業や無職の人が加入するのは、おもに国民年金保険となります。
私たちファイナンシャル・プランナーも、
自営業ですから国民年金保険に加入している人が圧倒的に多いのです。
わが国は少子高齢化が大きな問題になっているのは周知の事実ですから、
保険料を支払う人は少なく、反対に、保険を使って医療を受ける人が増えている状況です。
会社員が加入している“協会けんぽ”は、4月から1%近く値上がりしていますし、
国民健康保険も来年度から値上がりする方針に決めたようです。
とはいいましても、高所得層の負担を上げるため、
普通の所得の人は反対に下がる見通しです。
もともと、国民健康保険の保険料を計算するときには、上限が設定されており、
一定金額まで所得に達すると、その後はいくら所得が高くなったとしても、
保険料は上がらないという仕組みをとっています。
今回は、保険料の上限を引き上げるという形をとる予定です。
現在は平均で760万円ほどの所得で上限に達しますが、
見直し後は800万円前後にする模様。
国民健康保険の医療分は、今年の4月にも4万円引き上げられましたが、
さらに引き上げる予定。
40歳以上65歳未満の人は、介護保険料も同時に支払うため、上限は73万円。
今回の引き上げは7万円で、上限を77万円とします。
国民健康保険は、自営業のほかにリタイア後の人たちが
75歳になるまで加入するものですから、
現役の人が加入している会社の保険に比べると、病院に通う確立が高いのも事実。
働き方によって、負担する保険料や給付にも違いがある健康保険ですが、
これから将来を長い目で見ると、ハードルは高いとは思いますが、
統合する必要も出てくるかもしれません。