2010年 06月 21日
中国の為替政策の変化
ファイナンシャルプランナーの大山潤です。
先週末、中国の中央銀行である中国人民銀行HPに、金融危機後、約2年間にわたるドルペグ(固定)を止めることを示唆するステートメントが出されました。
ドルと人民元を実質的に固定する為替政策に対しては、
「中国為替政策が世界経済不均衡を生んでいる」「早々に人民元を切り上げろ」
といったプレッシャーが、米国をはじめ特に経済危機に喘ぐ国々から発せられていました。
26日からカナダで開催されるG20でも、中国の為替政策は参加各国からワーワーうるさく言われる事が予想されましたが、これを上手に回避できたのではないでしょうか。
ただこのことで、人民元が上昇するのかどうかは、また別の話になりそうです。
実際、最近の欧州経済の破綻懸念によるユーロ安で、元は既に対ユーロでは上昇していましたし、
今後も引き続きお得意様の欧州経済が悪化していくことになれば、
元の価値は既にトントンか、逆に下落するのではという見方もできます。
また中国としては、このままドルがしばらく堅調であれば、大量に抱えるドル資産の価値下落に気を揉むこともないでしょうし、
必要であればドル基軸からバスケット通貨制への移行を進展させるのには好都合なタイミングなのかもしれません。
現状では、米国をはじめ中国にプレッシャーをかけていた国々の、そしてなにより中国のメンツをつぶすことない、ベストのタイミングだったと思います。