2月2日~7日まで、池袋にあるシアターグリーンBIG TREE THEATERで公演されている『リセット3・2・1…』。開演間近の楽屋にエキサイトアニメ取材陣が潜入!迷惑顧みず鈴村監督と松本梨香さんに作品の見所などお伺いしてきました。百聞は一見にしかず。ぜひ足を運んで面白さを体感してください!!
ファミリーファンタジーコメディ『リセット3・2・1…』 鈴村展弘×松本梨香独占インタビュー ――まずは今回の作品について教えてください。 鈴村展弘監督(以下 鈴村監督):舞台は1999年7月、ちょっと昔のご近所さん同士仲が良いような下町という設定です。最近は隣に誰が住んでるかすらわからないじゃないですか。でも僕は、懐かしい、温かな昔の家庭が描きたかったんです。そういうことで1999年の7月を舞台にしてるんですけど、ノストラダムスの予言の通り1度滅んでしまった地球というパラレルワールド的な設定にしました。そんな1度滅亡してしまった地球を背景に、「春輝」という1人の青年が、神様から「もう1度、最後の3日間をやり直して地球を救うか?」と言われるんです。どうやって地球を救うかは自分で考えなきゃだめだけど、もう1回チャンスをやろう、と。そして、周りの家族や近所の人達を巻き込んで、なんとか地球を救うためのヒントを探しながら行動に移るんですが、そこへ自称悪魔という女の子が出てきて、春輝の邪魔をしたり、時には味方をしたりするんです。そんな出会いもありつつ何とか地球を救おうとするのですが、実は「地球を救う」という意味がちょっと違って、何が地球だったのかという謎が…。見ていただければ、「あ、こういうことだったのね!」と思ってもらえると思います(笑)。そういう結末に向かっていくような、コメディであり、最後はシリアスなシーンもあり…というお話です。 松本梨香さん(以下 梨香さん):私の主観ですけど、世界滅亡というのと同時に、自分の世界が地球であり、その中での滅亡。だから、自分の世界…生活全てが終わってしまうことが、地球滅亡なんだと思うんです。この作品はコメディではあるんですが、結末まで見ると、結構考えさせられる内容ですね。舞台で受け取ったメッセージを家に持って帰って、考えてみて、それでまた生活していけるんじゃないかという作品になっているので、みんなそれぞれ受け取り方が違うかもしれないです。すごく深いと思います。 ――今回の松本梨香さんの役柄はどのような役ですか? 梨香さん:実はこのお話をいただいたのは、結構前なんですが、主人公が住んでいる近所のにぎやかなおばさんの役です(笑)。人や、人がいる所が好きで、自分の家にいるとつまんないから人がいる所に来てワイワイやって、その場を明るくしてくれるおばさんっているじゃないですか。そういう感じで、監督からは「梨香ちゃんのままでやってくれればいいよ」みたいな感じでお話をいただいたので安心して「うん、大丈夫ですよ!」といつもの明るいノリでお返事しました(笑)。役柄的には、普段明るくて、ムードメーカーなんですが、実は息子はいるけどお父さん(旦那)が出てこないし、お父さんの匂いがしない何か事情がありそうな感じなんです。男の子をシングルマザーとして一生懸命育てて明るく元気に踏ん張ってる役なのかなって、自分では勝手に解釈しています。いつもダジャレを言っていたり、人の話の中に入っていったり、、、「元気出して!」っていうメッセージをあえて口に出すんじゃなくて、自分でその場を盛り上げようとする所があるんじゃないかって思ったんです。自分らしくやっていいと言われたので、自分を分析したりもしつつキャラクターを作り上げました。実際とは違う部分もあるんですけど、やりやすいですね(笑)。 ――個性を出しつつ、少し考えつつ…みたいな役作りなんですね。 梨香さん:そうですね。でも、ダメな所は監督が「それじゃない方がいいんじゃない?」って言ってくれるし、私が悩んで「これどうしたらいんだろう?」って言った時は「こっちの方向でいいんじゃない?」って言ってくれるので、凄く悩むっていうことはなかったです。 ――監督と梨香さんは以前からのお知り合いなんですか? 梨香さん:海外で知り合ったんですけど…この言い方かっこいい!(笑) 鈴村監督:ノースカロライナでしたね(笑)。で、ニューヨークも行ってね。 梨香さん:しかも、もう1人俳優がいて、3人行動でしたから。自分は、お仕事で出会ったという感覚ではなかったので、割とラフに友達みたいに、ノーボーダーで接してるんです。 鈴村監督:ずっと笑ってたもんね。 梨香さん:笑い死ぬかと思ったくらい!帰って来たら顔が痛かったもん! 鈴村監督:笑いすぎて怒られたもんね(笑)。 梨香さん:それ以来ですね。短い期間で知り合ったんですけど、自分の中では、親戚になったくらい仲良くなったつもりでいます。みんなに「一応監督だからね!」って釘さされるぐらいな(笑)。 ――監督は、役柄を見てこれは梨香さんが適役だなって思ったんですか? 鈴村監督:実は最初に梨香ちゃんに今回の話をした時は、まだ台本はできてなかったんですよ。言わば、梨香ちゃんをイメージしてキャラクターを書いてもらったみたいな所があって。 梨香さん:私あんな!? 鈴村監督:明るいっていうね!そりゃもっと全然若いですけど…(笑)。でもなんとなく、その人が1人いるとその場が明るくなるというのが、まさにそうだと思ったんですよ。飲み会とかでシーンとしていても、梨香ちゃんが遅れて来るとワーっと盛り上がるというか。僕はそういうイメージが常に梨香ちゃんにあって。凄いポジティブだから、嫌なことも全て良い方に持っていってしまうんですね。それがまさに今回の役だな、と。 ――今回の作品は、そんな、お互いをよく知ってる2人の共演なんですね。 梨香さん:鈴村さんが今まで映像の部分で作り上げたものってあるじゃないですか。でも、舞台でもいろいろ表現していきたいという思いがあって旗揚げをするということで、「是非参加したいです」って言って今回参加させてもらえたので、凄い嬉しかったです。 鈴村監督:僕も、やってくれるって言ってくれて凄い嬉しかったです。 ――今回は、梨香さんはじめ、事務所もバラバラだし、色々なステージで活躍されている方々が出演されますが、そういった皆さんと一緒にやるというのはどんな感じですか? 鈴村監督:最初に顔合わせした時、梨香ちゃんは「知ってる人今回いないから寂しいな」って言ってたんですよ。でも、すぐにみんな梨香ちゃんを中心に1つになって、凄い楽しい雰囲気の中やってます。 梨香さん:多分、鈴村さんのお人柄だと思うんですよ。鈴村さんがこういうスタイルでやってるので、みんなが参加して着いてきてるんだと思うんですね。私が中心なんじゃなくて、鈴村さんが中心で、みんなが集まったものだから。で、それを盛り上げたいって気持ちというか、目指してる着地点が一緒なんですよね。頑張りたいって想いが。みんなのプロセスは違うにしても、ここにたどり着くことは一緒だと思うので、そういう風に監督がやってくださったので、みんながそれを受けてやって来れてるんですよね。私は年齢もキャストの中で1番上だと思うんですが、「梨香さんって子供みたい」って言われるくらい自由にやらせてもらっています(笑)。みんな気持ちのいい人達が集まってるので、不思議なんですけど、誰かが何か言った時に、そこに「えー違うよー」って反対する人がいないんですよね。意見としては言うけども、でも結局は「あ、じゃあそれやろうよ」って話がまとまるんです。個人的にいいなって思ったのが、稽古場に初めて行った時、ほこりっぽくて、掃除もあまりされてなかったんです。そうしたら、誰の指示でもなく、みんなが一斉に動いて掃除しだしたんですよ。で、終わった後「気持ちいいね」なんて言って。そういうのが凄いいいなって思いました。あとは、他のメンバーが悩んでると、「自分はこう思う」って意見を言い合ったり、本当に気持ちのいい人が集まってるんですよね。 ――今回の稽古はいつくらいから始められたんですか? 鈴村監督:12月下旬に顔合わせをして、その翌日から稽古を始めました。梨香ちゃんは別のお仕事があったので、年明けからの合流でした。 ――じゃあやっぱり随分短い期間で意気投合したんですね。 梨香さん:短い時間なので、思いやりをもって仕事をするっていうのが1番いいと思うんですね。思いやりっていろんな形があるじゃないですか。言いたくなくても言わなきゃいけないこともある。言うのってエネルギーいるんですよね。出来れば言いたくないし、仲良くやっていきたいし…でも、サークルみたいにやってたら絶対ダメだし。自分のことのように思って伝えることしかできないですよね。それがこの現場にはあると思います。そういう思いやりのある人が集まってきたっていうのは、やっぱり鈴村さんの繋がりだと思うんですよ。 ――今回は映像でもいろいろ演出があるようですが…。 鈴村監督:ネタバレになってしまうのであまり詳しくは言えないのですが…。実は、舞台上でのことは仮想現実で起こってることなんですよ。映像部分の方が現実なんです。そこのライン引きを、映像部分でしていて。地球を救うために春輝がやり直す3日間こそが、春輝が作った自分の中の世界(仮想現実)なんです。 ――じゃあ、舞台と映像を比べて見て違いを探すのも楽しみの1つとなるわけですね。 鈴村監督:舞台上(仮想現実)と映像(現実)の違いをわからないまま見るのも面白いとは思いますけど、違いをわかって見るのも楽しんでもらえると思います。 ――最後に、今回の舞台の見どころとメッセージをお願いします。 梨香さん:みんなが自分の中で悩んでいたり考えていたりする、ごく身近にある物をテーマにしているんですよ。なので、共感できることがいっぱいあると思います。私も考えさせられたので、皆さんも考えることがいっぱいあるはずです。だから、人生において、自分が成長するために、こういうのを見ておいた方がいいですよ(笑)。あとは、見どころとはちょっと違うんですけど、私の家にあった電話台…ですね。生前母が使っていたもので、亡くなってから1度も使ったことがなかったんですけど、今回昭和を感じさせるものが何かないかという時に、家から持ってきたんです。それが、今回舞台で初登場!私も、こういう形で使うことが出来てすごく嬉しくて。それに、母が見守ってくれてる感じがしたんですよ。稽古場に持って行った時に、すごい温かみを感じて、そこから「リセット3・2・1…」がジワジワ出てるんじゃないかってくらい、私はメッセージを感じたんですよね(笑)。 ――そういう昭和の雰囲気も結構使われているんですね。当時を知っている人は懐かしいって思うんでしょうね。 梨香さん:縁側もあるしね。田舎とか思い出すんじゃない? 鈴村監督:ちゃぶ台もあるような。 梨香さん:年配の人も楽しめるギャグ満載になってるんで(笑)。ていうか、むしろ年配の人に見てもらいたいですね。 鈴村監督:見どころは、もちろん映像と舞台のリンク具合も見ていただきたいんですけども、本当に個性的な役者さんが揃っていて、誰かとキャラが被ることもなく、それぞれがそれぞれの場所で自分の存在を出しているので、そこが1つの見どころですね。全てのシーンが大事なシーンで、1人1人が力を発揮してくれているので、みんなで作っている感じの舞台なので、是非是非見に来ていただきたいです。 TEXT:斉藤碧 『リセット3・2・1…』 ■日程 2010年2月2日(火)~7日(日) ■場所 池袋シアターグリーン BIG TREE THEATER ■タイムスケジュール 2日 19時~ 3日 19時~ 4日 14時~/19時~ 5日 ☆14時~/☆19時~ 6日 ☆14時~/19時~ 7日 13時~/18時~ ※松本・BOSSYダブルキャスト ☆BOSSY出演日 全10ステージ 受付開始、開演1時間前 開場、開演30分前 ■チケット 前売4,500円 当日5,000円 全席指定発売中! (電話予約)カンフェティチケットセンター 0120-240-540(平日10:00~18:00) (WEB予約)http://confetti-web.com →ご予約前に演劇ポータルサイト「カンフェティー」への会員登録(無料)が必要です。 (BELL+UP Companyオンラインチケット受付)http://bellup.web.fc2.com ■スタッフ 演出:鈴村展弘 脚本:西田大輔(アンドエンドレス) 原案:脚色・鈴村展弘 照明:白土真平(タケスタジオ) 音響:橋本絢加 舞台監督:梅島竹彦(外組) 演出補助:古家友佳 振付:結樺レイナ(Irisbijou) 映像撮影:野村次郎・大渡仁 宣伝美術:MW 制作:BELL+UP Company 人見はる菜 成川有里子 企画協力:小林靖子 企画・文芸:下村敬治 製作協力:桜井晋 ■BELL+UP Company ホームページ http://bellup.web.fc2.com(情報随時UP予定) 問い合わせ bellup_com@yahoo.co.jp
by ex_anime
| 2010-02-03 13:05
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