
かわいい66 歳、キャロル・キング
11/11は渋谷に漂流。オーチャードホールでキャロル・キングを観た。
昨年は久々に来日し、ファーギー、メアリー・J・ブライジとジョイント・ライブを行なってその実力を見せつけたキャロル・キングだが、その熱も醒めやらぬうちの再来日は嬉しい限り。評判を聞きつけて、会場には根っからの音楽ファンが詰めかけた。
僕は3年前に今回のツアーをシアトルで見たのだが、そのパフォーマンスの素晴らしさに完全にやられてしまった。港の埠頭でのライブに集まったオーディエンスは、彼女の歌を聴いて青春を過ごした年代ばかり。だからといってただの懐メロ・コンサートではまったくなく、今を生きる40-60代に向けた内容で、そのヴィヴィッドさは想像を遥かに越えたものだった。中でも自分の心の自然な動きに素直に従う女性の美しさを歌った「ナチュラル・ウーマン」で、僕の周囲にいた外人女性ファンが全員感動でボロ泣きしていた光景は忘れられない。なので、昨年、前述のイベントでキャロル・キングを観て以来、単独来日公演をずっと待っていた。
ピアノの他にソファやライトスタンドが置かれたステージは、シアトルと同じセット。「リビングルーム・ツアー」というタイトル通り、彼女のリビングにいるつもりで歌を楽しんで欲しいという趣向だ。キャロル自身がライトスタンドのスウィッチを入れ、ライブがスタート。前半は初期のオリジナルや大ヒットアルバム「つづれ織り」から「ホーム・アゲイン」、あるいは彼女がソングライターとして60年代のアイドル歌手に提供した曲などを歌って、20分の休憩。これは年配のオーディエンスに配慮した‘トイレタイム‘なのだ(笑)。
そして後半が凄かった。「スウィートシーズン」では“人生、勝ったり負けたり”という歌詞にひっかけてオバマ当選ネタが飛び出すは、名曲「イッツ・トゥー・レイト」や待ってましたの「ナチュラル・ウーマン」を朗々と歌い上げる。アンコールの「君の友達」で日本のファンは感涙を流し、最後の最後はなんと「ロコモーション」。いちばん若々しいナンバーをラストに持ってきた彼女は、ピアノから立ち上がってハンドマイクで腰を振りながら歌う。その姿は、同世代に「これからも人生を楽しみましょう」と心からのメッセージを贈っているように見えた。
音楽の持っている力を信じ、それをフルに使ってオーディエンスを元気づける。キャロル・キングは、66歳とは思えないチャーミングな人だった。
まだ公演が残っているので、絶対おススメ。特に若くて音楽が大好きな人は、ぜひ見るべし!!
無敵フライング・キッズに再会
11/07は恵比寿に漂流。リキッドルームでフライング・キッズを観た。
自らをキング・オブ・ファンクと呼ぶスガシカオが「リスペクトしている」と公言し
てはばからないフライング・キッズは、日本最高のファンクバンドだ。昨年、突然10
年ぶりに再結成してライジング・サンに参戦。東京での復活ライブが待たれていた
が、ついに実現した。
伝説のバンド・オーディション番組?イカ天?初代王者としてデビュー。ってか、僕は
その番組で初代審査員をやってたんだけど、彼らの優勝は忘れられないほど衝撃だっ
た。「幸せであるように」という哲学的な日本語詞を持つ楽曲は史上に残る名曲で、
バンドブームが終わりかけていたシーンに強烈なインパクトを残した。
そして今回の復活劇は、そんな彼らのオリジナリティが普遍不滅であることを証明し
た。まず10年の歳月はメンバーに、明らかに以前より高い演奏テクニックを与えた。
単純に「前より上手くなったんじゃねーの」という言い方もあるが、それ以上に、メ
ンバーそれぞれの演奏が歌詞に深みを付けている。いみじくもボーカル浜崎貴司が
「幸せであるように」を歌う前に「次の曲は作り始めて20年になります」とコメント
したように、じっくり時間をかけて完成していくタイプの音楽を追求するバンドだか
らこそ、この活動再開は大きな意味がある。
ゲスト参加した高野寛、YO=KING、及川ミッチー、MCUも、そんなフライング・キッズ
の大器晩成を信じてきた奴等で、彼ら自身も大器晩成タイプなのもほほえましい。
ファンと仲間の声に後押しされた再スタートは、まれにみる幸運だ。来年もまたライ
ブを行なうとの宣言をうれしく聞いたのだった。
昨年は久々に来日し、ファーギー、メアリー・J・ブライジとジョイント・ライブを行なってその実力を見せつけたキャロル・キングだが、その熱も醒めやらぬうちの再来日は嬉しい限り。評判を聞きつけて、会場には根っからの音楽ファンが詰めかけた。
僕は3年前に今回のツアーをシアトルで見たのだが、そのパフォーマンスの素晴らしさに完全にやられてしまった。港の埠頭でのライブに集まったオーディエンスは、彼女の歌を聴いて青春を過ごした年代ばかり。だからといってただの懐メロ・コンサートではまったくなく、今を生きる40-60代に向けた内容で、そのヴィヴィッドさは想像を遥かに越えたものだった。中でも自分の心の自然な動きに素直に従う女性の美しさを歌った「ナチュラル・ウーマン」で、僕の周囲にいた外人女性ファンが全員感動でボロ泣きしていた光景は忘れられない。なので、昨年、前述のイベントでキャロル・キングを観て以来、単独来日公演をずっと待っていた。
ピアノの他にソファやライトスタンドが置かれたステージは、シアトルと同じセット。「リビングルーム・ツアー」というタイトル通り、彼女のリビングにいるつもりで歌を楽しんで欲しいという趣向だ。キャロル自身がライトスタンドのスウィッチを入れ、ライブがスタート。前半は初期のオリジナルや大ヒットアルバム「つづれ織り」から「ホーム・アゲイン」、あるいは彼女がソングライターとして60年代のアイドル歌手に提供した曲などを歌って、20分の休憩。これは年配のオーディエンスに配慮した‘トイレタイム‘なのだ(笑)。
そして後半が凄かった。「スウィートシーズン」では“人生、勝ったり負けたり”という歌詞にひっかけてオバマ当選ネタが飛び出すは、名曲「イッツ・トゥー・レイト」や待ってましたの「ナチュラル・ウーマン」を朗々と歌い上げる。アンコールの「君の友達」で日本のファンは感涙を流し、最後の最後はなんと「ロコモーション」。いちばん若々しいナンバーをラストに持ってきた彼女は、ピアノから立ち上がってハンドマイクで腰を振りながら歌う。その姿は、同世代に「これからも人生を楽しみましょう」と心からのメッセージを贈っているように見えた。
音楽の持っている力を信じ、それをフルに使ってオーディエンスを元気づける。キャロル・キングは、66歳とは思えないチャーミングな人だった。
まだ公演が残っているので、絶対おススメ。特に若くて音楽が大好きな人は、ぜひ見るべし!!
無敵フライング・キッズに再会
11/07は恵比寿に漂流。リキッドルームでフライング・キッズを観た。
自らをキング・オブ・ファンクと呼ぶスガシカオが「リスペクトしている」と公言し
てはばからないフライング・キッズは、日本最高のファンクバンドだ。昨年、突然10
年ぶりに再結成してライジング・サンに参戦。東京での復活ライブが待たれていた
が、ついに実現した。
伝説のバンド・オーディション番組?イカ天?初代王者としてデビュー。ってか、僕は
その番組で初代審査員をやってたんだけど、彼らの優勝は忘れられないほど衝撃だっ
た。「幸せであるように」という哲学的な日本語詞を持つ楽曲は史上に残る名曲で、
バンドブームが終わりかけていたシーンに強烈なインパクトを残した。
そして今回の復活劇は、そんな彼らのオリジナリティが普遍不滅であることを証明し
た。まず10年の歳月はメンバーに、明らかに以前より高い演奏テクニックを与えた。
単純に「前より上手くなったんじゃねーの」という言い方もあるが、それ以上に、メ
ンバーそれぞれの演奏が歌詞に深みを付けている。いみじくもボーカル浜崎貴司が
「幸せであるように」を歌う前に「次の曲は作り始めて20年になります」とコメント
したように、じっくり時間をかけて完成していくタイプの音楽を追求するバンドだか
らこそ、この活動再開は大きな意味がある。
ゲスト参加した高野寛、YO=KING、及川ミッチー、MCUも、そんなフライング・キッズ
の大器晩成を信じてきた奴等で、彼ら自身も大器晩成タイプなのもほほえましい。
ファンと仲間の声に後押しされた再スタートは、まれにみる幸運だ。来年もまたライ
ブを行なうとの宣言をうれしく聞いたのだった。
by hirayama_y
| 2008-11-16 03:27
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