
ラルクASIA 的台湾ライブ

4/26は台湾に漂流。台北・中山足球場でL'ArcーenーCielの“L’7~Trans ASIA viaPARIS~”ツアーを観た。
この感動はなんだ?! アウェーでもないのに、ラルクに思い入れが高まる瞬間が何度もあり、そのたびに僕の思い入れを上回る台湾オーディエンスのリアクションが起こって、何回も感動を呼ぶのだった。
会場は古風なたたずまいのサッカー場。グラウンドは座席指定がないので、三週間前からテントを張って並んだファンがいたという。そんな思いが開演までのスタジアムを満たす。男女ほぼ半々、二万人近くの若いロックファン達だ。スタッフの動きなどちょっとしたことで歓声が上がり、それがピークに達したときライブがスタートした。
セットリストは明らかにできないが、横綱相撲と言いたくなる充実したオーダー。聴かせどころ、踊らせどころ、弾けどころのバランスが良く、バンドのさらなる進化が爽快だ。
ライブの最中、ここでもう一押しすればオーディエンスが爆発するのは間違いないと思うのだか、ラルクは心憎いまでにあくまでマイペースを守る。アウェーゲームを応援しているような気分になるのは、そんな時だ。台湾のファン達は僕の予想を越えて、イントロやエンディングでタイミングの良い拍手や歓声を贈る。そんなファンに対してラルクは、惜しみなくベストの演奏とパフォーマンスを捧げる。メロディアスな曲ではtetsuのベースが、弾け系ではkenのギターが、どちらも新境地と言える切れ味を見せる。一方でyukihiroとhydeはそれぞれに見据える完成形に向けて、音と声のニュアンスを深めていく。こうした四人の集中力が、初めてラルクのライブを体験する台湾のファンに伝わって、地面が鳴るような歓声に変わっていく。
hydeのセクシーさ、yukihiroのストイックさ、kenのオチャメさ、tetsuのオシャレさなど、キャラクター展開でも楽しませてくれる。日本のライブと変わらないメンバーの接し方に、オーディエンスは大喜びだ。
そしてこのライブでいちばん感じたのは、ラルクがまぎれもなく「ASIAのロックバンド」だということだった。繊細なメロディーやロマンティックなアレンジが台湾の空に響き、台北のオーディエンスに歓喜をもたらす。火や水をイメージさせるファンタジックな照明やさまざまな演出にも、アジア的な感覚の冴えを強く感じた。それは表面的なものではなく、もっとASIAの根源に迫る何かを内包していた。果たしてそれが来月行なわれるパリでのライブでどのように開花し、評価されるのか。これまでの日本のロックバンドの海外進出と明らかに異なるレベルとベクトルに注目したい。
ついでに言えば、ファンがそれぞれに楽しむスタイルで盛り上がる中、サッカー場のスタンドで起こったウエーブが、最初は小さかったのに結局はスタンドすべてを巻き込む大きさに化けたことが痛快だった。このラルクと台湾のオーディエンスとの化学反応は、最高の注目に価すると現地で肝に命じたものだ。
打ち上げはコンパクトでスタイリッシュなTAIWANESE DINING。現地スタッフも歓びをダイレクトにメンバーに伝えることができて嬉しそうだった。
帰国しての帰り道、都内の某駅前でGLAYのJIROくんにばったり会った。観てきたばかりのラルクのライブの話をすると、興味深く聞いてくれた。僕には昨年台湾でMISIAのライブを観て感激した余韻がまだ残っている。日本のバンドやアーティストのステップアップをもっともっと目撃したいと強く思ったのだった。
by hirayama_y
| 2008-04-28 02:50
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