血とジュエリー2

〝宝石は持ち主の想念を宿す”
伝統的な定説ですから


愛したり
憎んだり
恨んだり


その感情はいつも身に着けている
宝石に宿りその情念をさらに
歯止めの利かないものに
強めてしまう可能性だってあるでしょう


そう考えたとき
私が思う宝石の怖いイメージが
似合うストーリーは
〝サロメ”


もともと新約聖書に登場する逸話ですが
19世紀にオスカーワイルドが
発表した戯曲が有名ですね


素晴らしい踊りのほうびとして
欲しいものがなんでも与えられると
王に約束されたサロメは
自分の好意を拒んだ預言者ヨハネの
首をねだり切断させ口ずけする






聖書に登場するストーリーでは
少女サロメが王に
素晴らしい踊りの褒美として
ヨハネの首を欲しがったのは
母の望みを叶えたかったからなのだけど



可愛さ余って憎さ100倍
想いを遂げられないなら
首をちょん切ってしまえ
激しい愛ゆえなのは間違いないでしょう



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さてヨハネの首を前に
高笑いしているサロメが
つけている宝石は何かしらと
想像したら


やっぱりガーネットかな


和名ではザクロ石
日本の民話では鬼子母神が
人肉の代わりに仏さまから
与えられたものがザクロでしたね


錆びたような血の香りが漂いそうで
ありながらその艶やかさに
魅了され触れずにはいられない


〝一途な想いを叶える宝石”と言われ
ゲーテの年若い恋人ウルリケが
ゲーテへの愛を誓っていつも
ガーネットのネックレスを
身に着けていたのだとか




戯曲の最後では結局サロメも
王に命を絶たれてしまいます


血が滴るようなガーネットを
サロメも愛用していたのなら
そのストーリーエンドを彼女自身が
本当は望んでいたのかもしれません











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篠田恵美 ブログ


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