友人の死から学んだこと

ブログを全然書くことの出来ない時期がありました


せっかく読んで下さる方がいらっしゃるのですから
書けないと言っても
あれを食べたとか こんな所へ行きました
程度のことは書けるのですが
皆さんとシェアしたかった心に響いた気づきなど
全然書くことが出来なかったのです



何故かといえば それは私にとってかけがえの無い親友を
亡くしてしまったから



心にあることを書こうとすると悲しみが一緒に
吹出てしまうような感じでなかなか混乱状態から
抜け出せなかったのです



今年を振り返れば あんな震災があったのですから
きっと多くの方が大切な人を失い悲しい思いをなさったに違いありません
でも正直なことを言えば
私にはそんなことは起きるはずがないと
傲慢にも信じていたのでした



だから彼女が亡くなる前に 私に死が間近に迫っている
ことを打ち明けてくれた時も それを認める
ことなんて到底出来なかった




そんなことがあるわけないじゃない
絶対に大丈夫なの!
あなたが生きることを信じなくちゃダメじゃない




なんて言ってしまいました
彼女の言葉を受け入れることが出来なかったのです



彼女は私の反応に口をつぐみ
そして それから一ヶ月もしないうちに
旅立ってしまいました




取り返しがつかないことって
こういうことを言うんだろうと思います



彼女とはお互いに同志のような関係
若くしてお互い経営者になったので
抱える悩みも似ていたし
チャレンジすることや仕事への思いなど
なんでも話し合えたし理解し合えた



お酒を飲みに行ったりはあまりしなかったけれど
よくランチとかお茶をしては
熱く語り合ったものです




彼女の気持ちを思えば素晴らしい御家族の介護があっても
死を前に不安だったろうし親友の私にだからこそ
伝えたいこともあったはず
私は現実を受け入れることが出来ず
彼女を送り出してあげるチャンスを自ら失ってしまいました




あの時、真剣に彼女の言葉を受けとめていれば
私に出来ることが何でもいいから出来たはずだし
彼女の安らかな旅立ちを手伝うことも出来たはずで
それは彼女の為ではなく自分自身が納得するために必要な時期
であるのに その大切さを愚かにも気が付かず見逃してしまったのでした



彼女の旅立ちから三ヶ月



私自身の気持ちが少し整理出来て いま思うことは
人生はハッピーバースデーだけではなく
死は必ずやって来るということ



死を迎えることは
その先が見えないから恐いし
不安にもなる



いま持っているもの全てを手放さなくてはならず
人間関係も肉体さえも失い本当の無になる


それを想像すると足がすくんでしまうけれど…


でもその魂が消えるわけではない
次の見えないステージに旅立つだけ



今世での永遠の別れはとても悲しいものだけど



出産や誕生と同じ 人生の1つの通過点と同じで
この世での役割りを終えて旅立つ時であり



死そのものは不運でも不幸でもないんだ
と思えるようになりました



今になって時折 彼女は平均的な寿命よりかなり早く
死を迎えることを気がついていたのかな?
と思うことがあります


何故なら


私は自分の大切な人とは100%の誠実さで付き合うの
だってもしも相手が急に亡くなってしまったらきっと後悔するでしょう

と生前よく話していたから



私は フーンって感じで聞いていたけれど
彼女は確かに誰に対しても誠実だった
自分自身に対してもね
彼女が去った時
思い残すことはもちろんあったと思うけれど
いつも人に対して誠実だった彼女は
人に対して後悔はなかったはず
残された私の方がよほど悔んでいる



そして彼女が亡くなったあと
随分後になって私に届けられたメッセージは


本当にありがとう
もっと生きたっかた



短いメッセージ
そのカードを握りしめて泣いてしまったけれど
彼女の正直な気持ちそのものをやっと
受け取ることが出来ました


そしてこのことをきっかけに
もっと生きるということに真摯に向かい合って
毎日を過ごしたいと考えるようになりました



死を迎える時
全てを失い 何も持って行くことは出来ない
もし持って行くことが出来るものがあるとすれば
それは記憶の断片だけ



私がいつか突然 死を迎えるのなら
抱えていきたい記憶は

愛したことと愛されたこと

そして

自分に対しても他の人に対しても誠実である

ということだと気が付きました


あとは沢山笑ったことや沢山喜んだことかな



今 この瞬間を生きる


よく聞く言葉ですが
その本質的な意味が彼女のおかげで
ようやく掴めたようです



ちょっと長かったですね
最後までおつきあい頂き感謝です



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篠田恵美 ブログ


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