そばにいるだけで心があたたまる猫たちとの暮らしをつづった、ブログ「
ちいさなチカラ」の咲セリさん。心の病を経験し、生きづらさを抱えていたところ、不治の病を抱える猫と出会ったことで「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取ったといいます。
以来、何匹もの猫と出会い、ともに生きながら、その愛おしさをブログや本を通して伝えてきました。セリさんが猫たちから「生きるチカラ」をもらったように、セリさんのブログや本からたくさんの心の癒しや希望をもらっているファンは多いはず…。
そんな咲セリさんの新刊『息を吸うたび、希望を吐くように 猫がつないだ命の物語』が発売されました。
4月に『優しい手としっぽ』という本をご紹介しましたが、今回の新刊は、セリさんのお家にそれぞれ事情を抱えてやってきた猫たちのショートストーリーです。
どしゃぶりの中、駐車場の下で死にかけていた2匹の子猫、全(ゼン)と一(イツ)ちゃん。生まれて間もないのに必死に生きようとする子猫たち。「今いる猫たちを看取ったら、この命を手放そう」と話していたセリさんご夫婦のもとに、そんなちいさな命がやってきたエピソードにはじまり、飼い主に置き去りにされた黒猫「まめ」ちゃんをお迎えしたときの話。
また、亡くなったお年寄りのもとから引き取った膀胱麻痺の猫「イレーネ」ちゃん、そして、何もできないままこの世を去った長女猫「クウ」ちゃんの話…など。
それぞれに重荷を抱えながらも幸せに生きる姿に心があたたまります。
セリさんご夫妻もそんな猫たちとの暮らしのなかで、薄皮をはがすように少しずつ生きる希望と幸せを感じられるようになっていくのが伝わります。今回の本はいままで書いたことがなかったという猫たちの物語だといいます。
セリさんのこの本を通して、「どんな小さな命も大切な命。小さな命がだれかの生きるチカラになり、幸せを運んでくれる」と感じました。
著者の咲セリさんからもメッセージをいただきましたので、ご紹介します。
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*咲セリさんからのメッセージ*
私たち夫婦は、生きることが、ちょっと苦手です。
すぐ心のバランスを崩すし、人ともうまくコミュニケーションを取れない……。
そんな中、猫との生活は、私たちに「それでもいいんだよ」をくれます。
ブログで、我が家の猫を書くことによって、つながれた「本当の友達」にも出会えました。
今回の本は、そんな猫たちの、それぞれの猫生を描いた短編集です。
引っ越しで置き去りにされた子。
事故で膀胱麻痺になった子。
小さなまま、お骨になった子……。
そんな彼らの生きざまは、やさしく、懸命で、そして、愛おしい。
猫がいるだけで、私たちは、生きる希望をもらうのです。
ブログでは語りきれなかった、「ちいさなチカラ」の裏側。
読んでいただけたら、うれしいです。
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「猫のために、わたしたちができること」として、猫を見かけたときや、はじめて猫を飼う人のためのアドバイスも紹介しています。
読んだだけでやさしい気持ちになれる一冊。猫好きな方にはもちろん、心の癒しやぬくもりを感じられたらいいなと思っている方におすすめです。
コロナ禍で何気ない日常のありがたさなどいろいろ考えさせられることが多いいま、みなさんも、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょう。
『息を吸うたび、希望を吐くように 猫がつないだ命の物語』
定価:本体1200円(税別)
発行:青土社
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