
狂乱怒涛の一夜は終わった。
クランプスたちは去り、世界はまた平和を取り戻した。
早朝、電車に乗って、バード・ミッテンドルフを去る。
全てをすっぽりと覆い尽くしていた濃い霧も晴れ、やがて青空と太陽が戻ってきた。
車窓にはヨーロッパ・アルプスの雄大な山並みが展開する。
まるで異界へと紛れ込んだかのような祭体験は、もはやあの山の向こうのこと。そしていつしか、その山も遠ざかっていく。旅の興奮と感動さえ包み込むような劇的なフィナーレだった。
ヨーロッパから、一路、日本を経由して今度は南洋のオーストラリア。
めざすは灼熱の中央砂漠。