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髙田唯 混沌とした秩序 再訪
築地に行く用事があったので、帰りにgggの高田唯『混沌とした秩序』展をまた見に行った。
https://www.dnpfcp.jp/gallery/ggg/jp/00000788
最高気温37度(私のapple watch情報)の炎天下。
ブァッサ!っとブルーシートの旗がはためいた。
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ちょっとの風とこの音だけでも気分は良好。少し涼しい気分で中へ。
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ああ、涼しい。気温的にも室内が涼しいわけだが、凧がちょっと揺れるこの見た目が涼しい。
町を歩いていて、涼を取りたい時は喫茶店に入ったりするが、ギャラリーで涼を取るというのも一つの手だと思う。但し涼しげな作品に限るけど。

会場内で知人に会い、一番好きな凧どれ?みたいな会話をする。またそれも楽し。
二人で話していて、共通の疑問だったのがこちら。

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「この壁面の紙テープ、意図してるのかな?してないよね?」
多分普段はこのボードに紙を貼り付け、その上に作品を貼るのだと思う。そうした事が繰り返されて残ったのだと思われる(でも本当にそうなのかgggにも高田唯氏にも聞いていない)紙の端がランダムなストライプ状に。
「今度会ったら聞いてみよう!」
と、言って知人と別れた。
展覧会は2度行っても面白い。

ちなみに太いクラフト紙と青い紙の部分は作品。これじゃ何だか分からないよ!と読者の方は思われるであろうが、そこはやはり展示に足を運んで確認していただきたい。
展示は08月25日(木)まで。

# by dezagen | 2022-08-01 17:30 | 展覧会
LEE KAN KYO個展 『李漢強のN・F・T』出版前夜祭
 現在ユトレヒトでLEE KAN KYO個展 『李漢強のN・F・T』出版前夜祭が開催されている。

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 私はNFTというものをまだよく分かっていないが、李漢強君によればNFTとは、Netflix、F JAPAN、TSUTAYAなのだそうだ。
 壁にずらりと並ぶキャンバス地の絵の数々は、Netflixで出て来る作品のサムネールを描き写したもの。それが網(net)のように展示されている(どうもダジャレであるようだ)。その作品がF Japanのモニターで上映される。そもそもF JAPANって何なのだ、とモニターの前にあるファイルをめくると延々と「F/ふ」で始まる日本人俳優がずらり。つまり、F JAPANとは…、分からない。
 サムネールで描いた絵柄はTSUTAYAの店頭に並ぶDVDのジャケット写真にも使われる、という想定。DVDの箱の中には紙のDVDが入っている。ご丁寧にDVDのキラキラも描き写したもの(こっちは印刷物だけど)。宣伝用のポップもキャンバス地に手描き。
 今まだ出てない『トップガン マーヴェリック』のDVDもありますよっ!と強く言う李君。
 もうこらえられない、と爆笑してしまった。

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 私自身、アートには遠慮があって、アートと言うものは笑ってはいけないのではないかと思っているのだが、李君のアートには笑いがある。いや大笑いだ。ひょっとしたら李君は笑って欲しくないかもしれないけど、どうしても笑ってしまう。
 本人が真剣に、真面目に、コツコツと、しかもものすごく画力のある絵で描けば描くほどに、その涙ぐましい努力を想像するとさらに笑えてしまうのである。
 この笑いは爽快だ。ガッツリパンチ力の効いたアートから来る笑いは、夏バテ気味のグダグダ吹っ飛ばしてくれた。

 真面目に考えると、李君の手描き活動は1点しかできない。しかしそのモチーフは実際大量に世の中に出回り、いくらでもコピーでき、スクショでき、無限にコピー可能なものである。動画に到っては、何度も再生可能であり、大量に配信、あるいはDVDなどの媒体を通して販売され、レンタルされ、これまた無限に繰り返しが可能なものだ。加えて言えば、『トップガン マーヴェリック』自体、『トップガン』を繰り返し体験するような部分がある(と、聞いた。私自身は未見)。
 コピーが繰り返される無限の世界をあえて「静止した一点モノ」に還元する。大量消費に慣れた我々に、その作品は果たしてコピーなのか、一点モノなのか、という疑問を投げかける。今更陳腐な物言いかもしれないが、李漢強は、古くはアンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインらが50〜60年代に実践したポップアートの正統な後継者と言えるだろう。ウォーホルやリキテンスタインになくて李漢強にあるのは、笑い、だろう。正面切って堂々と笑っても良いポップアートなのだ。

 展覧会では李漢強君、初の作品集のサンプルも見れる(まだ文章が未完で本当にダミーだった)。予約すればキーホルダー特典付きだ。
(しかし、一点モノを印刷してまた量産するという行為は何なのだろう、とメディア史や現代アート論の本をめくりたい気持ちにさせることよ)

LEE KAN KYO 『李漢強のN・F・T』出版前夜祭
2022.7.12 (tue)-7.24 (sun) 
12:00-19:00 

# by dezagen | 2022-07-20 19:43 | 展覧会
展覧会『Yui Takada with ori.studio 髙田唯 混沌とした秩序 』

 グラフィックデザイナー/アートディレクター高田唯の新しい展示『Yui Takada with ori.studio 髙田唯 混沌とした秩序 』がギンザグラフィックギャラリーで行われている。

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 ギャラリーに入るとなぜか凧が100以上ふわふわと浮いている。凧の数はいくつなの?と聞いたのだが、聞く度に「大体100」「100以上」「120くらい」と増えて行くので、それ以上聞くのをやめた。
 なぜ凧なのか、という疑問は愚問だ。
 というのも、元々、高田唯の作品には決まった形式はなく、その時々に興味が趣くがままに進んでいるからで、そのバリエーションの多さは地下1階に展示されたこれまでの作品(の抜粋)を見るだけでも分かるだろう。100円マーク、方位磁針、泥よけ、スポーツ新聞のトリミングなどをひたすらコレクションしているもの、ベビースターラーメンを線として捉えて地図を作ってみる試み、折り紙を破いて層にしていく試み、紙の人形等々。
 全く次の瞬間にはどの方向を向いているのか分からない混沌っぷりだが、それが一つ一つきちんと形になってるというのが、高田唯のすごいところ
 完成度を研ぎ澄まして行くような形というより、ボリュームや積み重ねで、見ている人が満足する所まで持って行っている。

 今回の展示でさらにスゴイのは、その混沌ぶりを書籍「AXIS」という形でまとめた中国のデザインチームori studioだろう。できあがった書籍はめくってもめくっても違う紙、違う折りが続く。それを閉じているのはなんとボルト。

 高田唯の思考方法をori studioは書籍の形で、本人は「混沌とした秩序」という名の展示として今回見せているけれど、この秩序は掴みきれるものではなく、凧のように制御しがたいものなのか、とも思う。それで凧を選んだのか、元々高田唯の思考=在り方に凧がフィットしたのか、順番は分からないけれど、これまでの作品群の混沌を見てから、凧を見ると高田唯の在り方に納得する。
 同時に「デザインはこうなければいけない」という束縛から離れて自由な気持ちで帰途につける。
 とても気持ちの良い展示だ。

Yui Takada with ori.studio 髙田唯 混沌とした秩序 CHAOTIC ORDER  


# by dezagen | 2022-07-13 22:39 | 展覧会
世界のブックデザイン 2020-21
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後です。今年も印刷博物で「世界のブックデザイン」展をてきました。

2009年から定点観測しているので、去の受作はこちらをごください。


2020

https://dezagen.exblog.jp/30404701/


2019

https://blog.excite.co.jp/dezagen/29934901/


2018

https://blog.excite.co.jp/dezagen/28982252/

https://blog.excite.co.jp/dezagen/28982436/


2017

https://blog.excite.co.jp/dezagen/27811149/


2016

http://blog.excite.co.jp/dezagen/26450068/


2015

http://blog.excite.co.jp/dezagen/25170179/

http://blog.excite.co.jp/dezagen/25170182/


2014

http://blog.excite.co.jp/dezagen/23858750/


2013

http://blog.excite.co.jp/dezagen/21575134/

http://blog.excite.co.jp/dezagen/21575240/


2012

http://blog.excite.co.jp/dezagen/19519937/


2011

http://blog.excite.co.jp/dezagen/17040747/


2010

http://dezagen.exblog.jp/14366166/


2009

http://dezagen.exblog.jp/12145085/

http://dezagen.exblog.jp/12145216/


今年は「世界で最も美しい本コンクル」入選図書のほか、ドイツ、スイス、オランダ、中国のコンクルで入した130点を展示。コロナが続いていますが、昨年より40点ほど展示点数が増え、手袋をはめて本をられるようになっていました(展示関係者皆様のご尽力に感謝します)。展示会の撮影NGということで、書籍写真なし・リンクのみで介します。


まず「世界で最も美しい本コンク2021」受賞書籍から。


銅賞 エストニア

Leisure Spaces

Holiday and Architecture in 20th Century Estonia

(レジャースペース 20世紀エストニアの休日と建築)

Estonian Museum of Architecture

https://www.arhitektuurimuuseum.ee/en/raamatud/leisure-spaces-holiday-and-architecture-in-20th-century-estonia/

エストニアの別荘や小屋など休暇を過ごすための建造物を集めた書籍。エストニア建築博物館の展示図録だが、表紙のイラスト、書体の選び方が印象的。


銅賞 スイス

Data Centers

Edges of a Wired Nation

(データセンター:有線化された国家のエッジ)

Lars Müller Publishers

https://www.lars-mueller-publishers.com/data-centers

インターネットで接続された国家間の境界線はどこにあるのか、エッセイと写真によって現在進行中のプロジェクトを考察した書籍。巨大なサーバの写真が続く紙面は圧巻。


栄誉賞 スイス

Revelo No.1 Chroniques de Chantier

Revolo No.1 建築現場の記録)

Amaretto Association

https://www.schweizerkulturpreise.ch/awards/en/home/design/design-archiv/design-2020/ssb-2020/revelo-n1.html

スイス鉄道ヴェヴェイ駅の改修工事の様子を記録した書籍。情報デザインやスイス鉄道のコーポレートデザインなどの視覚言語を駆使してグラフィカルにまとめている。



国別の展示では特に印象に残ったオランダの書籍を。Fw:Books、Valiz、Jam Sap Booksなど、良書を出している独立系出版社が目立ちました(ちなみにFw:Booksから本を注文すると、「Read Books, Buy Books, Buy Local」という素敵なポスターを同封してくれます)。

https://fw-books.nl/product/read-books-buy-books-buy-local/



Helmut Salden Uncoverd 1:1

(ヘルムート・サルデン アンカバー1:1

Stichting De Roos, Broddy Books

http://dutchdesigndaily.com/complete-overview/helmut-salden-uncovered-11/

オランダのレタリングアーティスト、ヘルムート・サルデンが1939年から1970年にかけて書いたレタリングを実寸で掲載した書籍。ホワイトで修正した後もリアルに再現。


The Living Mountain

(ザ・リビング・マウンテン)

Fw:Books

https://fw-books.nl/product/awoiska-van-der-molen-the-living-mountain/

オランダの写真家Awoiska van der Molenの写真集。グレーの用紙にホワイトとブラックで美しい山の写真が印刷されている。糸かがり綴じの手製本。


No School Manifest

A Movement of Creative Education

Valiz

https://www.valiz.nl/en/publications/no-school-manifesto

創造性によって、学ぶことの意味を切り開き、従来の教育を根本から問い直そうとする運動No School」の活動をまとめた本。ショッキングピンクがいかにもオランダらしい一冊。


Rewriting Archtecture

10+1 Actions, Tabula Scripta

Valiz

https://www.valiz.nl/en/publications/rewriting-architecture

排除、継続、隠蔽、再構成、再利用、高密度化、コピー、オーバーレイ、再想像、再開、棄権など11の側面から建築を捉え直し、論考した建築書。こちらもオランダの出版社Valizの出版物。


The Walter Benjamin and Alberts Project

Jap Sam Books

https://www.japsambooks.nl/products/the-walter-benjamin-and-albert-s-project

ヴァルター・ベンヤミンとアルベルト・スペアの並行した人生を一つにするための探求について書かれた本。黒い紙にホワイトで写真と文字を印刷。



写真で介できないので、ぜひ地で物をごになってください。

会は410日まで催。事前予制です。


「世界のブックデザイン 2020-21

20211218日(土)~2022410日(日)月曜休

10:0018:00

はオンラインによる事前予(日指定券)制

https://www.printing-museum.org/collection/exhibition/g20211218.php


# by dezagen | 2022-02-11 22:55 | 展覧会 | Comments(0)
TAKORA/TAKO LABO個展「愛する人へ」
 ライター渡部のほうです。

 グラフィックアーティスト太公良君 https://www.graphictakora.com こと、TAKORAの展示に行って来た。

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 これまで布モノやグッズなどにグラフィックを応用し見せていた太公良君だが、今回の展示ではリソグラフを使いグラフィックそのものを見せる、という方法に挑戦している。

 太公良君にとってこの1年はかなりキツいところもあったようだ。昨年の個展は緊急事態宣言のために中止となり、海外とのプロジェクトを多くこなしていたところに海外渡航が自由にできないフラストレーションも重なった。
 改めて自分のやりたい事を振り返り、「もっと単純な感情で作った=書いた絵が愛おしくなった。自分にとってもっともっと単純に考えている世界を恥ずかしげもなく見せてもいい気分になっていた」と、今回の個展のために用意されたzineには書かれている。

 ストレートにグラフィックを見せよう、と、リソグラフに起こりがちな版ズレも極力避けた。版ズレをさせてしまうとそこに余計な味がでてしまい引っ張られてしまうからだ。極力、形と色の組み合わせを楽しんでもらう、ストレートに表現された世界が広がる。

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 アレクサンドル・ロトチェンコ(+ヴァルヴァラ・ステパノヴァ)の「おしゃぶりほどよいものはない」というポスターを思い出した。和えて書くまでもないような気もするが、ロトチェンコはロシアアヴァンギャルドのデザイナー、ロシア構成主義を代表するグラフィックを作った。
 この作品では直線、幾何学形態のみで構成され、それだけにダイナミックな表現を可能としている。余計な要素を省き、いかにストレートにメッセージを伝えるか、という意味ではロトチェンコと太公良君の作品には共通するものがある。

 むろん違いもあって、太公良君の作品は黄色や赤、ピンクといった明るくポップな色使いで、楽しさ、幸せ感といったものが前面に出てきている。
 リソグラフのグラフィックのみで表現したことで、太公良君の目指すものがよりシャープに伝わるようになったように思う。
 
 
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 切り紙でのコラージュのシリーズは展示品ではないが、ファイルで見る事ができる。約1000セットという物量。こちらもみごたえありだ。

5月11日(火)まで。
詳細は会場、にじ画廊(東京都武蔵野市吉祥寺本町2-2-10)のウェブサイト http://nijigaro.com で。

# by dezagen | 2021-05-06 09:36 | 展覧会