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カテゴリ:イベント( 139 )
台湾台中 高田唯展「形形色色」その2
ライター渡部のほうです。

台湾台中での高田唯展「形形色色」の続き。
8月5日(日)に行われた高田唯×アーロン・ニエトーク、自分用の記録ですが、自分だけではもったいない、来れなかった皆さんにも公開したい、ということでブログにアップします。
最初の5分ほど録音ができず若干切れているものの、全体で8千字近くあり、読み切れないと思いますが、記録そのまま掲載します。

登壇者:高田唯、アーロン・ニエ(聶永真)
司会:渡部千春
通訳:楊曇硯

会場:台虎精釀 啜飲室台中

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ギャラリー前に立つ高田唯(左)とアーロン・ニエ
撮影 後藤洋平

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トーク会場。開場前から行列。

渡部千春(以下、渡部)「まずはアーロンさんに今回の展覧会の感想をお聞きしたいと思います」
アーロン・ニエ(以下、アーロン)「以前の展覧会の様子を(ネット上などで)見たものは少し遠い感じがして、それに比べると、今回の展示は近く感じる。ストレートな感じがしました」
高田唯(以下、高田)「展示はキャプションがないので、僕の方から簡単に説明をさせてもらいますね。綠光+matüre のギャラリー会場は僕が独立してからの仕事を、なんとなくですが時系列に並べていて、入ってすぐのものが初期作品、ギャラリー奥の部屋がよりより最近の作品になっています。
さらに最新作は同じ綠光計画エリア内ガラス張りの部屋で、台湾で見つけたものからインスピレーションを受けた作品です」
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撮影 後藤洋平
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高田「皆さんご存じですか?台湾の新聞の求人広告は日本にはないスタイルなので、衝撃を受けました。皆さんには当たり前すぎてあんまり美しくないと思うんですが、でも僕は美しいと思ったんですね。
そうはいってもそのまま大きくしてもつまらないので、文字をズバっと排除しちゃうとどうなるのか試みてみたものが展示されています。
アーロンさんが言っていた、近く感じる、というのは、もしかしたらこういうところかもしれません。台湾の人達はカラフルなのが好みで、ちょっと心がウキウキするとか。そのせいもありますかね」

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撮影 後藤洋平

渡部「新聞広告の文字内容は分からないで作ったんですか?」
高田「漢字圏なのでなんとなく理解はしたけれど、全部を把握できていないです」
渡部「文字内容が分からないから色面が目立って見えるということもある?」
高田「そうだと思います。内容に気持ちが行かない分、色とか形とかに行くので、そういうところをピックアップしたんだとは思います」
アーロン「さっき見に行った時まだ会場が開いてなくて、ガラス越しに下に敷いてある新聞は日本のじゃないだろうとは思いました。さっき高田さんが言ったように、文字内容が分からないから、色使いや配置を直接的に見たんだろうと。一般的な台湾人は新聞広告って文字だけに目が行く。ものを見て、何を吸収して何を吸収しないか、その視線の微妙なところがデザイナーにとって1番重要なところかもしれない」
渡部「アーロンさんはこの広告をダサいと思います?」
アーロン「多分10年前に見たらダサいと思ったと思うんですけど、デザイナーとしては見え方が違って来ている」
高田「理解力が上がっているって事ですよね」
アーロン「見る時の揺らぎはありますね」

渡部「今度は少し話を変えまして、高田唯×アーロン・ニエコラボレーションステッカーのお話を聞きたいと思います。どうやって作って行ったか説明していただけますか?」

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高田「最初に、せっかくアーロンさんが対談を引き受けてくれたので、一緒にコラボレーションして何かを作りたいと、前回下見に台湾に来た時に、アーロンさんと打ち合わせをしたんです。その時にステッカーを作ろうという話になりました。
A4くらい大きいほうがいいんじゃない?という話になったら、アーロンさんが「縦にしちゃったらいいんじゃない?」と。まさか縦に!って驚きましたけど。
お互いにシールの形を決めて、それを交換して、それぞれの形の上にそれぞれのグラフィックを乗せる、ということにしたんです。この画像の赤いラインが僕からアーロンさんへ出した型抜きのデザインです」

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高田「(画像を変えて)デザインが変わったのが分かります?なんと、この黒い線がアーロンさんのデザイン(笑)」

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アーロン「実はプレッシャーが大きかったんですよ。一か八かで、先に先手で打つ、みたいな」
高田「それは僕も同じで、僕もずらして返そうかなと思ったんですけど、(会場笑い)それはさすがにやめて、展覧会情報を載せました(笑)」

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渡部「ただ文字を載っけただけのように見えるんだけれど、切り取ってみたら違った形に見えて面白かったです。鏡面のような銀色ベースにした理由も教えてもらえますか」
高田「特別感を出したかったし、普通のシールよりちょっと豪華なものにしたかったので、ユポというビニール素材で水に濡れても大丈夫な素材を選んだんです。ユポは白もあるんですけど、なんかつまらない。ユポの見本の中に鏡面のステッカーがあるのを見つけて、なかなか使わない素材だしせっかくだからこれを使おうと。
僕が紙を決めて印刷も日本でやったんで、アーロンさん自身も今日初めて見る。仕上がりを見てどうでしょう?」
アーロン「(ちょっとためらいの時間)……(笑)きれいだと思います。1番気に入ったのは、説明の紙を違った色で入れているところです」
高田「嬉しいです。ステッカーには全く触れてないですけど(笑)」

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渡部「では次に、それぞれに質問を聞いていただこうと思います。まずはアーロンさんから高田唯さんへの質問を聞いていただけますでしょうか?」
アーロン「高田さんの昔の作品はもちろんきれいなんですが、最近の作品はわざとダサくも見えるような、揺らぎ感が以前より増したように思いました。台湾のデザイナーはきれいなものを作り続けようとする傾向がある。高田さんがあえてずらしているのは度胸がありますよね。そこはどうしてなんでしょう」
高田「学生の頃から基礎的なグラフィックデザインを勉強し始めて、先輩達のデザインとはこういうもの、というのを視覚的に吸収して、美しく整理整頓させる事を勉強してきました。ただ、きれいなデザインが増えて整いすぎてしまい、ちょっとつまらないな、と思い始めた時に、ヒントを与えてくれたのが、街中のデザイン。デザイナーじゃない人達が作ったデザインだったんです。
職員さんや駅員さんが、ただ伝えたいという気持ちだけで作ったもの。情報を伝えるのが第一で、きれいに整えるというのは考えられていないと思うんですよね。きれいな視覚的なところではなくて、人が困らないように誘導しようと考えている事、その姿勢が美しいと思ったんです。
世の中をよくしたいという姿勢のほうに惹かれたのと同時に、ルールのないところにグッと来てしまった。僕たちはデザインのルールを知っちゃってるんだけど、そういうものを知らずになんとなくこうしたほうがいいかな、というものはデザイナーが作ったものより、よっぽど活き活きしていて、僕には魅力的に見えたわけです」
渡部「東京造形大学のグラフィックデザイン専攻紹介冊子。今回興味のある方には持って行って下さいと置いていたんで、会場の方も持ってらっしゃる方がいますが、この中にも「あれもこれもデザイン」というページでそうした街中のデザインを紹介してますよね。普通はうちの大学ってこんな事をしてますよ、って紹介する冊子なんだけど、突然こういうものも入れてしまってる」

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高田「「あれもこれもデザイン」は、ふざけているわけではなくて、情報を伝えるという意味では、立派なグラフィックデザインだと思っているんですよ」
アーロン「あのパンフレットで言うと、表紙を破る、っていう発想がいい」
高田「白い表紙のものはまだ未完成なんです。最初の4ページ分を破って、人それぞれに破り方が違うので、同じものはできない。持ってらっしゃる方は、是非破って完成させて下さい」

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アーロン「学校の同僚から文句はないんですか?」
(会場笑い)
高田「文句はないんですけど、ニコニコしながら、高田君のデザインはヘタクソだよねー、と言われたりしてます。渡部先生はどう思ってるんですか?」
渡部「大学の同僚になる前に自分はジャーナリスト、と高田先生はデザイナー、として知っていたわけですが、この人壊れてるな、と思ってました」
高田「お褒め頂きありがとうございます」

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撮影 後藤洋平

高田「僕からアーロンさんに質問です。グラフィックの価値観を壊すことが大事なんじゃないか、と言っていましたが、なぜそういう風に思ったのか。台湾の事情も絡めながら教えてもらえますか」
アーロン「多分、高田さんと同じような考えで、世間にはいいデザイナーは沢山いて、きちんと整理整頓された美しいデザインを作り出している。でも段々区別できなくなってきて、個々のデザイナーの違いがなくなる流れはいやだなあと思って。
やっぱりデザイナーの重要なところは、他人とは違う、自分の存在意義。最終的には他の人が満足したということではなくて、自分の楽しみや満足が大事なんです。
クライアントのための仕事でも、自分の理論から少しズレてみる。そういう事も自分にとって意味がある」
高田「すごくよく分かります。昔は人のために作る事が多かったし、それが当たり前だった。世界同時多発的な時代性だと思うんですが、みんなが自分に興味を持ち始めて、自分を主張してもいい時代に入ってきたと僕も思います。
これからは人に合わせるというより自分に合わせて行くほうが、もっと世界が面白くなるんじゃないかと思います。だから僕も覚悟を決めて、こういうデザインがあってもいいんじゃないかなと、あまり見た事がないところへ冒険をしている、というところと繋がりますかね」

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撮影 後藤洋平

高田「アーロンさんにはいっぱい聞きたいことがあるんです。これからチャレンジしていきたいことを聞かせてもらえますか」
アーロン「チャレンジとかあんまり考えてないんですけど、自分に対して優しい環境を離れる。優しいところにいたら安定してしまうから、そういう場所をあえて離れて厳しいところに行く。これはこれからというよりずっとやっていることですね」
高田「じゃあ、これからはどういうところに身を投げるんでしょうか?」
アーロン「1,2年くらいベルギーに行ってやってみたい。台湾の仕事も続けますが、海外で自分を試してみようと思ってます。
ずっとやりたいと思っている事は、名前を変えて作品を出す事。自分の名前が知られている事に縛られ過ぎることがあるので、他の名前で勝負してみたいです。
高田さんは将来チャレンジしたいことは?」
高田「全然ないんですよ(会場笑い)。むしろ今が未来なのかもしれないです。綠光+matüre で初の海外個展を開くという目標が叶ったので。
特にこうしていこうとか、10年後はこうありたいとか明確になくて、その時々に思ったことをちょっと口にすると反応してくれる人がいるので、波に乗る感じ。そういう生き方でいいかなあと(笑)」

アーロン「星座はなんですか?」(会場笑い)
(通訳の楊さん「日本は性格判断に血液型をよく引き合いに出しますが、台湾は星座が重要なんですよ」
高田「乙女座です」
アーロン「獅子座です」
高田「まさか星座を聞かれるとは思ってなかったです」

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撮影 後藤洋平

高田「アーロンさんが、最近の台湾のグローバル化に疑問を感じるという記事を読んだ気がするんです。台湾の国際化、海外の文化を取り入れて行くことに不安や疑問はありますか?」
アーロン「国際化は必ずしも悪いともいいとも限らないんですが、国際化することで、むしろ自分のセンスや思考というのと向き合える機会になるし、新しいものをプラスにできるかもしれない。台湾としては悪い事ではなくて、新しい事のインスピレーションになっていますから、今の台湾の状況はいい方向に進んでいると思います。高田さんはどう思います?」
高田「自分で質問しておきながら、難しい質問…(笑)。
日本もやっぱり国際化している。オリンピックが2020年にあるというのもあって、色んな国の人がいるのが当たり前になってきていて、脅かされている感じもしてドキドキするんだけど、別の文化を知るきっかけにもなるので、悪い事ばかりではない。
世界的に携帯で繋がれる時代というものに対して、活かす活かさない、をみんなが調整していけばいいと思います。国と国の関係って、10年20年前は他人事というか大きい話だったと思うんですが、今は国と国の関わりが、それこそこういう展示やイベントができるような個人的な繋がりになってきているというところは、すごく興味深い。それをプラスの方向に持って行けば、国の性格を保持したままお付き合いができるんだと思います」

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撮影 後藤洋平

会場から「今のデザインはシンプルに見えますが、下書きやスケッチをしますか?それとも直接コンピューターでデザインするのでしょうか?」
高田「最近はあまり下書きをしていません。昔は自分が忘れないように書いたりとか、デザインのレイアウトを描いてはいました。今は身体の中にストックしたものがあるので、パソコン上でいきなり作ることもよくあります。いいと思ったものは紙に書くより、モニター上で作ったほうが早くなったんでそうしています。
ただ、僕自身経験を踏んでのことなので、若い人には身体で形を覚えて欲しい。紙に描いておくことをお薦めしています。グラフィックデザインで覚えたことを手で出現させる行為はグラフィックデザインの根っこの部分だと思うので、それは是非やって下さい」

高田「アーロンさんも学生にデザインを教えていると思うんですけど、教えている時はどういうことを大切にして教えているんでしょう?どういったことを伝えていますか?」
アーロン「デザインで大事なのは学校の教育ではなくて、自分は何が欲しいかが一番重要なんですよね。学校の良さは、自分のセンスと違う教育の中でも自分の中で変わらないところに気付くことかな。
先生とは違うと思うこともあるし、自分が嫌いなものを作る機会もあるけれど、それも大事だと思うし、それが学校の良さだと思います。高田さんは?」
高田「自分と違う人がいることを受け入れたり受け入れなかったりというのがあって教育って成り立っているんじゃないでしょうか。
僕が学生に向き合って教えているのは、あなたは何者なの?ということを問い続ける事。細かいグラフィックの技術はもちろん言うんだけれど、そもそもあなた何したいの?何のために生まれてきているの?というのを、明らかにさせることをしています」

アーロン「2人は大学で何の教科を担当しているんですか?」
渡部「私は講義ではデザイン史とデザイン論。実技では情報整理を担当しています」
高田「僕はビジュアルコミュニケーションとグラフィックアート。ビジュアルコミュニケーションは広告とかブランディングとか、どうやって工夫をしているかというもの。グラフィックアートは、さっき言ったようなそれぞれの能力を引き出せるためのアート的な表現を出させていくものです」

アーロン「今この場所には将来デザイナーを目指している人、日本の大学を受けたいという人もいると思うんですけど、日本の大学のいいところや特徴って何でしょう」
渡部「日本の美術デザイン教育は、50年代60年代に流行ったモダンデザインというのをまだちょっと引きずっているというのが一つの傾向。もう一つの傾向としては、アニメーションや漫画に対しての理解がある」
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撮影 後藤洋平

高田「台湾はどうですか?」
アーロン「大学のことは分からないですね(笑)。大事なのは人の本質。嫌いなのは作品のコンセプトを書かないといけないこと。作品のコンセプトを無理矢理書き足しているようなものはいやですね。例えば、赤はパッション、青は冷静、とか。自分が何をやりたいか、というのが一番大事だと思っています。
今日来ている人達は高田さんのズレ感が好きで来てると思うので、そのコンセプトを理解していると思うんですよ。でも、例えば学校で生徒達が自分の感覚を理解してないとか、高田先生の作品は意味分からない、と言われたらどうしますか?」
高田「どう思う?って聞きます。学生にこれはどういう意味か教えてくれって言われたら、君はどう見えるの?って聞きます。答えは教えない。
僕もアーロンさんと同じで、コンセプトを語るのが苦手で、それ言っちゃったらそれが正解すぎて、考える余白がなくなっちゃうから。
デザインコンセプトを説明されるとその場で済んじゃって、心に残らない。僕はそれがイヤだなあと。フライヤーは8月ですし太陽です、と言われても面白くないですし、違います(笑)。だからもう少し放ったらかしてもいいんじゃないかな、と思う。日本のデザイン全体が。」
アーロン「問う事が答えなのかと。形形色色(日本語で色々の意味)というのがその答えなんじゃないかな」
高田「展示タイトルが、そうですね。ありがとうございます(笑)。僕がいろんな学校に行って、僕がいつも気にして生活しているのはこういうところだよ、というのを配っているんですけど」

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□いろんなものを観察すること
□自分の考え、感情、反応を観察すること
□疑ってみること、受け入れてみること
□感動すること
□工夫すること
□グラフィックデザイン以外に武器をもつこと
□口にする(文字にする)こと
□自分という存在を理解し、活かすこと
□季節を感じること

高田「想像しながら文字にするとか、口にするとか、言葉にするといつも叶ってきたんですね。海外で個展できないかな、と、言っていたらできたように、こうしたいな、と思った事を自分の中に留めておかないで、出力すると動きが変わると言うことが多い。
四季は、僕はここ結構大事だと思ってて。生き物なので、気候を感じたり、風の匂いを嗅いだり、この季節はこの花が咲くのかとか気付いたり、季節の食べ物を食べたりとか。そういうのを気にして他の事もやってる。なにげにここは大事です。」



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撮影 後藤洋平

アーロン「グラフィックデザイン以外に武器を持つこと。高田さんの武器は何ですか?」
高田「クライアントからもらった仕事を答えるのがグラフィックデザイナーですよね。それ以外に、絵を描いたりとか、教員も武器かもしれないし。あと活版印刷とかも。グラフィックデザイナー=グラフィックデザインだけをやればいい、というものでもないと思っています」

渡部「ではそろそろお時間となりました。皆さん、アーロンさん、ありがとうございました」




by dezagen | 2018-08-09 01:11 | イベント
2017年 ロンドンデザインフェスティバル Kingston University 卒制展
ライター渡部のほうです。

明日フライトで帰国。最後の残り時間は小さいイベントをちらほら。

最後に見たのは、大学生の卒制展。
キングストン大学 http://www.kingston.ac.uk/undergraduate-course/product-furniture-design/ のプロダクトと家具の卒制作品が並ぶ。

この4日間、プロとセミプロの作品をずっと見ていた目からすると、もちろんまだまだ作品は粗い。粗いけれど、大学生の作品だと思うと、かなりうまい。

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スパゲッティの容器と調理用具を一つのセットにしたもの。

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部屋のパーティションを収納にするアイデア。

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座る部分が可動式で隣り合っても、向き合っても使えるテーブル。

この展示全般では、コンパクトリビングが意識されていた。やはりロンドンも居住スペースが徐々に狭くなっていっている事をうかがわせる。

一番最後に見たのが偶然にも大学生の卒制展だった、というのは、帰国して大学教員業務に戻れ、という天のお告げなのかもしれない。やれやれ。


by dezagen | 2017-09-24 06:57 | イベント
2017年 ロンドンデザインフェスティバル Jasper Morrison Shop 展示
ライター渡部のほうです。

ロンドンデザインフェスティバルでは、これまでのブログに書いた大型の展覧会/展示会以外にも、小さなスペースで行われているイベントが多くある。

ジャスパー・モリソンのショップでは、Typologie No. 1 La Boule de Petanque. という展示が行われていた。

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最初、この球体は何だろう?と全然分からなかった。
手のひらに収まる程度の、金属のボール、木製のボール、欠けている木製のボール、木に金属がうろこのようについているボール、などなど。

ふと見ると、壁に解説文が。
つまりは、ペタンク用のボールなのだった。
数十種のボールが並んでいたのだが、こんなに種類がある事に驚き、一つ一つの個性ある表情に感心し、製造工程を収めた映像に見入り、ボールを俯瞰で撮った美しい写真に見ほれる、という、普通だったら公園でおじさん達が遊んでいるボールなどほとんど気にも留めないというのに、ジャスパー・モリソンの手に掛かると、この一つ一つの魅力に気がついてしまうのだ。


by dezagen | 2017-09-24 06:34 | イベント
2017年 ロンドンデザインフェスティバル London Design Fair
ライター渡部のほうです。

ロンドン滞在もあと1日。メインイベントの一つで、いわゆる「トレンディエリア」の東方面のOld Truman Brewery で開催されているLondon Design Fairに行ってきた。
これまで別々の扱いだった展示会London Design Fair、Tent London 、Super Brands Londonを一つの建物内に収め、PRもすべて一つにまとめ、コンパクトな見せ方になった、はずなのだが、例年と相変わらず混沌とした迷路状態は変わってなかった。
Old Truman Breweryという旧工場の場所だけに、突然何も試用されていない工場跡スペースが現れたり、混沌具合も楽しみの一つかな、とは思う。

リーフレット。
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ペラで印刷して、背に糊付けして来場者がめくって剥がすタイプ。折りの手間も掛からず、会場でバラバラ散らかったりしない。London Design Fairに限らず、ここ数年、特に今年はこの方式が多かった。

恐らく数百の展示者がいるこの中で、気になったものを。

セラミックの作品の人。Bethany Stafford
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キャッチコピーが「BRUTALIST INSPIRED CERAMICS」。ブルータリストにインスピレーションを得た陶芸。カッコイイ!
残念ながら説明してくれる人が不在だった。話を聞いてみたかった。

ギリシャをベースにする2人組のデザイナー157+173 designers http://www.157-173designers.eu
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照明機器のぶら下げに一般的なロープやベルトを使い、ランプシェードは布やヘチマ(!)を使う、というナチュラル志向。

台湾人の若い女性デザイナーのブランド、Before Breakfast. http://www.beforebreakfast.london
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この人、去年ラウンチした時は本当に小さいブースで、個人的にはとても好きなデザインなので頑張ってねー、と言う話をしていたのだが、高い評価を得て、1年で急成長。今回は目立つ場所に大きくブースを使っていた。
罫線を入れたノート類は、ステーショナリー大国日本から見ると「割とこういうのあるんじゃない?」と言われそうだけれど、派手目の色の選択や、粗い紙素材の選び方がユニーク。
日本でも是非扱って欲しい。

オランダのデザイナー、Susanne de Greafの照明。http://www.susannedegraef.nl
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全て金属素材で出来ているのかと思いきや、細い素材は、なんと、ポリエステルの糸!見事に騙された感じが心地よい。

ちなみに、全般的に細い金属素材で組み立てた作品はかなり多かった。それはそれで、なんとなく80年代風ポストモダニズム風なのだが、どうもポストモダニズム風(あくまで「それ風」)が流行っているっぽい。

こちらはメンフィスにインスピレーション受けてます、と言うスペインのAparentment http://www.aparentment.com
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大理石…。
重いから販売が大変なんじゃないかと聞いてみたところ「アメリカからの注文が多いんです。アメリカだと、車社会だとか、土地があるとか、であまり重さは気にしないみたいです。」とのこと。
一方、地元スペインでは、テーブルに置く程度の小物が売れているそうな。

他にもテラソ(人造大理石)で色の組み合わせを楽しむものなど、倉俣史朗を彷彿とさせる(とはいえ倉俣レベルまでは行ってないけど)作品も多々。

流行は常にリバイバルすると頭で分かっているのだが、実際に目の当たりにすると、80年代の日本のバブル期とポスモダニズムの「ちょっと恥ずかしい感じ」も同時に思い出してしまい、複雑な気持ち。

が、今回London Design Fairだけ一緒に見ていた29歳男性(うちの大学の卒業生、現在スウェーデンでデザイナーとして仕事中)が
「80年代ってこんな感じだったんですか?」
と真顔で聞いてきた。

考えてみたら展示者の多く、30代のデザイナーは80年代生まれ。
あの、ちょっと恥ずかしい感じ、を実体験していない世代なのだった。。

今回のLondon Design Fairの展示全体での傾向は、ポスモダニズム風もあるが、あとは素材(石、樹脂、陶など)そのままを活かした作品が多かった。
素材そのままだから、というのも理由の一つだと思うが、色彩、グラフィック的には、昨年はテキスタイルのパターン、あるいはパターンを活かした壁紙風の紙製品を押したものが多かったのに対して、今年は色ベタなものが多かった。

時代は巡るなあ。。


by dezagen | 2017-09-24 06:06 | イベント
2017年 ロンドンデザインフェスティバル designjunction
ライター渡部のほうです。

ロンドンデザインフェスティバルのメイン会場の一つである、design junction
再開発の進むKings' Cross駅近くのエリア、美大のセントラル・セントマーチンズ校舎を含む3会場+屋外を使った大規模な展示。

行った日があいにくの雨模様で、かつ、まだ開発中ということもあって行き方がよく分からない、と思ったら、サインが秀逸。
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蛍光+矢印型。小さくても遠くからでも目立つ!

見た感想を先に書いてしまうと、ハイエンド向けでちょっと商業的すぎたかな、というのが正直なところ。すでに知名度のあるブランドやデザイナーの展示がほとんどで、新しいものを見るというよりは、プロ向け見本市の各メーカーの仮設ショールームが一堂に集まった感じ。
メインのスポンサーが、車のルノー、時計のラドー、国のバックグラウンドのつくトルコセラミック、と、これだけ見てもお金持ちっぽいのは伺えるところ。ハイエンドのマーケットが革新的でないということではないのだけれど。

気になったものをいくつか。

Seeds
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写真右の卵型のブースが商品。
卵型のブースがあっても使いにくそう、と、思ったものの、入ってみるとかなり居心地がいい。
1人でいてもなんとなく安心感がある。天井部分が空いているので閉塞感はなかった。2人で話をする(メーカーの人にはこのブースの中で話を聞いたので)のも、外からの雑音を適度に遮断し、適度に距離を保ちながら会話が出来る。
最大5〜6人は余裕で入れるサイズ。パーティーやビジネスシーン、公共の場など、多目的な用途を想定しているとのことで、私が個人的にこれいいいなと思った理由は大学での学生との相談時に使えるな、と思ったため。
周囲に人がいると話しにくい学生もいるし、かといって閉鎖空間も辛い。そんな時に便利だな、と。本当に個人的な理由だけど。
ガラス繊維強化プラスチック/ポリエステル製で、軽くて強い。また15個ほどのパーツを特別な道具なく組み立て、解体することができる。

デンマークのセラミックメーカー KAHLER(Aの上に‥のウムラウト)
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キャンドルの上から被せる陶器。 Urbania建築物の形になっているのが楽しい。
デザイナーは女性2人のデザインチーム、BECKER & BACHE。

2LG studioのシルクスクリーン+カフェ提案。
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インテリアデザイン事務所の2LGが発案するカフェは、2LGの壁紙風のパターンが載ったシルクスクリーンを体験し、乾くのを待つ間にコーヒーを楽しみましょう、できた紙はラッピングペーパーやポスターにお使い下さい、というもの。
美術系の大学にいるとシルクスクリーンは馴染みがあるが、一般的にシルクスクリーンを手軽にできるところはかなり数が限られているのだな、というのを実感した次第。
ただ正直言ってあまり現実的でないような気も。初心者の場合、それなりに服も手も汚れるし、シルクをやるならやるで準備しておいたほうがいい。コーヒーブレイクがあるのはいいと思うので、どうせなら(うちの)大学の工房にカフェを入れて下さい。

本当は筆頭に入れるべき、会場入口前の広場を使ったターキッシュセラミックの門。セラミック作家のAdam Nathaniel Furmanの作。
こちらはオフィシャル写真。
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入る時は雨だったので、うまく写真が撮れず。帰りに見たら空がすごい色になっていて、そのシルエットがきれいに見えた。
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そういう風に楽しむ作品じゃないんだろうけど。


by dezagen | 2017-09-23 07:38 | イベント
2017年ロンドンデザインフェスティバル Design Frontiers
ライター渡部のほうです。

本日は、Design Frontiers というイベントに。
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14件ほどの小さな展示とはいえ、プロダクトデザインの実力者が揃った展示なので期待して行ってみると、良かった…、全く期待を裏切らない、いい展示だった。

最初に見たデンマークのテキスタイルメーカー、Kvadrat https://kvadrat.dk がいきなりこの猛獣。
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かなり振り切ってる。(ごめんなさい、こちらの作品の作者が分からず)

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かと思うとこんなかわいげな作品もあったりして、ただ布を見せるだけではない工夫が。こちらはChristien Meindertsmaの作。

スワロフスキーはトード・ボーンチェの作品を。
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トード・ボーンチェはミニチュアのような、細かい切り絵のような、細かさ、が一つの特徴でもあったが、近年はそうした傾向だけでなく素材の魅力をボーンチェ独自の解釈で切り拓く作品が増えている。
この照明は有機的な形に作ったクリスタルから、液体のような光の現れ方をするのが面白い。

nolii
またたくまにイギリスきってのスーパースターデザイナーになった、ベンジャミン・フバートの新作は、PC、モバイル周辺アクセサリーの提案。
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こちら↑は会場写真がうまく撮れなかったので、オフィシャル写真から。

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どれがどれだか分からなくなっているバッテリーやアダプタ類をスマートに収納したり、絡みやすいケーブル類をファブリックとグリップ感のある樹脂でまとめたやすくしたり。
こうした工夫は他のブランド、メーカーでも見ることが出来るけれど、見た目にもまとまりのあるシリーズとして出している。

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日本にも来月、Dover Street Market 銀座にラウンチ予定のファッションブランド「Jijibaba」(ジジババかあ…)。
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デザイナーはジャスパー・モリソンとハイメ・ハヨン。全然タイプの違うプロダクトデザイナー2人で共作?と思ったら、ジャスパー・モリソンラインとハイメ・ハヨンラインの二種で分かれていた。
ジャスパー・モリソンはスタンダード好きを反映し、ハイメ・ハヨンは家具やプロダクトなどにも使う曲線やちょっとしたアクセントを盛り込む、と、それぞれのプロダクトスタイルが洋服にも活かされている。
38種のアイテムはファッションのシーズン毎の新作を出していくスタイルではなく、継続的に売られるものになっているとのこと。

最後に見て、正に「frontier!」と思ったのが
Sebastian Cox とNinela Ivanovaのプロジェクト。
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一見、陶器かな?と思うようなランプシェード。これは木材チップに菌を培養し、菌糸の繋がりによって成型していく、というもの。作るのに大体1ヶ月くらい掛かるそう。
まだかなりプロトタイプ状態で、形もガタガタしているが、いずれもっと樹脂のようなきっちりした成型を目指す、という。


by dezagen | 2017-09-23 00:09 | イベント
2017年 ロンドンデザインフェスティバル mt × Foyles
ライター渡部のほうです。

LDFでmtのエキシビションがあると知って、あわわ、とダッシュ。
会場はロンドン老舗の書店Foyles。

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ショーウィンドウと、店内1階の真ん中のスペースに水色、灰色、白のmtを使ったインスタレーションが展開されている。
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この写真の左側のスロープには、mtのテープ、そのままを重ねたものが並んでいる。
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様々な書籍カバーの色彩が入り交じる店内で、色を3色に絞り、穏やかな雰囲気にまとめているのは効果的だ。上の写真のように人々がくつろいでいるのも、この色柄の効果だと思う。

ショップのレジ前、雑貨コーナーにも特設のmtスペースが出来ていた。
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youtubeにこのインスタレーションの設置の様子がアップされているので、是非こちらも。



以下余談

90年代半ばにロンドンにいた私からすると、Foylesは今で言うとamazonがリアル書店になったような場所。あらゆる本が揃っていて、特に教科書系は確実にある。美術にしろ言語にしろ各セクションの書店員さんは正に生き字引で、書籍買うより店員さんの話を聞いているほうがよほど勉強になりそうな感じだった。本の並べ方も雑多で、本のありかは店員のみぞ知るという状況。まだコンピューター管理されていない時代のお話。


by dezagen | 2017-09-22 07:42 | イベント
2017年 ロンドンデザインフェスティバル V&A
流浪の大学教員、たまにライター、渡部千春のほうです。

ロンドンデザインフェスティバル(以下LDF)、http://www.londondesignfestival.com HPを見てもその規模がよく分かってなかったのだが、ハブ地であるヴィクトリア&アルバートミュージアム(以下V&A)でパンフレットをもらって、規模の大きさに困惑中。
だって、パンフレットは280ページの分厚さ、インデックスに出ている展示数は合計273件。
えー!?
パンフレットの始めに地図があるのだが、見出しが「WHERE TO START」。赤字で示されたメインの場所だけでも10カ所ある。正に「どっから始めるの?」だ。

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というわけで、LDFをカバーすることなど到底できないので、LDFのレポートはあくまで表面を撫でた感じであることを最初にお伝えしておきます。
ごめんなさい。

さておき。
まずはV&Aから。https://www.vam.ac.uk

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今回のLDFのテーマはネオン、だそう。ロンドンの都会ならではの美しさを表しているとのこと。
展示のグラフィックを手掛けているのはペンタゴン。シンボル的なこちらのネオンは、ドメニク・リッパ作。

博物館の中での企画展示や単体の展示物が27件。単体の展示物は博物館の通常展示の中に紛れていて、探しながら歩いて行くと博物館全体も見れる、というのがV&A恒例の方式。V&Aの建物自体が複雑な作りなので、宝探しゲームみたいで楽しい。

私が面白いと思ったのはこちら。
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Lubna Chowdharyの1000個に及ぶ陶作品群 Metropolis。
展示会場は博物館の伝統的な陶芸のコーナーだ。その中に、手のひらサイズで作られた、家電やギターやパソコンなどなど、現代の生活用品が並ぶ。これらも100年経つと「古典的」と捉えられるのだろう。
会場ではChowdharyさん、本人が作品の説明をしていた。過去20年余りに亘って作られたもので、自分ではあまり意識していないが、その時々の彼女の生活に意味を持つものが作られている、と母親が気付いた、とか。

こちらはFlynn TalbotのReflection Room。
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説明なしでも圧倒的な力強さ。

V&Aでは他にプライウッドの展覧会やピンクフロイド展などを開催中。



by dezagen | 2017-09-22 06:42 | イベント
DesignTalks04「エドワード・ジョンストンとロンドン地下鉄書体」トークイベントを開催
(定員に達しましたので申し込みを締め切りました。(定員に達したため、申し込みを締め切りました。キャンセル待ちをご希望の方はご連絡ください))

エドワード・ジョンストンがロンドン交通局のために1916年に制作した地下鉄書体「ジョンストン・サンズ」は後世に大きな影響を与え、その後のCIデザインの始まりとも言われています。ロンドン地下鉄の書体誕生から100年にあたる今年、その制作者、エドワード・ジョンストンに関するトークイベントを開催いたします。

長年ジョンストンの研究をしてこられた後藤吉郎先生と山本政幸先生をお招きし、ジョンストンの著書『Writing and Illuminating, and Lettering』など、貴重な資料の現物やスライドを見ながら解説をしていただく予定です。ジョンストン研究の第一人者から直接お話をうかがえる機会ですので、ぜひご参加ください。

(下の写真は当日お見せする予定の資料です)

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DesignTalks 04
ロンドン地下鉄書体100周年記念
エドワード・ジョンストンとロンドン地下鉄書体 トークイベント

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出演後藤吉郎(武蔵野美術大学)、山本政幸(岐阜大学)

日時2016年12月11日[日] 15:00〜17:00

場所:Book&Design
(東京都台東区浅草2-1-14 2F/最寄り駅は東京メトロ銀座線、都営浅草線、
東武スカイツリーラインの浅草駅です。朝日信用金庫となりの4階建てビルの2階です)

定員:先着順 20名、要事前申し込み

会費:2,000円(当日会場でお支払いください)

登壇者プロフィール
後藤 吉郎
武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科教授。武蔵野美術大学卒業後、イギリスのロンドン・カレッジ・オブ・プリンティングに留学。1987年より武蔵野美術大学に着任。タイポグラフィを軸にデザインを俯瞰し、印刷メディアからデジタルメディアまで広く研究。訳書に『ジョンストンのロンドン地下鉄書体』(烏有書林)、著書に『デザイン基礎講座』(アウズ)などがある。

山本 政幸
岐阜大学 教育学部美術教育講座准教授、多摩美術大学 美術学部 グラフィックデザイン学科非常勤講師。筑波大学大学院芸術学研究科修了後、イギリスのレディング大学大学院でタイポグラフィ&グラフィック・コミュニケーションを専攻。エドワード・ジョンストンやエリック・ギルなどを中心にタイポグラフィの研究を行っている。

主催:Book&Design
(当ブログを執筆している編集者の宮後優子と有志メンバーによるプロジェクトです。「浅草デザイン蚤の市」「本づくり協会蚤の市」「DesignTalks」など、本とデザインにまつわる各種イベントを企画しています)

・当日は、後藤先生が翻訳を手掛けられた書籍『ジョンストンのロンドン地下鉄書体』(烏有書林)も会場で販売いたします。


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お申し込み方法:
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・参加ご希望の方は、お名前、参加人数、メールアドレス、携帯電話など当日のご連絡先(緊急連絡用)をご記入の上、以下の宛先までメールでお申し込みください。折り返し、受付完了のお返事をいたします。

・会費は当日会場でお支払いください(1万円札はご容赦ください)。
・お申し込み後、欠席される方はお手数ですが、ご連絡いただけますと幸いです。

・終了後、会場近くのお店で懇親会を行う予定です(17:30〜19:30、会費制3000円程度)。開催約1週間前にリマインドメールをお送りしますので、懇親会に参加ご希望の方はお知らせください。

 申し込み先:y.miyago(アットマーク)gmail.com
 件名:DesignTalks 04申し込み
by dezagen | 2016-11-18 07:12 | イベント | Comments(0)
DesignTalks 03 「コスモテックの箔押しマスキングテープ制作裏話」トークイベント報告
編集宮後です。
もう1か月くらい経ってしまいましたが、10月13日に開催されたDesignTalks03の報告です。

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今回はお見せするサンプルが多いので、真ん中にテーブルを置き、その両脇から実物を見ていただけるような配置にしました。コスモテックさんから送っていただいたマスキングテープのサンプルを置き、それを見ながらのトークとなりました。
(コスモテックさんと小玉さんから参加者全員に箔押のサンプルをプレゼントしていただきました。ありがとうございます)

まず、青木さんと小玉さんが「ナスカの電子回路」を制作するに至った経緯から。「箔押を使ったマスキングテープが作れないか?」という発想からスタートし、電子回路の基盤を箔押で再現する実験がスタート。どのように印刷、箔押すれば再現できるのか、試行錯誤が繰り返されたそうです。箔を押した銅版のサイズは10cmちょっと。この幅で何回もリピートして箔を押していったとか。1巻作るのに何回箔押をしたのか考えただけで大変そう。1本5000円という価格になってしまったのもうなづけます。

制作工程も面白いんですが、作ったテープをどのように告知し、販売していくかという試行錯誤も興味深いものでした。基本的には青木さんと小玉さんの二人で相談をして決めていったそう。会議で検討したりしないので、決定も早い! 量販店で売って欲しいとか、クラウドファンディングで資金を集めないかといったようなお誘いもあったそうですが、「テープが欲しい方にダイレクトに届けたい」という熱い想いから、直接注文のみで販売することに。梱包や発送の手間を考えると大変そうですが、「自分たちで作って届ける」ことにこだわったそう。「どうしてもテープが欲しい」というお客様からの熱いメッセージに応えるべく、制作が進められ、無事に発送できたとのこと(その顛末はブログの取材記事をご覧ください)。

続く、第二弾は錦鯉が絡み合うように登っていくデザインのテープ「錦鯉スパイラル」。9月のTokyo Art Book Fairで告知され、このイベントで初めて現物がお披露目されました。金銀の箔押しと錦鯉というめでたい絵柄のテープです。すでにアジア方面で大変な話題になっているとか。聞けば、続く第三弾の構想もあるそうで、ラフデザインも特別に見せていただきました。

とどまるところを知らないお二人の熱い情熱。そしてそれを支える職人さんたち。難しい印刷加工に挑戦してもらうには職人さんとの信頼関係がとても重要。制作側の熱い気持ちがあって初めて、職人さんたちも「よし、やってやろう!」という気持ちになれるもの。ものづくりにおいては「どれだけ熱くなれるか」が大事だということに改めて気づいたトークイベントでした。
by dezagen | 2016-11-15 07:32 | イベント | Comments(0)