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カテゴリ:プロダクト・パッケージ( 207 )
藤森泰司アトリエのWork From Home
 
・自分のスペースを作る

 新型コロナウイルスに関わる緊急事態宣言が4月7日に出てから、あるいはその前の自粛空気感から、リモートワーク(在宅勤務)という仕事の在り方が急激に広がった。

 私自身も周囲も基本的に自宅兼事務所のフリーランスが多いため、自宅勤務には無理がない。一方でお勤めの友人知人もおり、在宅勤務の難しさを訴える声も多く聞く。

 後者で言われる難しさとは、自宅で仕事する事に慣れていない、そういう環境がないというものがほとんどだ。大きな理由として、家庭生活という私的な場所に仕事という公の気持ちを持ち込むのが難しい心理的な問題と、実際に仕事場がない物理的な問題がある。
 通常、会社で仕事をしている人の場合、家で仕事をする場所を設けている人は少ない。家庭のダイニングルームなどでは気持ちが緩む、あるいは家族とのコミュニケーションで、小さい子供は親が仕事をしていると認識してくれないなど、他にもリモートワークの難しさの背景には様々な環境のハードルがある。

・ハードルに対する回答

 このハードルに対して1つの答えを出そうとしているのが藤森泰司アトリエの行うプロジェクト家具シリーズ「Work From Home」である。簡単に言えば、在宅ワーク用の簡易家具シリーズだ。

 机というのは不思議なもので、例えばダイニングテーブルを見ただけで人々の気持ちも食事だったり読書だったりその時々の自由な使い方を想起させるし、仕事机であれば「ここでは仕事をする」と気持ちや行動までが変化する。
 極端には板一枚の違いなのだが「専用」を作る事で環境を作り、それを見る気持ちすら変えてしまうというのは面白い事である。「Work From Home」はこうした専用環境を、極力簡単に作ろうというプロジェクトである。

 現在、作られているのは以下の4つのタイプ。写真はFD1のモデル。現在もブラッシュアップを重ねている。

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FD1 ( Foldable Desk ) 1人用。54,000円 (以下税別)
FD2 ( Foldable Desk ) 対面式2人用。56,000円
BD ( Booth Desk ) 囲い付き1人用。65,000円
WB ( Writing Bureau ) 1人用ライティングビューロー。 86,000円

 すべて家庭でも使え、かつ不使用時があることも考え、折り畳みコンパクトに収納、使用できる。最低限の十分な機能を確保させているところにもこの家具の魅力を感じる。
 販売方法もコンパクトに、オンライン上で注文を取り、それぞれ10台に達したら発注する、というもの。生産までに時間の掛かる量産タイプではなく、よりフレキシブルに対応できる受注生産の態勢を取っている。
 今後は在宅ワークだけでない生活周りの家具へも広げて行く予定だ。

 少量生産、受注生産の家具を買おうという場合、その製品のクオリティを担保するものが必要だが、このプロジェクトメンバーを見ればクオリティは間違いない。
 デザイン、販売を直に行うのは藤森泰司アトリエ。家具の製作はこれまでも多く藤森泰司氏の少量生産家具を手掛けてきたイノウエインダストリィズ。ロゴデザインは山野英之率いるTAKAIYAMA.inc と、それぞれ「依頼をしたら間違いが絶対ない」人々。(私から見ると)スター揃いのプロジェクトだ。

 このプロジェクトから見えてくるのは単に良い家具ができた、ということだけではない。
 デザイナーの仕事の1つは、問題を解消すること。ハードル=問題が出てきたら、それをいかに解消するか、つい考えてしまうのは職業的な習慣だろう。それを考えているだけでなく、行動として外に出すか出さないかでデザイナーの力量が問われる。
 またオンデマンド家具制作、販売への挑戦でもある。
 このプロジェクトがどのように動いていくのか、それ自体も見所ではないだろうか。

 Work From Homeの詳細はこちらのウェブサイトページでご確認を。


by dezagen | 2020-05-30 10:51 | プロダクト・パッケージ
imperfect エシカル消費のパッケージ その5

その4からの続き)

・エシカルデザイン、エシカル消費の今後について

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 改めて imperfect というブランドの立ち位置について考えて見たい。
 恐らく来店者の多くは、そこがエシカルであるから、というよりも、お洒落な店だから入る。入って初めて、そこにあるブランドコンセプトを理解する。

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 エシカル消費は良いことだと言われても、皆が皆すぐにできるものでもない。もちろん消費者はエシカル消費が正しい、行くべき方向だと分かっている。だが、消費とはただそれだけのものではない。消費には娯楽や贅沢の側面がある。様々な選択肢を見、選び、商品を身につけ、使用し、飾り、食べたり飲んだりしながら、その美しさや経験を楽しむ。
 長い間、エシカルである事、それを消費する事は、その倫理性に則って自分はいいことをしているという消費者の自己満足や、同じ意識を持つ人々との仲間意識を中心とし、消費の悦楽性娯楽性を放棄していたと言っていい。商品に民俗文化にありがちなどんくささを強調したり、あえて哀れみを請うような物もあった。倫理的充足と娯楽性は同時に存在しがたいものだった。

 だが、時代は巡り、変わる。エシカル消費の中にも純粋に消費の楽しみを促すような商品が増えて来ている。先に木住野が例を出したマストブラザーズなどのチョコレートブランドや、米国を中心にカナダとイギリスで展開するエシカルなスーパーマーケットチェーンの Whole Foods Market や、米国で展開する Trader Joe's など。その顧客は、エシカルだから行く客層も多い一方で、他の一般的なスーパーマーケットよりも魅力的な商品があるから行く客層も多い。むしろ今は後者のほうが多いだろう。
 エシカル消費を促すのに大きく貢献しているのはパッケージデザインや店舗設計の良さだ。理屈で買うのではなく直感的に欲しいと思わせる、そんな商品や店舗が今後も増えて行く事は間違いない。imperfect はこうした動きを牽引する役割を担っている。

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(写真 撮影 藤本伸吾)

by dezagen | 2019-11-18 12:53 | プロダクト・パッケージ
imperfect エシカル消費のパッケージ その4
その3からの続き)

 とはいえ、当初から包装紙を目指していたのではなく、偶然の産物、と木住野は説明する。

「実はパッケージを定形で作るだけの準備期間 がなかった、というのが背景にあるんです。だったらお店で包むしかない。だから包装紙だけ作っておいて、店舗で店員が包むというパッケージに変えませんか?という提案をして受け入れてもらいました。
ブランドのメッセージ性が強いので、パッケージの中に言いたい事も沢山あるけれど、物によって産地も農園も違って、それぞれが異なる特色や試みがあるし、ブランドの支援アプローチもその農園によって様々になるわけですから、すべては言い切れないわけです。メッセージが前面に出て来ると押しつけに思うお客さんもいる。なので、ブランドのメッセージはかなり簡単にまとめて、包装紙を開いたら見る人は見るというものにしたらいいんじゃないか、という提案なんです。
そう考えると、もともと包装紙には天地がない。だから縦横上下が一緒になってるとか、折り方によって隙間、空間の取り方にゆとりができる。
日本語と欧文と平等で入っているのも、これまでのコーヒーやチョコレートなどのパッケージとは少し違う印象を受けると思います。いわゆるかっこよさそうなパッケージの欧文ってあるじゃないですか。でも、もうそういう時代じゃないから、パッケージもバイリンガルに日本語と欧文をどちらも入れたわけです
条件がそれしかなかった結果のデザインではあるんだけど、最初から見る人がなんとなく気になるような違和感を出したかったので、うまく収まった形になりました」

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 重く複雑なコンセプトに対してシンプルなグラフィック、シャープなインテリアの中の柔らかな色合いと紙の素材感など、相反する要素を持ち込みつつも全体がまとまる、最初にある要素から思いもよらない異なる要素を持ち込み、異なる要素同士をうまく融けこませる、木住野はこうしたデザイン手法に長けている。

「どんな仕事でもいつもバランスを取りますね。固い時は柔らかく、簡単な時は難しくとか。その合わせ方を意識して、バランスを取って良い緊張感が出るように考えています。
自分のデザインをずっと主張するより、クライアントから出て来る条件や反応など、デザインの束縛を真に受けるほうが面白くなることが多いんですよね。クライアントがダメだと思っているところに対して、そもそもなんでこれがダメなんだっけ?というところから考えて、自分なりの尺度で返していくという感じです」

 周囲環境の中でバランスを見ながらデザインを作っていくのは、6D が得意とする建築の中のサイン計画分野にも通じる事だろう。
 すである状況に対して、その根っこの部分から考え直す。特にサイン計画は可視性や建築の決まりなどかなり束縛が多いため、常套手段に落ち着きがちではある。木住野は、その束縛がなぜあるのかから考え直し、これまでとは少し違う要素でも可能だと発見する。それがうまく結び付いていく。こうした手法は頭の中に多くのストックがあることはもちろん、それを自由に取り出せる柔軟さが必要だ。


(写真 藤本伸吾)
その5に続く) 


by dezagen | 2019-11-18 11:55 | プロダクト・パッケージ
imperfect エシカル消費のパッケージ その3
その2からの続き)

 このように、6D が手掛けたパッケージは単に素敵なデザインを目指したのではなく、かなり重いかつ複雑なブランドコンセプトの背景を持ちながら生まれてきたものだ。
 概してエシカルな商品にはコンセプトが前面に出たパッケージが使われる事が多いが、imperfect のパッケージはそうした手法を避けている。

「フェアトレード的な取組はもちろん重要なんだけれども、買う人が押しつけがましく感じるとしたら効果的ではないですよね。例えばチョコレートの場合、海外だとマストブラザーズとか Land Chocolate、Raaka、Cox & Coとか、色々ありますけど、純粋においしいチョコレートらしくしたほうがいいんじゃないかと提案したんです」と木住野は言う。

 加えて、このパッケージが店内に並ぶ風景の一部になることも考慮した。

「気持ちのいいパステルカラーというところから始まりましたね。お店の内装が銅を使ってメタルっぽい茶色を基調にしていて、その中で並びのいい色を考えたんです。
内装はシャープな感じなので、その中でパッケージは紙の素材感を出して、色もやさしいものにしたわけです。チョコレートとナッツのパッケージの上は絞って留めてあるのですが、そのくしゃっとした感じは紙の素材感が伝わると思います」

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・包装紙という選択

 パッケージの文字が上下逆になっていたり、文章が途中で折れていたりするのはなぜなのだろうか。

「大きく分けてチョコレート、グレーズドナッツ、チョコレートボール、コーヒー、と4種類のパッケージがあるのですが、それぞれに決まった袋があるわけではなくて、1枚の包装紙から出来ているんです」

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 パッケージを開けてみるとそれぞれ折り方を変えた1枚の紙であることが分かる。中はチョコレートとチョコレートボールはボール紙で出来た箱、グレーズドナッツとコーヒーはスタンディングパウチの袋、になっており、シンボルマークが箱に印刷、袋にシール貼りされただけの簡素なもの。店内のスタッフが糊を付けて貼ったり、折ったりしながら包装しているのだという。
 言われてよくよく見てみると、店内にある包装されたパッケージはちょっとずつ絞り方やテープの付け方が違っていたりする。工場で均一にびしっと作られたパッケージよりも、こうした少しの手作り感は「不完全」を意味するブランドネームimperfectとも符合する。

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写真 撮影 藤本伸吾
その4に続く)

by dezagen | 2019-11-18 11:53 | プロダクト・パッケージ
imperfect エシカル消費のパッケージ その2
その1から続き)(以下、敬称略)

・エシカル消費 エシカルデザイン

 ethical=倫理的(に正しい)を意味する「エシカル」というカタカナの日本語がここ数年急激に広まっている。特に「エシカル消費」という言い方は、2015年に行われ消費者庁による『倫理的消費(エシカル消費)』調査研究会の枠組み作りの発表から広く使われるようになった。
 エシカル消費とは、消費者庁の説明から引用すると「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと」である。
 むろんそれ以前からナチュラルで、オーガニックで、フェアトレードで、エコで、と様々な名前でエシカルな商品を扱うブランドや店は多くあり、ことアメリカ、ヨーロッパ都市部では、こうした商品が一般的なスーパーマーケットに並んでいるのは珍しいことではなくなってしまった。アメリカ、ヨーロッパ都市部ほどではないにせよ、日本もエシカル消費に意識を向ける動きは急速に進んでいる。
 現在、表参道ヒルズに出店しているimperfectもこうしたブランドの一つである。

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・魅力のあるブランドに

 imperfect が扱うのはナッツ、チョコレート、コーヒーを中心とした食品だ。
 現在、これら食材の原産地では劣悪な労働環境、生態系破壊など、多くの問題を抱えている。 imperfect ではこうした問題に対して意識を持った原産者から買い付けを行っている。
 また、収益の一部は
1)カカオ原産国の森林を守るための苗を植える、
2)農園で働く人々の貧困問題を解消するため支援を行う、
3)コーヒー生産地での男女不平等を解消するため、ブラジルで女性が中心となって作られたコーヒー農園「カフェ・デラス」で教育を行う、
という3つのプロジェクトをサポートする。

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 imperfect はエシカルフードという言葉を使わず、「Do well by doing good. いいことをして世界と社会をよくしていこう」をスローガンに、 販売品をwell (よい)フードと呼んいる。
 wellフードの 「well 」は 生産者、倫理的に「よい」素材を使うことが主旨だが、表参道の店舗を見てみると、素材だけではなく、見た目にも「well」なものを目指していると感じる。

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 店舗設計は加藤匡毅と加藤奈香による 建築事務所 Puddle  http://puddle.co.jp  が手掛けた。木材と茶系の金属を中心とした内装は、フェアトレード系のブランドにありがちな手作り感や生産地の民俗感を廃し、表参道という美意識の高い場所に合った、シャープなイメージになっている。
 商品は計り売りを基本とし、商品そのものを見ることができる。ナッツや フルーツのちょっと変わった組み合わせのチョコレートなど、見ているだけでも好奇心をそそる美しさだ。
 6D の手掛けた、すでに包装されたパッケージは棚に並び、インテリアの一部ともなっている。

(写真 上2枚 撮影 藤本伸吾/ 下 撮影 長谷川健太)
その3に続く)

by dezagen | 2019-11-18 11:52 | プロダクト・パッケージ
imperfect エシカル消費のパッケージ その1
ライター渡部のほうです。

 ある日 twitter で見た imperfect https://imperfect-dowell.com というブランドのパッケージが気になり、しばらく頭から離れなかった。twitter の投稿者は6D https://www.6d-k.com の木住野彰悟さん。

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 木住野さんが手掛けた事を知らなければ、どこか外国のデザイナー(例えば日本のデザイン好きのスウェーデン人とか)が作ったのだろうかとも思わせる、日本ではあまり見ない、なんとも説明しがたい魅力を感じた。
 空白の多い、淡い地色の紙に、日英併記。日本語は縦組、欧文は横組。だが、よく見るとパッケージ正面の角で文章が折れていたり、文字が上下ひっくり返っていたり。ぱっと見の印象は「すっきりとしたシンプルなデザイン」なのだが、それだけではない。

 なぜこのようなパッケージになったのか、木住野さんにお話を聞いたのだが、パッケージデザインの前に imperfect というブランド、その背景について知っておく必要があるだろう。

(写真 撮影 藤本伸吾)
その2へ)


by dezagen | 2019-11-18 11:51 | プロダクト・パッケージ
パリのスーパーマーケットで気付く事
ライター渡部のほうです。

ロンドンからパリに移動。
スーパーマーケットに並んでいるものを改めて見てみると、イギリスよりもフランスのほうが色のも形もバリエーションが多い事に気付く。
アパレル同様、生活用品も概して色のバリエーションが豊かで、かつ彩度の高い色が多い。

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洗剤のパッケージはいい例。ボトルも洗剤自体の色もど派手な青、ピンク、緑ががつっと使われている。イギリスも同様なブランドが多いのだけれど、例えば水色1つ取ってもフランスのほうが明るめの水色で、白地とのコントラストも強い。イギリスはもう少しグラデーションにしたり、全体的に抑えめの水色だったり。

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柔軟剤もご覧の通り。日本も柔軟剤はラグジュリアス路線で、これまた独自ではあるけれど、フランスの柔軟剤のピンク系の強さもかなりのもの。真ん中にあるシャキーンとしたものはドイツのドクターベックマンの製品。ほぼすべての製品にこの斜めボトルが採用されていて、特にうねうねしたボトルが多いフランスでは目立つ。
その右隣は日本でもおなじみフロッシュのフランス版、Reinet。カエルのマークもやわらかくなっていて、本場ドイツよりも日本よりも諸外国よりも、色があざやか。
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エコ系洗剤も同様に鮮やかな色。イギリスだけでなく、日本もアメリカも、エコ系の洗剤だとナチュラル=天然をイメージに、透明や白ベース、緑でもくすんだ感じの色合いを使いがち。対してフランスは、トロピカル?くらいな緑の使い方。

先にも書いたけれど、ボトルの形状も曲線を使ったものが多い。スペース上無駄なのでは?と思うようなにゅるっとした形が好まれるのか、特に持ち手の所やそれにあわせたラベルの形などに現れている。

洗剤パッケージ以外で気付いた事は、スパークリングミネラルウォーターのブランドBADOITがパッケージグラフィックのリニューアルをしたこと。

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これまで深緑一色の地にBADOITの文字が180度、横真っ直ぐに書かれていたものだったのが、丸い緑(フレーバーによりレモン味は黄色など応用あり)を左に、BADOITの文字は右上がりのグラフィックとなった。
よく見ると、水に限らず、炭酸飲料、ソフトドリンク全般に丸が増えている。

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コカコーラライトとフレーバー付きの展開も丸を中心にしたもの。炭酸らしさを表したものだろうか。現状、フランス、ドイツ、ベルギー、オランダではこのパッケージが出ているようだ。
炭酸飲料に限らず他の飲料もなんだか丸が増えている。と、いうより、フレーバー付きミネラルウォーターや茶飲料など従来よりも味が薄めのソフトドリンク自体の種類が非常に増え、それぞれ主張し合っている様子だ。

全世界的にソフトドリンク市場の売り上げは伸びているという。人口増加率と比例しているのかと思ったがそうではない。データが様々なので、ざっくりとしか言えないがヨーロッパの現在の人口増加率は年率0.1%ほどなのに対し、ソフトドリンクの売上は毎年3%以上(データソースによりかなり異なるのだが)伸びているという。
一方、ワインで知られるフランスでは急速にワイン消費量が減っているとも聞く。
アルコールではなくミネラルウォーターやソフトドリンクを飲むという傾向は、マナーの変化もあるだろうし、これもまた夏の暑さをしのぐ温暖化の1つの現れなのかもしれない。

おまけ。
世は韓国流行り。わさびフレーバーのアーモンドも「korean snack」と書いてあった。
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by dezagen | 2019-09-25 19:48 | プロダクト・パッケージ
北京で見たもの
ライター渡部のほうです。

昨年からたびたび中国に行くようになり、現地のパッケージも見慣れてきて「とりわけレポートというほどでも」という気分だったのだが、やっぱりよく見ると日本と全然違う。ということで、北京のパッケージ篇。

特に、北京の中心地に泊まっていたためか、旧来の建造物保存のため大型の土地開発がなかなかできない。店も個人商店のような小さいものがほとんど。となると、大型チェーン店とはまた違った品揃えで、新旧混在。

スーパーマーケットのペットボトル飲料コーナー。こうしてみると日本と大差ないようにも見えるけれど、色の使い方はかなり派手。
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北京で一番最初にびっくりしたのはヨーグルトかも。
ガラス瓶入り。瓶はその場で返すので、「ここで食べて」と言われる。
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紙のふたを開けるとすぐヨーグルト。かなり固形なのだが、ストローで飲む(すする)。
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袋入り牛乳。液状、半液状のものが袋入り、というのは割と多い。
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着いた日は30度近く、とかなり暑く、滞在中毎日1本アイスバーを食べる。種類が多かった。
日本にもあるチョコレートコーティング系とかパフェ系とかもあるのだが、あえてここは私の趣味セレクト。
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包み方が簡単なんだな。アイスバー+紙、以上、みたいなの。
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上のアイスバーシリーズが一番うまかった。小豆、緑豆、ヨーグルト、ミルクフレーバー(他に麦味というのがあるらしい)。あえてレトロなパッケージグラフィックにしてるようだが、本当に昔ながらのアイスバーの味。
これもぺろっとうっすい紙を巻いただけ。それにしてもどうやって巻くのだろうか。きちんとアイスにくっついているし、剥がす時は破れないし、棒のところをひねっているところを見ると、手作業なんだろうか。その工場の巻く部署を考えるだけで寒い。
会社のウェブサイトがあった。寿光华银食品 http://www.huayinshipin.com/nav/27.html

最近日本で見ない、割って食べるタイプ。
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このメーカー北冰洋は飲料も出していて、これも懐かしい感じのオレンジ炭酸ジュース↓。ジュースがうまかったんで、アイスも外れなかった(らしい)。
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缶といえば、コカコーラはインターナショナル感溢れる(もしデザインリニューアルしてなければ、アラン・チャンのデザインのはず)しゅっとした感じ。
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漢字ロゴもカッコいいけど、蓋部分の文字の刻みがカッコいい。
中国の漢字は先が尖った鋭い字体がいい。
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毎度おなじみ、「牛」シリーズ。
パッケージじゃないけど、この「牛」は非常に良い。勇ましい。
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乳がピンクなのがダイレクト過ぎるホルスタイン系。
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牛キャラ。どこの国にもいるが、牛ってこんな生やさしいもんじゃない。かわいくしないで欲しい。
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絶対マズいだろうなーと期待しないで買ったフルーツパン。
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これが、ゴロゴロドライフルーツが入っててうまかった。5元は80円くらい。また食べたい!

昨今世界的にもUberEATSとかデリバリーが流行ってるが、中国都市部の出前文化は多分世界の先端を行ってる。スマホで呼ぶだけ。決済もスマホ。しかも種類が半端ない。

容器もデリバリー用に、下にご飯、上におかず二種を入れるパッケージになってる。
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頼めばこんな鍋みたいなのもあっつあつでやってくる。よく容器が壊れないもんだ、と思う程ペコペコのプラスチックだけど。
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パッケージとは関係ない。単なる洋品店。私の世代には懐かしい、YMO増殖的な何か。
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北京は50代にはたまらない都市。

by dezagen | 2019-05-13 17:47 | プロダクト・パッケージ
上海のスーパーマーケットなどで見たもの
ライター渡部のほうです。

上海のスーパーマーケットなどで見たもの

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高級品ときたら必ず赤と金だ、という感覚は「中国来たな」と思わせる。
下手にモダナイズされずずっとこのままでいて欲しい。
(外国人の勝手な発言)
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青島ビールの戌年お祝いバージョン、だと思うのですが、これはいい。

オールアルミ缶。買ってくれば良かったけど、値段(約250円、他の青島の3倍くらいだったような)にひるんで買ってこなかった。

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小袋の漬け物。このシリーズは中国の切り絵をモチーフにしてきれいな仕上がり。

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こちらも切り絵シリーズ。米。

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昔からあるっぽいビスケット。体操着のような爽やかさ。

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スマホ型消しゴム。日本でも売ってますが、スマホでなんでも(支払いもQRコードで、みたいな)やれる、
スマホ中心文化の中では、子供が「早くスマホ欲しいなあ」と思う気持ちは強そう。

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修正テープの形が割と自由。魚型だったり、ブロック(ロボット?)型だったり。

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キャップ付き、ペットボトルエナジー飲料。鳥の形とペットボトルの形が合っていて、表面はかなり三角形。
写真だとあんまりよく見えないですな。

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ペットボトルの形は日本よりバリエーション多い。
くびれをどこに持って来るかは、地域差がある。
上海のファンタは下目。

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いつも買ってこようと思うのに、できない、
中国のポッキー、プリッツ全制覇。
来るたび種類変わってるし。

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1年前に成都で見た品揃えとかなり変わっていると思ったのがオーラルケア系商品。
成都と上海の差なのかは分からず。

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キラキラギラギラ変形大好き、みたいのだったのが、段々シンプルな方向に。

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柄の部分がストレート化。その分、柄の色とブラシの色の組み合わせを楽しんでいるよう。
でも歯ブラシケースはなんか可愛いことになってるんだな。今中間地点、って感じか。

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ハミガキ。ソウルで見るデザインっぽい。

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元EXOのクリスこと吳亦凡(ウー・イーファン)は去年も見たけど、このオーラルケアブランドのイメージキャラクターに定着。
トリミングされすぎて女性のようだ。
オーラルケア商品だけど、ほとんどポートレートのみパッケージ。歯くらい見せればいいのに。

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中華系は○をシンボルマーク、ラベルマークに使う事が多い。
○の中に堂々と文字が入る、あるいは、○の弧に合わせて文字を配置する。
こういうのはすごい上手い。
一方、右肩上がりシャープな斜め系というのも、(昔から続いている商品だと)割と目にする。
斜めのロゴは別にどこの地域でも珍しくないんだが、中国のはかなり鋭い。色の差もきつめ。
この文字の入れ方はひょっとすると、ソビエトの社会主義、その前提としてあったロシアアヴァンギャルドからの影響だろうか。

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ケータリング用品卸の店は出物が多かった。掘ると出て来るデッドストックの味わい。
一番上のストローはくっついているフルーツのカードみたいなのを開くと、蛇腹みたいに360度開く。
北條舞が発見し、オープニングで使った。
かろうじてあった写真がこれ。
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もっと買ってくれば良かったな(でも店には一セットしかなかった)(掘れば出てきたかも)。
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粥とよく一緒に食べる油条専用の袋もある。

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茶葉屋。このホーロー使いがいい。茶葉の差が分かりやすい。

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食堂のネオンサイン。どうも捨てるっぽかったけど、そんな時はベルリンのサインミュージアムに寄付して欲しい。
できれば私が持って帰りたかった。


今回は以上です。






by dezagen | 2018-09-03 18:33 | プロダクト・パッケージ
ピッツバーグのスーパーマーケットで
ライター渡部のほうです。

ブログ、全然書き忘れていたなあ、と「ブログ用」と名を付けているブログ用ネタファイルを見ていたら、3月に行ったアメリカ、ピッツバーグの写真が。
というわけで、4ヶ月のタイムラグがあるけれど、ピッツバーグで見たものを少々。

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ピッツバーグというか、全米域で出ているものだとは思うが、クリネックスのティッシュの箱。なんだか分かりにくいが、パッケージの写真をよく見てみると
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ひっくり返し、取り出し口を下に、タオルラックに置く。下から取り出す。という方式。
良いアイデアだけれども、バスルーム以外のところに置くのが難しそうだ。

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洗剤。真ん中のものが不思議な色と形。エナジードリンクっぽい。
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下の真ん中に口がある。これ、どう使うんだろう…。

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シリアルコーナー。下の袋は1キロ入りとか2キロ入りとか、それくらいのサイズ。アメリカってでっかいなー。

ピッツバーグに行って、おや、日本ではプレッツェルで有名なSnyderがポテトチップスを?と思ったが、微妙に違う。
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こちらはSnyder of Berlin https://www.snyderofberlin.com
プレッツェルで有名なのはSnyder's of Hanoverのほう。 http://www.snydersofhanover.com
どちらも(ピッツバーグのある)ペンシルベニア州の会社。
「?」
で、それぞれの会社のウェブサイト、歴史ページを見ると、元々同じSnyderという会社だったものが、1950年にポテトチップス部門としてSnyder of Berlinが独立したのだそう。

アメリカでポテトチップスといえば、大きなシェアを持つのがLay's。とはいえご当地ポテチというか、東北部で強いなどエリアによって若干の違いがある。
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こちらはWISE https://twitter.com/wisefoods?lang=ja こちらもペンシルベニア州の会社。

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昔っぽいデザインが心をそそるHERR'S http://www.herrs.com こちらもペンシルベニア州のメーカー。

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燃えるほど辛い。こちらもペンシルベニア州のGibble's http://gibblesfoods.com
ペンシルベニアって、芋大国なのだろうか。

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ポテトチップスはカロリーが高いというイメージで、ポップコーンが健康的だとか、色々新しいスナックが出ており、その中でカルビーのハーベストスナップ(いわゆるえんどう豆スナック) https://harvestsnaps.com の人気ほぼ定着。フレーバーもバリエーション豊富。
日本でも売ってたりしますが。日本だと「さやえんどう」http://www.calbee.co.jp/shohinkensaku/product/?p=20150424115245 に当たるのかな。
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ピッツバーグはハインツの街でもある。(実際今回の旅はハインツミュージアムを見るのが目的だった)スーパーでもハインツ度が高い高い。


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今回最大の出会いは、全国的に展開するスーパーマーケット(というか、生活雑貨や衣類、電化製品も売るGeneral merchandise store、略称GMS)TARGET https://www.target.com のプライベートブランド Market Pantry(日常食品シリーズ)。コーポレートカラーの赤とちょっとレトロっぽい大胆なタイポグラフィー使いが活きている。「バター」って堂々としてて本当にカッコイイ。
調べてみると、2016年にリニューアルしたそう。2年前にもアメリカ行ってたのに、何故気がつかなかったのだろうか…。
デザインはターゲットのインハウスデザインチームとパッケージの大御所パールフィッシャー http://www.pearlfisher.com/work/market-pantry/

というわけで、4ヶ月前のネタ。以上です。

by dezagen | 2018-07-02 02:46 | プロダクト・パッケージ