前回は「取材先の決め方」について書いたので、今回はその続き、「取材後のまとめ方」についてお話したいと思います。
実はこの連載は、「誰がデザインしたのか?」が分かればいいのではなくて、その上で読み物としてどう面白くまとめるかが難しいのです。例えば、発売以来ずっとパッケージが変わっていない(ように見える)老舗商品が時代に合わせてマイナーチェンジをしていたり、といった話はオチが付けやすいんですが、そうでない場合は、筆者の渡部さんと一緒に取材後のまとめ方に頭を悩ませるのです。
例えば、誰がデザインしたのかは分かったけれど、そこから話はふくらまない場合とか、取材したはいいものの、詳しく語れる方にたどり着けなかった場合などは大変です。取材後、渡部さんと一緒に喫茶店に入り、緊急ミーティング(笑)です。今までに調べたこと、取材で分かったことをすべて洗い出し、そこから何か結論が導き出せないか、うんうんうなりながら話のオチを考えるのです。
取材先が東京以外の企業の場合は、こちらから質問を送り、メールやFAXで答えていただいていたので、さらに大変でした。こちらが聞きたいことが分からなかったり、意思疎通ができなかったり。
そんな場合でも渡部さんと一緒に話していると、なんとなく着地点が見えてくるから不思議です。全60回の連載の中にはかなり難産だった回もありましたが、それを感じさせない記事になっているかどうかは、みなさんのご判断にお任せします。
次回は、「取材依頼時のかけひき」について書きたいと思います。各企業広報担当者の方々にどのように取材依頼をしていたか、記事にならなさそうな場合をどうやって察知するかなど、取材前の裏話をお伝えいたします。どうぞ、お楽しみに!
ロゴや書体についての話もしたいですが、またの回に。
こんな本もつくりました↓
http://book.bijutsu.co.jp/books/2008/08/book2.html
http://www.bijutsu.co.jp/dezagen/designers_news/080827/01.html