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日常と日用品
 ライター渡部のほうです。

 自粛生活が続いた事もあり、改めて「日用品」って何だろうと考える機会が増えた。

 丸善が出している季刊冊子『學鐙』の2021年春号は「日常」特集。寄せられているコラムの中から自分が面白いと思った言葉を抜き出してみた。(敬称略)

「健康、普通、日常というのは不思議なもので、手の中にあるときは石ころ同然だ。しかし、いったん失うと、光り輝く」頭木弘樹

「昨日と今日が一続きとして意識されることが、「日常」の実感的根拠であろう」永田和宏

「タンザニアの人びとの日常には、いつも野菜を買う青空市場の露店、いつも昼食をとる路上惣菜売り、いつも利用するタクシー、いつも綻びを修繕してもらう仕立て屋など、いくつもの「いつもの」がある」小川さやか

 これらのコラムからは「日常」とは綿々と続く普段の身近のそこかしこにあって、その価値に気がつかない程に生活の基盤となっているもの、という事が伺える。

 日用品は日常使うものだけに、その定義や価値は「日常」とほぼ同じと考えていいだろう。

 私の中での日用品は消耗品に限らない。長年使う家具も日用品と捉えているし、普段の生活で視覚的に使用されるサイン計画も入る。となると無限に何でも入って来てしまうし、人の生活様式に依ってかなり差異が生じる。
 何となくルールとしているのは
・スーパーマーケットやドラッグストアなどで売られ、比較的低価格で多くの人が目にし、使うもの。
・高価でも毎日のように生活の中で使い、かつ長く使われるもの(家具など)
・高価さがステータスシンボルの意味を持つものは入れない(宝飾品など)
・量産品、あるいは量産可能なもの。

 日用品を通して見えてくるものは、卵と鶏の話になってしまいそうだが、やはり日常である。普段の、普通の、普遍的なもの。日用品が人びとの日常を、生活を映し出す、そんな仕組みを見ていきたい。

 こんなことを書いていって何なの?と思われる方もいるかと思うが、今回は特にオチなし。メモですね。

 

by dezagen | 2021-03-06 20:03 | その他
『これ、誰がデザインしたの? 続(2)』
渡部千春著、デザインの現場編集部編
美術出版社刊
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