ライター渡部のほうです。
北欧のリビング商品を中心に扱う輸入総代理店
スキャンデックスの展示会で気になった照明器具がこちら。
LE KLINT(レ・クリント) のCALEO(カレオ)。日本では9月の発売予定だ。

この商品の開発経緯は少し変わっている。2019年春にLE KLINTの本国デンマークで放映されたデザインチャレンジ番組『デンマークの次なる名作』(“Danmarks næste klassiker”)で、プロダクトデザイナー
リッケ・フロストが作った作品が番組で2位となり、番組で作ったデザインをアレンジした2作品を加え、CALEOシリーズとして秋には商品化された。通常製品開発には10年くらい平気で掛ける北欧にしては珍しいほどのスピードだ。
受賞した作品とデザイナーのリッケ・フロスト。こちらの形も商品化されているが日本では発売未定。
まるで竹細工でできた日本の照明のように見えるカレオは、弱めの光にするとしっとりと落ち着いたたたずまいに、光を強めにすれば線とのコントラストで強いイメージにも変わる。
細かい線は日本の照明器具同様、細い竹材木材で出来ているのかと思いきや、近寄って見るとブロンズ色のインクで描かれたもの。
LE KLINTといえば、白い紙やプラスチックシートを折った商品群が有名。造形の楽しさもあるが、光のコントラストはその複雑な折りや切り込みによる陰影のみで印象作られている。
CALEOのように線を入れたものと比較すると、その陰影のコントラストはよりシャープに見える。
頭の中だけで考えると、シェードに線が入ったほうがシャープになりそうな気がするが、金属色の線自体がまろやかに外からの光を反射・吸収し、コントラストを中和させる役割を担っている。
かつ、その線自体が物として竹や木を使っているわけではないので、物質的な圧迫感がない。不思議な感覚ではある。線の存在1つでこんなに印象が変わるものかと驚いたのだった。