ライター渡部のほうです。
毎年恒例の弾丸旅行で、ロンドンデザインフェスティバルに来ている。
期間中、200から300の展示やイベントがロンドン中で開催される。エリアを11に分けているが、キングスクロスエリアだけでもこの通り。かなりの物量だ。
まずは、メインイベントの1つ Design Junction へ。
キングスクロスエリア一帯が一大商業地区に変わりつつあり、天気も良好な土曜日ということもあって、エリア一帯(デザインイベントが目的かどうかはともかく)すごい人出。
一番下に見えるのがキングスクロス駅。鉄路が繋がってるので分かるだろうか。
この黄色い部分が、Design Junction が行われているエリア。Steuart Padwick の木製ロボット(的な、とはいえ実は動かないのでちょっと残念だったが、インタラクティブオブジェ)があったり、若手から大手メーカーまで出展するブースの建物があったり、と1つのイベント内でも多様な「デザイン」の表現が見れる。
ちなみにこの地図上で黄色く塗られた1、2、3、5、6の間にある四角い建物の中に、ロンドン芸術大学の1つとなったセントラル・セント・マーチン校がある(2011年に中心地のソーホーエリアから移転)。
・デザインイベント、変わる出展者の傾向
興味深かったのは、これまで「家具」を中心としてインテリアデザイン周辺の物が展示されていた傾向が、ここ数年小さい小物、すぐ買えるようなインテリアアクセサリー、あるいはステーショナリーなど、ざっくり言うとライフスタイル雑貨、が増えている事。
また即売も OK としているところが多いので、普通に買い物に来る、という感じだ。
こうなると、建築やプロダクトデザイン関係の人達が集まるイベント、というよりは、グラフィックデザインやテキスタイルデザイン関係の人達も一緒になり、一般消費者にもアピールできるものが、来場者も多くなってくる。
個人的に面白いと思ったのは、ポスターを売る、という事。
すでにオンラインで発表、販売の場を持っている人は、こうした見本市は実物を見てもらうのと同時に即売会ともなる。バイヤーとの交渉がともなう見本市とはかなり意味が違う。
他に Tom Pigeon
https://www.tompigeon.com の幾何学形態だけで構成されたポスターがとても良かった。(記録を見たらこんな写真しかなかった、、、Tom Pigeonもオンラインで販売しているので、そちらの写真を参照して下さい。。。)
こうしたイベントで販売されるポスターは、アーティストのアート作品複製ポスターや実際の広告に使われているポスター、あるいは映画やアイドルのノベルティとは異なり、グラフィックデザインのポスターである。
グラフィックデザインはポスターという商品として価値があるのだろうか、簡単に言うと、売れるものなのだろうか。
Dorothy、Tom Pigeon ともに聞いてみたのだが、アクセサリーやステーショナリーなど実用性のある小物の方が売れやすいのは事実だが、ポスターも安定して売れているとのこと。また、オンライン上で販売する際に、特に住宅事情が異なるアジアだから売れないということもない、とのことだった。
日本やアジアのインテリア系のデザインイベントでグラフィックデザイナーが印刷物を見せたり販売するのは、まだあまり定着していない。これをどう捉えればいいか、考え中である。