ライター渡部のほうです。
場所はギャラリー5610。
2009年からアートブックフェアなどで発表してきた自主制作のzineやポスターに加えて、新作のグラフィックをポスターに仕上げたもの(写真奥)を展示。加えて、過去のモチーフからスカーフを2種作成。
山下さんの自主制作作ヒヒンは、ほぼ一貫して直線と単純曲線を組み合わせた幾何学立体をモチーフとして、タイルのパターンをはめたものに始まり、白い紙や罫線入りノートを折った形状、積木風、と、毎回異なる見え方を探求している。
私自身、アートブックフェアに行く度山下さんのzineを買っているので、ほとんどのものは持っている。
もちろん、見ている。
が、こうして「広げて見る」と、今まで見えていなかったところがぐっと見えてきて、新しい発見がある、ということに気がついた。というより、私が見過ごしていた、というほうが正しいのだが、細かなテクスチャーの違い、垂直だと思っていたもののほんの少しの角度、など。
これは恐らく私がzineを本の一形態として考えているがゆえに、ページをめくり流れで見て行ってしまう。1つ1つのページを個々のグラフィックとしてじっくりと見切るということをしていなかったせいだろう。
1枚として見る。複数のページを一面として見る。こうした事ができるのも展覧会ならでは。
展覧会の仕立ても、見せ方に遊びの要素を入れる事はなく、極めてシンプル、直球でグラフィックを見る、正にタイトル通りの「graphic show」だ。
展示は今日までなので、是非に。