ライター渡部と東京造形大学教員の渡部のほうです。
「東京造形大学 山手線グラフィック展」がいよいよ始まりました。
自分の勤務する東京造形大学の主催、所属するグラフィックデザイン専攻の企画について書くのは、なんだか難しい。ライター客観視で書けばいいのか、企画発信目線から書けばいいのか、目線混在中。
さておき。
16日(金)は展示運行に先駆けて、関係者のみの貸切運行、という特別イベントがあり、これはかなり気分の盛り上がるものでした。

私の写真が下手なのはこれ誰読者の方がご存じのはずなので、許して、としか言いようがないですが。車体の電光掲示が「団体」。初めて見ました
構内表示も「団体」で、英語表示は「PARTY」。
集団を意味するpartyですが、カタカナ的な「パーティ」に引っ張られ、グッと来てしまいました。
走り出してしばらくの後、学長による挨拶が車内アナウンスで!
挨拶を「それでは出発、進行!」で締めてくれました。
展覧会における内覧会的な貸切運行ですが、場所が山手線だけに外の景色にも目が行くし、人にも会うし、作品も見るし、しかも動いてるし、で、普通の内覧会とはやっぱり違う雰囲気。
作品1つ1つをじっくり見るというよりは、通常とはかなり違う場所に置かれたギャップに目が行きます。
中の様子。当たり前ですが、走ってる所により光の入り方が違う。
同じ作品が11車両の1編成の中で複数枚使われている物も多いので、場により時間により、見え方が違います。

人がいるかいないか(こんなに↓空いてる山手線もないと思いますが)でも見え方が違う。
全体を撮ろうとすると吊り輪が邪魔なんですけども、実際に乗った人はもう少し作品に寄って見れるはず。
とはいえ、忙しい人々の乗る山手線。これが展示だと気付かない人もいるだろうし、作品を全く見ないで降りちゃう人もいるでしょう。
中吊り広告だと思ったらグラフィック作品で、なぜ?これ何?と思う人も多いだろうなあ。というのも実際に乗って分かった事。
関係者のみの貸切ではなく、通常の山手線で乗客の人々がどんな反応をするのか、気になるところ。
高校生を対象としての作品説明も行われました。写真に映っているのはグラフィックデザイン専攻の福田秀之教授。
全体で300余りの作品が展示されています。テーマは「TOKYO」とかなり大きく来たので、東京タワーや浅草寺などの名所など東京全体を紹介するような作品が多く、そうなるとモチーフに引きずられて似た印象になりがち。むしろ、焦点を小さく絞って出していった方が、強い印象にもなるし、多様性を持つ巨大都市のリアルさが出て良いと思うのですが(というのは、教員の目線)。
その点、山手線も意識しつつ、焦点を目白と目黒に絞ったこの作品はいい(私の個人的な指向として)。目なのか胃袋なのか、はたまた全然別のものなのか。
学生の作品を外に出してみた事で面白かったのは、この作品↓

下に映っている学生は、上の写真作品の被写体。
グラフィック画面において、被写体はグラフィックの1要素になって平面化、メディア化するわけです。
大学で見ていると「学生の作品だね」と見過ごしてしまうのだけれど、複数枚複製され社会に出してみると、この紙に印刷されたものは社会とのコミュニケーションツールとしての固定したメディアとなっている。一方、現実のモデルとなった学生自身はメディアではない。
という差が見えたのでした。
1時間ノンストップって長いのかな、と思っていたけれど、乗ってみたらあっという間でした。降りた時はちょっと寂しくなってしまった、専用車両。
シュー、バタン、ガタゴト、ゴー、と行ってしまいました。さようなら、次はいつ会えるかな?
山手線のアドトレインがどこで走ってるかを見れるサイトもあるので(どうやって調べているんだろう…)探して見て下さい。東京造形大学 山手線グラフィック展は2月28日まで運行しています。
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