ライター渡部のほうです。
タイのチェンマイに行ってきました。
過去にもタイのパッケージをこのブログで取りあげているので、ダブっていることがあると思うけれど、そこはお許し下さい。
タイのパッケージデザインの傾向というのはなかなか捉えづらい。パッケージに限らず、小物家具などのプロダクトもインテリアも、グラフィックも「これがタイで受けます」というのが見極めづらい国。
というのも、観光大国であり在タイの外国人も多く、また貧富の差も大きいため、量産されパッケージされる商品のターゲット層にばらつきがあるため。
タイの経済に関しては、以下の情報などがあるので参考まで
伊予銀行のタイ駐在レポート
タイなどASEANを中心とするビジネス経済情報誌ArayZのコラム
さて、そんな混沌としたところにあるパッケージなのだが、昔ながらのタイイメージで行くとこんな感じ。
玩具から食品まで扱う小売商店で小さいパックを買うとか。
市場で小分けパックを買うとか、計り売りをしてもらうとか。
市場や個人商店では「いつものあれをこれくらい」な感覚。ほとんどパッケージのデザインなど関係ない。もしくはパッケージ自体がない。
計り売りで面白いのは、タイの袋詰め文化は、空気がパンパンに入っている。これは市場だけではなく、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの袋菓子商品でも同じ。何がどうして空気パンパン袋が求められるのか、この辺はもっと探っていきたい。
昔ながらのタイっぽいパッケージというと、下のような簡素なデザインや
こうしたものは「タイっぽい!」と思わせるものの、
タイに来るたびこういうものは減っている。
代わり(なのか?)にどんどん増えているのが欧米風なデザイン。
2枚目は思いっきりブレたけど、コーヒー豆のパッケージはヨーロッパとかアメリカっぽい。
コーヒー文化はショッピングモールでもすっかりおなじみになったとはいえ、まだ「外国文化」風で土着化まではしてない。
最近は米もお洒落パッケージになってるのが気になるのだが、これは観光客/在タイ外国人向けかもしれない。少量だし。
水色×金の組み合わせはお上手。
下の、手前に出ている商品は折れた米のパックなので安いのだけれども、3種の色違いと真空パックの良さをうまくパッケージした例。
そもそもスーパーマーケットでお米を買う人というのもやや希少かも。外食文化が根付いているのでキッチンなしで生活している人も多い。おかずは市場で買い、主食のお米は家で炊く場合でも、結局市場でお米を買うのでわざわざスーパーマーケットでは買わないだろう。
そのためかスーパーで見るのはこうした少量かオーガニック米、ワイルドライスや雑穀入りが主流。
お洒落化しているわけではないが、ここ数年急速に増え、変化しているのがペットボトル入りの茶飲料。
ずらり。
日本と違うのはフレーバーティーやハーブティーが多いこと。なので、お茶=茶色、緑茶=緑、というわけでもない。
薬草茶。かき氷のシロップと間違えて氷に掛けてしまいそうだが、それはそれで飲料として楽しめるのかもしれない。このデザインがそういう目的じゃないけど。
緑茶飲料は日本の影響が強く、日本風が多いのが特徴。とはいえ、やはりペットボトル入り茶飲料=甘い、は基本なので、このように「富士」などと日本アピールをした緑茶であっても甘い。お気を付けあそばせ。
よく見ると上にも富士山、商品名の縦帯の下にも富士山、で、どっちか一つにしてくれないか。日本人からすると富士山は一つ、である。
ほうじ茶も出ていた(無糖だ!)。しかしこの文字パーツの組み合わせはどうしたことだろう。文字のはね、とめ、を構成した原弘のポスター(「日本タイポグラフィ展」)見たわけじゃない、はず、だ。国内外のパッケージでいつも気になって見てしまう「牛キャラ」。
世界的に牛乳、乳製品はほぼどこでも手に入るのだけれども、酪農国以外は実際に牛見たことない人が描いてるとしか思えないもの多々。タイもまたしかり。
以下、タイでポピュラーなミルクタブレットの牛。
まともそうに見えるのだけれどなんか違う。
絶対見た事ない。
まあ、牛キャラ、熊キャラとか、象キャラってのはそういうものですが。言わせていただきますと、、、、実際見て来いや!絶対キャラクターになんかしたくなくなるから。(人間より大きい動物まで愛玩物として見ようとする文化は、私、好きじゃないんで)
以下、気になったものをランダムに。
トイレ洗剤。トイレはね、幽霊出やすいですよね。
アルミホイルに包まれる魚の目力。
ドーン!ころっ!殺虫剤は強力。命がけ(人間も害虫も)。「奥様、今夜こそ」「やめて、もうすぐ主人が帰ってきてしまうわ」
この石鹸を使うとどんなことになってしまうのか。
日本、富士山との関係がどうこうというより、この形で石鹸のパッケージ作ったのが偉い。