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配信時代に入ってからの音楽とグラフィック
ライター渡部のほうです。
facebookのほうに書いておこうかと思ったのだけれど、ブログのほうが記録に残しやすいかも、とブログに書くことにします。
音楽とグラフィックに関する雑記です。

土日は東京造形大学のオープンキャンパスで、進学相談などを担当。たまたま私だけなのかもしれないが、大学の学部も大学院の進学希望者(中国や韓国の人も含め)の中で、「音楽とグラフィックの関係」を考えている人が多かったのが印象的だった。

40代でレコード世代の私からすると、音楽のグラフィックというのはレコードジャケットが中心軸に考えてしまう。一方、20歳以上年の違う高校生や大学生の考える音楽のグラフィックは非常に多様だ。
進学希望者の研究したい事を聞いてみると、楽譜の在り方そのものに立ち戻っている人あり、音楽と同調する動画で考える人あり、かと思えばレコード/CDジャケットに戻って、そこに軸足を置きつつそのパッケージ(立体)の在り方を考える人あり、特定ジャンルの音楽のジャケットの文字だけに注目する人、などなどなど。


書くには恥ずかしいが、私が担当している大学の講義「グラフィックデザイン史」の中で「音楽とグラフィック」というテーマの週もある。先に書いたように私目線でレコードジャケットやMVを中心に紹介しているだけに「配信になってからのグラフィックの在り方はまだ私自身が研究中です」と終わってしまう。デザインのジャーナリストとしても教員としても、煮え切らない終わり方が常々どうにかならないかと思っていたところ。

オープンキャンパスで改めて若い人達の「音楽とグラフィック」の考え方に触れてみて、そろそろ音楽配信とグラフィックの傾向が見えてきたか、とも思う。
歴史的背景を見ても配信が定着して10年以上は経っている。appleの例では、ipodが出たのが2001年、itunes music storeが始まったのが2003年。CD他のメディアと同時進行しつつも、今の10代、20代前半は物心ついた時点ですでに音楽に定形がない状態ということになる。レコードジャケットという形に縛られていないだけに自由な発想が出来るのは、面白いし、むしろうらやましいくらいだ。
とはいえ、「研究」対象となってるくらい、まだまだ模索の状態であることは変わらないし、恐らくレコード/CDというような「これ」というような決定的な形が出来るわけではないだろう。
そもそも人類の長い歴史の中で音楽=空気の振動と捉えると、レコード(記録)媒体を固定化させた20世紀は極めて特殊な時代とも言える。

色々考えさせられるオープンキャンパス相談だった。

by dezagen | 2017-07-17 09:09 | グラフィック
『これ、誰がデザインしたの? 続(2)』
渡部千春著、デザインの現場編集部編
美術出版社刊
04年以降の連載記事をまとめた2冊目の書籍。連載で紹介したアイテムのほか、名作ロゴやパッケージ、デザインケータイなどを紹介。
 
これ、誰が書いているの?
 
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