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プライベートブランド考5

ライター渡部のほうです。
プライベートブランドに関する雑記。その5。
プライベートブランドだけでなくナショナルブランドも合わせ、どんな商品パッケージが安そうに見え、高そうに見えるのか、を考えてみる。

この前「プライベートブランド考4」では、
そっけないデザインが安そうに見え、複雑で凝ったデザインは高そうに見える、とも言えるが、かならずしもそうではない
と書いた。

実際そっけなく安そうに見えて本当に安いものは多い。
例えば、イギリスのチェーン店ではない西アジア系(インド/パキスタン系、と書きたいのだけれど、この国を2つ一緒にしていいのか良く分からないので、とりあえず西アジア系、としておく)スーパーマーケット(大きな個人商店、と言えばいいだろうか)で見つけた1リットルの食器用洗剤。
プライベートブランド考5_b0141474_18410732.jpg
ラベルのLIQUIDの下に「£1.49」とすでに印刷されている。
一般的な食器用洗剤だと1リットルサイズはなかなかないのだが、383mlで£1.00以上、が普通なので、値段が安いのはすぐ分かる。
さらに真ん中のボトル上部がひしゃげているのから分かるように、ボトルもベコベコである。
液体が毒々しい割には、ボトル素材は透明で色素も入れず、極力安く作ったボトルに見える。
全身これ「安い」の例。

次にそっけないデザインの例。モツァレラチーズ。
プライベートブランド考5_b0141474_19203924.jpg
表にメーカー名も何もなく「MOZZARELLA」の文字、のみ。入っているのは白いプラスチックの袋で、上下をシーリングしただけの簡単な包装。
これはフランスのスーパーマーケットで見たものなので「安そうだな」と思ったのだが、€1.50の値段は意外にもナショナルブランドの中価格帯より少し安い位だった。
このパッケージで?と思うが、むしろここまでシンプルなのは、あまり量産できないもの、例えばその地域の酪農家から直接買っている、とか、そんな理由があるのかもしれない。モツァレラチーズとしては普通に真ん中の価格なので、どういう事なのか実は分からなかった。

これで、€5.00以上だったら、希少品の高級品なのだろうな、とすぐ納得してしまうだろう。
高級食材を扱う専門店であれば、素人が作ったのかな?というパッケージ、あるいは何も書かれていない透明な袋に入っている、などはよくある。

シンプルさを高級感に繋げているプライベートブランドもある。
プライベートブランド考5_b0141474_19412070.jpg
イギリス、ウエイトローズのピクルス類の棚。
左側の紙ラベルが巻いてあるものはessential Waitroseという低価格帯のもの。真ん中の透明なボトルに直接文字だけが印刷されているものは中価格帯のもの。ウエイトローズの中価格帯のものすべてがそうではないが、これはパッケージデザインの要素を極力減らすことで、中身を重視させる。
ウエイトローズというスーパーマーケットは高級食品だけを扱う店というわけではないが、比較的所得の高い顧客が多いのでこうしたデザインも成り立つのだろう。


by dezagen | 2017-03-11 19:58 | プロダクト・パッケージ
『これ、誰がデザインしたの? 続(2)』
渡部千春著、デザインの現場編集部編
美術出版社刊
04年以降の連載記事をまとめた2冊目の書籍。連載で紹介したアイテムのほか、名作ロゴやパッケージ、デザインケータイなどを紹介。
 
これ、誰が書いているの?
 
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