ライター渡部のほうです。
このブログでは何度か触れていることだが、パッケージデザインの中でも海外、主にヨーロッパのプライベートブランド(英語ではprivate labels、と言われることが多いが、ここれはプライベートブランド、もしくはPBとする)のパッケージや、その在り方は私の課題の1つだ。
これまで十数年スーパーマーケットの商品を見てきて、そろそろ自分の考えをまとめたいところなのだが、様々な要素と国毎の違いもあるので、少しずつ、思いついたままに、考えなければいけないことを書いていこうと思う。
海外の、と書いたのは、日本でのプライベートブランドはヨーロッパのスーパーマーケット(この場合は、GMS = General Marchandise Store/総合スーパーの代表的な用語として、スーパーマーケットを使う)のそれとは異なり、あまり高い評価を受けていないためか、パッケージにもあまり発展が見られないためである。
日本でプライベートブランドの評価が低いことに関しては、別の機会に書こうと思う。
今回は、まず簡単にプライベートブランドのある利点について。
・ヨーロッパのプライベートブランドは細分化されているので一慨には言えないが、概ね同質のナショナルブランドよりも安い。
・ブランド毎にデザインを変えているため、価格帯やそのブランドの特徴が分かりやすい。
・ブランドの細分化は、価格帯(低価格帯、中価格帯、高価格帯)だけでなく、オーガニック、ベジタリアン、フリーフロムなど、消費者のライフスタイルや食餌制限に合わせ、分かりやすくなっている。
など。
また、例えばこれはイギリスのwaitroseのチーズコーナー(2013年5月撮影)。
今は少し違うデザインになっているが、waitroseのPBではチーズの数字の表示が非常に目立つ。これは熟成度を表す。「3」であればマイルド、「6」はかなり熟成の進んだチーズ、という差が分かる。「マイルドなチェダーが欲しい」とか、「今日はすごく醗酵の進んだ強いブルーチーズが欲しいけど、見た目からはどれくらいの強さか分からない」という時にはこの数字が役に立つ。
ナショナルブランドの「このブランドのこのチーズが好きだ」という場合は関係ない話だが、ナショナルブランドの場合、それぞれのパッケージデザインであるため、どの程度の成熟度なのかはパッケージのどこかに書かれた熟成度を探す。熟成度が書いてないこともあるし、必ずしも他のメーカーと同じ表現だとは限らない。
数多くの商品がある中で、プライベートブランドは消費者が商品を決めやすいパッケージを採用している。