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ハーマンミラーの本社、工場に行って来た話 1日目
ライター渡部のほうです。

すでに1ヶ月以上前の話になってしまったのだが、3月15日と16日に掛けて、アメリカはミシガン、家具メーカーのハーマンミラーの本社に行って来た。
ハーマンミラーHP  http://www.hermanmiller.co.jp

ハーマンミラーの本社、工場があるのは、湖に囲まれたミシガン州の、デトロイト(東端)と反対の西側、Zeelandというエリア。むしろ、対岸のシカゴのほうに近いくらい。行くまで知らなかったが、アメリカを代表する家具メーカー、ハーマンミラー、HAWORTH(ヘイワース)、Steelcase(スチールケース)がこのミシガン西側のエリアに集中している、家具の街。
NYから乗り換え、1時間ほどのグランドラピッズという空港が最寄り。そこから車で45分ほど。なかなかの長旅である。

一番最初に行ってみたいと思った理由は、自分でも使っているアーロンチェア(今17年目。1代目は15年で人に譲り、今2代目)がどのように作られているのか見てみたかった、ということ
また、アレキサンダー・ジラード展で見た昔の椅子の脚と、最近出たGirard Hexagonal Tableの脚がほぼ同じ形なのだけれど、仕上がりがより滑らかになっている。こうした昔のデザインを起用した新商品の場合、どのようにデザインを発展させていくのか、聞いてみたかった。

のだが、ハーマンミラーの会社を見てきた後、この疑問はあまりにも末端すぎた。むろん、末端(details)も重要ではあるけれど、むしろ会社として(作る側の会社として、そして使う側の会社として)どうこれらの家具を使って行くのか、もっと大きな視点で見ることが必要だと思うようになった。
と、家具への目線を変える旅となった。

具体的に見て来たものを時系列で。
今回は、私と、大学の助手(山浦のどか、王亜京)、芝浦工業大学大学院生の堀口拓の4人での見学。(ブログの写真は、4人で撮影した写真が混在)

1日目。
デザインヤード。
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驚くほど自然豊か。
デザインヤードは、クライアントの対応、デザインやマーケティングを含めたいわゆる「本部」。クリエイティブから役員まで、壁のない広大なワンフロアで仕事をしている。

入口入ってすぐ。
カフェっぽいカウンター
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 (コーヒーメーカーなどのある逆側から見たところ)
空いているスペースを自由に使って、ミーティングを行うスタイル。ここで自分の好きな飲み物を持ってミーティング。
概してアメリカのコーヒーは(コーヒー専門店、スターバックスなどコーヒーの専門チェーン店を除き)うっすい、のだが、ハーマンミラーのコーヒーは濃くておいしかった。余計な情報ですが。

デスクの合間合間にも、自由に使えるシーティングスペースがあり、ここでもミーティングしたりしているそう。
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部署によって、家具のセッティングも異なる。ここは120度をベースにしたResolve System。
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参照 http://www.hermanmiller.co.jp/products/workspaces/individual-workstations/resolve-system.html
こうした様々なセッティングは、クライアントが来た時に、多様なワーキングスペースのサンプルとしても機能している。
個人的にはEmbody Chairsがこんなにあっていいなあ、というところに目が行く。
この椅子、初めて座った時は背中にタコの吸盤が張り付いたのか!?と思うような感触に驚いた。

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ここもResolve System。
よく見ると、デスクトップとラップトップ型のコンピュータを使っていることが分かる。
ラップトップの置き方もかなり個人個人で異なる。机にそのまま置く人、モニターを目の高さに持って行けるスタンドを使っている人など。

1日目の夕食時と2日目に本社でインターナショナルアカウントマネージャーの近藤栄子さんのアテンド+日本語通訳(近藤さん、ありがとうございます)でフォローしてもらい、日本との違いも多く教えてもらった。
ラップトップ持ち、もその一つ。アメリカではラップトップでも仕事をし、家に持ち帰り、自宅勤務の形を取る人も多いそう。

なので、たまに空いている席がある。自分のラップトップを持ってきてつなげば、そこが仕事場、という在り方。
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だからこんなに大きな出勤表があったのか。壁一面。後で気がついたけど。
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手作業スペースもあり。
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ざっと見て、日本の会社よりも紙が少ない。机の上のモノが少ない。
イントラネットをきちんと作らないとできないけれど、これくらいモノが少ないと楽そうだ。

役員室。
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というか、壁がないので、役員の人がいるコーナー、という感じ。
社長席は奥、だけど、家具は同じ。開けてる。

敷地奥には商品やパーツ、素材のテストを行うテストラボを併設。テストラボ、すごい面白かったのだけれど、残念ながら写真撮影禁止なのだった。
テストラボの話は2日目に。

テストラボに行く途中のカンティーンの様子。
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モニターを見たり、概要を聞いたプレゼンテーションの部屋はこんな感じ。
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イームズやイサム・ノグチ、ジラードなど、コレクションと呼ばれる50年代〜70年代に掛けてデザインされたものをメインにアレンジしたお部屋。
一方でハイテク/エルゴノミクス最先端なオフィス家具があり、一方でクラシカルなスタイルがあり。様々なスタイルが提供できるというのはハーマンミラーの強みの一つだ。

2日目の話に続く。
by dezagen | 2016-05-04 11:05 | インテリア
『これ、誰がデザインしたの? 続(2)』
渡部千春著、デザインの現場編集部編
美術出版社刊
04年以降の連載記事をまとめた2冊目の書籍。連載で紹介したアイテムのほか、名作ロゴやパッケージ、デザインケータイなどを紹介。
 
これ、誰が書いているの?
 
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