編集宮後です。
気づいたら1か月もブログ書いてなかったんですが、
ちょうど1か月前は香港に行っておりました。
毎年世界各地で行われている書体のカンファレンス
「ATypI(エータイプアイまたはアティピと読まれているようです)」の取材です。
通常は欧米で開催されることが多いのですが、今回はアジアで初めての開催、
しかも香港開催ということですばやく参加を決めたのでした。
ATypIは初参加だったのですが、今回は日本の書体メーカーの方々が
大勢参加されるので、「知り合いいるし、なんとかなるさ」的な
感じで参加してきました(予想どおり、なんとかなりました)。
詳細は1月に出る雑誌のほうで書くので、
ブログでは旅行記風にご紹介したいと思います。
もともとATypI(国際タイポグラフィ協会)は
書体の盗用に対処するために設立された団体。
現在では年1回、世界各国の書体関係者が集まり、
情報交換や研究成果発表をしています。
今年は、10月10日〜14日の5日間で行われました。
詳細なプログラムは
こちらにアップされてますが、
内容をざっくり紹介すると、最初の2日間はinno Centreという場所で
フォントの技術的なセミナーやワークショップが、
後半3日間はHotel Iconで各国の参加者による発表が行われました。
発表はスライドが中心なので、英語がわからなくてもそれなりに楽しめます。
かなり具体的な書体開発の話から、研究段階の発表まで内容はさまざまですが、
世界の文字業界でどんなことが起こっているのかをダイレクトに感じることができます。
Iconのすぐ近くに香港理工大学があり、そこの先生や生徒が中心となって
今回の香港大会の準備をしてくださったそう。期間中は学生ボランティアの
皆さんが大活躍。会場のFree Wi-Fiがつながらないよと言えば、
さささーっとキーボード打ってつなげてくれるし、何か聞けば流暢な英語で答えてくれる。
フレンドリーで感じよくって優秀。すばらしい。
香港理工大学のキャンパス。狭い香港とは思えないくらい広々しています。
この中庭で、書体コンテスト「Letter2」に入選したポスターの展示が行われていました。
で、こちらが前半の会場となったinno Centre(上)。九龍のけっこう北側にあり、
いわゆる観光スポットからは離れています。後半の会場Hotel Icon(下)
は尖沙咀東岸に新しくできたコンラン卿プロデュースのおしゃれデザインホテル。
セミナーの開始終了時刻は日によって違いますが、だいたい朝9時から夕方5時くらいまで。
長丁場なので、朝食や昼食、喫茶の用意もあり、至れり尽くせり。
朝食はHotel Iconのパンとコーヒー、
昼食はケータリングが出て香港理工大学の中庭(上写真)で食べました。
まわりの人と自然にしゃべるので、いい交流になりました。普段日本では会う機会のない
日本の書体関係者とも知り合えるのがカンファレンスのよいところ。英語が得意じゃなくても
自分のつくった書体とかデザインを持っていくと、話が盛り上がります。次回ATypIに行く方は
絶対に持って行ったほうがいいです。
こちらは後半の会場となったHotel Iconの会議室。ここで1人25分間のプレゼンテーションが
プログラム通り、次から次へと行われていきます。発表はすべて英語。
興味ない発表はパスして、ほかの参加者としゃべっていたほうがおもしろいかも。
有名な書体デザイナーも会場にいるので、直接話すいい機会です。
最終日は、日本と香港を中心とした有志メンバーによる発表会
「出張!タイプルノアールin香港」が行われ、
理工大の教室に150人近い人が集まり、多いに盛り上がったそう。
文字好きだけど、ATypeIには参加できなかったという
若者が押し掛けたのではないかと推測されます。すばらしいです。
来年の開催地はオランダらしいので、楽しみです。
日程、プログラムは、こちらのサイトにアップされる予定。
http://www.atypi.org/
来年の参加を検討されている方は日本語で書かれたこちらのサイトをどうぞ。
とても参考になります。
http://tosche.net/2012/08/atypihk_j.html
http://blog.petitboys.com/archives/atypi2012_day1.html