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ロンドンデザインフェスティバル その3
ライター、渡部のほうです。

本日(22日)夜は、Gallery Libby Sellers へ。http://www.libbysellers.com/ 

FORMAFANTASMA http://www.formafantasma.com/ というデザインスタジオの作品を見に行った。オランダ・アイントホーフェン在住のイタリア人デザイナー、Simone Farresin とAndrea Trimarchiの2人組によるFORMAFANTASMAは、1980年生れと1983年生れ、とまだ若いのだけれど、各国のデザイン目利きにチェックされている注目株。というか、Gallery Libby Sellersに目を付けられた時点で、相当期待できる、と証明されたようなものだ。

私自身、ロンドン在住の三宅由希子さんに誘われて着いていったというのが正しいのではあるが、デザイナー目当てというより、このギャラリーだから行きたい、というギャラリー目当てだった。
Gallery Libby Sellersが抱えているデザイナーはスチュアート・ヘイガース、マックス・ラム、ピーター・マリゴールドなど、私の好きなデザイナーが揃っている。これは行かねば!なのである。

さて、そのGallery Libby Sellersが今年のLDFに見せる、FORMAFANTASMAの作品は
Moulding Tradition

ロンドンデザインフェスティバル その3_b0141474_84717.jpg


と、新作のColony。

ロンドンデザインフェスティバル その3_b0141474_84563.jpg


いずれもイタリアとアフリカの歴史的関係を形にしたもの。
(詳しく説明すると歴史物語になって、大変なことになるので、ざっくり書くと)
イタリアとアフリカ?と思うかもしれないが、地図を見ればすぐ分かる。
イタリアと北アフリカは地中海を挟んで対岸。互いに影響を与えながら歴史を作ってきたのである。
それをセラミックの歴史的技法の重ね合いで表したのがMoulding Tradition、イタリア植民地だったアフリカの土地を絵はがき風のタペストリー仕上げにしたものがColony、である。

オランダ・ティルブルフのAudax Textielmuseumと共同で仕上げたという、タペストリーが美しい。やっぱ仕上げは重要。

イタリアとアフリカの関係はちょっと日本人としては不慣れな文化でもっと勉強しないとな、と思わされたのだけれど、もう1つ、ギャラリーとデザイナーの関係というのも日本にはほとんど馴染みがない。
簡単に置き換えれば、ギャラリーとアーティストの関係と同じで、ギャラリーがアーティストを紹介、そのアーティストのセレクトによってギャラリーの色が決まる、というようなことなのだけれども、「デザイン」という複製可能な性質上、量産したいと思った場合、誰がどう権限を持つのかというのは、実は私もよく分かっていないし、デザイナーに聞いても「多分その時次第」という答えが多い。ここももっと勉強しないといけないな、と思う。

というのも、今後ギャラリーもしくは別の名前(PR会社とか代理店とか?)になるのかもしれないけれど、デザイナーの作品/商品とマーケットを繋ぐ仲介役はもっと必要が増してくるはずだから。
デザイン事務所が作品発表したい場合、展示からPRから、さらに販売のやりとり、交渉などなど、全部やろうと思っても無理。相手は個人コレクターもいれば、メーカーもいれば、その規模も様々。やはり中に入る人が必要で、ギャラリーというのは1つの方法である。

あ、また雑感になってしまった。
とりあえず、以上のような考えも喚起させてくれるFORMAFANTASMAよかったです。
by dezagen | 2011-09-22 08:28 | イベント
『これ、誰がデザインしたの? 続(2)』
渡部千春著、デザインの現場編集部編
美術出版社刊
04年以降の連載記事をまとめた2冊目の書籍。連載で紹介したアイテムのほか、名作ロゴやパッケージ、デザインケータイなどを紹介。
 
これ、誰が書いているの?
 
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