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オリックス・バファローズ デザインリニューアル
 今年春、オリックス・バファローズのロゴ、ユニフォームなどデザインが一新した。
http://orix.buffaloes.co.jp/special/

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(写真:新生バファローズ告知ポスター ©ORIX Buffaloes)

 これまでの球団変遷を見てみると、創立は戦前の1936年。阪急軍が阪急ベアーズになり、阪急ブレーブスになり、オリックス・ブレーブスになり、オリックスブルーウェーブと大阪近鉄バファローズ(1949年創立)が合併して、2005年からオリックス・バファローズなのである。

 チーム名の変更や親会社の変更、吸収合併などが重なると、どうしてもチームとしてのキャラクター性を掴みにくくなる。ここで一つガツン!と強いアイデンティティを、と行われたのが今回の大幅リニューアルなのである。

 デザインを担当したのは、東京と大阪にベースを置くデザイン事務所GWGの池越顕尋さん。www.gwg.ne.jp
(池越さん。ユニフォームやキャップ、ポスターまで美術出版社まで持ってきてくれた素晴らしい人!)

 どんなCIリニューアルでもそうだが、一番肝となるのは「ロゴ」である。これまできちんと決まっていたのはイニシャルマークの「Bs」のみだったものを、今回、プライマリーマーク、スクリプトマーク、イニシャルマークと3種のロゴを新規作成した。
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©ORIX Buffaloes

 プライマリーマーク(上)はシンボルマークとしてステーショナリーからユニフォームの腕章まで幅広く使われる。
 スクリプトマーク(中)はユニフォームの前面に出すもの。
 これまでのBsを継承しつつリニューアルされたイニシャル(下)はスクリプトの短縮版としてヘルメットなどに使われる。

 全般にクラシカルなロゴを起用したのは、スタンダード感の演出も理由としてある。スポーツチームの場合、ロゴはチームの顔であると同時に、物販用ユニフォームやグッズなどに展開される「柄」でもある。ユニフォームとキャップ、ヘルメットのロゴにもこだわり、ここまで縫えるのか?と思うほど盛り盛りの刺繍はかなり贅沢感がある。


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(新しくなったキャップ、ヘルメット、ユニフォーム。厚みのある刺繍 ©ORIX Buffaloes)

「ユニフォームを買ったお客さんが、球場の応援時だけでなく街でも着れるようなものだといいと思ったんです。ファッションとしてもカッコイイと思ってもらえれば、普通に着てもらえる。ですからロゴも3,4年後にもいいと思ってもらえるようなロゴを意識しました」と池越さんは説明する。

 CIリニューアルに際しクライアントからの要望は「他の球団に似ていないこと」が、当たり前だが、まず1つ。加えて「カッコイイのを作って欲しい」。
 「カッコイイ」は主観的、感覚的な表現だ。野球の分野での、そしてバファローズとしてのカッコ良さというのはどういったものなのだろうか。
 このヒントは、今回起用された使用色にあると思う。前年までのものを見てみるとやや明るめの赤、紺、黄が混在していたたものが、今回、白、渋めの金色、深いネイビーを基調にしたものと変わった。ポスターを見てもシャドウの強い選手のポートレート、とシャープでかっちりしたイメージとなっている。全体的に言えば「渋い」。

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(プライマリーマークの入った袋。社内用に使われる。上に乗っているのは選手カード ©ORIX Buffaloes)

 いくつか野球関連の資料を読んでみると、サッカーやテニス、バレーボールなど他の人気チーム競技に比べて、野球は運動量が少なく選手個人は静止している時間が多いそうだ。選手の美しい動きもさることながら、ただユニフォームを着て立ってるだけでもカッコイイこと、が求められるのではないだろうか。
 むろん球団によりアプローチは異なるが、バファローズが選んだカッコ良さは、静止していても奥にあるストーリーを感じさせるような深さ、凄みを感じさせる真剣さなのだと思う。
 ちなみに今回の執筆担当渡部は野球素人。ブログ相方で野球ファンの宮後さん曰く「池越さんのデザインはカッコ良さのさじ加減が絶妙。野球ファンの気持ちが分かってる」とのこと。発表後の反応も非常にいい。あとはデザインに負けないプレーを願う。
by dezagen | 2011-02-15 10:43 | これ誰取材記事
『これ、誰がデザインしたの? 続(2)』
渡部千春著、デザインの現場編集部編
美術出版社刊
04年以降の連載記事をまとめた2冊目の書籍。連載で紹介したアイテムのほか、名作ロゴやパッケージ、デザインケータイなどを紹介。
 
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