編集宮後です。
タイポグラフィファンのみなさま、朗報です。
ロンドン地下鉄書体について詳細に記された
洋書『Johnston's Underground Type』の
日本語訳本『ジョンストンのロンドン地下鉄書体』が
烏有書林から刊行されました。
ロンドンの地下鉄書体といえば、
地下鉄のほかバスにも使われ、
見た瞬間にロンドンを感じる定番書体。
1916年にエドワード・ジョンストンによってデザインされ、
1980年代に日本人デザイナー、河野英一氏が改刻。
カリグラフィの筆跡が残る独特の書体です。
その地下鉄書体がどのように生まれて、
変化していったのか、膨大な資料をもとに
丹念に調べ上げたのがこの本。
著者は、Type Museumの発足にかかわった
ジャスティン・ハウズ氏。
惜しくも2005年に急逝されましたが、
彼のまわりの有志により刊行が実現されました。
写真右が原書の英語版で、左が日本語版。
判型も同じです。
『ジョンストンのロンドン地下鉄書体ーJohnston's Underground Type』
ジャスティン・ハウズ著、後藤吉郎訳、烏有書林刊
AB判変型(220×250mm)、上製本92ページ、定価3,150円(税込)
12月初旬より書店店頭に並びはじめる予定です。
取り扱い書店はこちら。
http://uyushorin.com/bookstorelist.shtm
* * *
ロンドン地下鉄の話が出たついでに
こんな本も紹介。
『ロンドン地下鉄アートポスター展』カタログ
1994年、名古屋市博物館と大丸ミュージアム東京で
開催された展覧会のカタログです。
1908-1993年までのロンドン地下鉄に貼られた
ポスターを紹介した貴重な本。見ているだけで楽しいので
その一部をご紹介します。
左から2つめは、
エーブラム・ゲームス「ロンドン遊覧ツアー」(1971)。
よく見ると、文字で「Sightsee London」って書いてある。
その右のトラのポスターにも「zoo」の文字が。
このポスターでは分からないけど、
ポスターで使われる書体も地下鉄書体。
最後に、ロンドントランスポートミュージアムで買った、
パンフレットと文房具。
ここでも当然、地下鉄書体が使われています。
ITC Johnstonというデジタルフォントがあるので、
地下鉄書体をパソコンで使いたい方はこちらをどうぞ。