ライター渡部です。
デザインのことを書き続けて早16年。ある程度経験を積んできているはずなのに、「いい」と思ったものを、なぜいいのか、と読者に伝えたいのだけれども、うまく説明できないことも多々あって、そんなものに出くわすと、バタっと倒れて死んだフリでもしたくなる。
服部一成さんの作品もそうなのだ。
本当に好きだし、心からいいと思う。のに、なんで?と言われると、「うーん、なんかちょっと普通じゃないな、みたいな感じがあるから引っかかってるんだけど、既存のルールを壊すぞ、みたいなパンクっぽさでもないし、ズレみたいな感じなんだろうけど、でも実はちゃんとしてて、なんてぼんやり見てると、見れば見るほどどんどんその世界がいいなー、ってぼんやり見続けちゃう感じ」。
これではライター失格である。
この「なんか」「みたいな」「感じ」は、『gggBooks 95 服部一成』に寄稿された保坂健二朗さん(東京国立近代美術館研究員)のテキストが実にうまく説明しているので、読者はこの本を買うように、ということで、さて、展覧会なのだが、

しょっぱなからこれで、工事中の閉館かと思った。がドアは開いた。
中に入ると、

タイトル手描き文字。

書き割りの裏みたいな入口。
ここでもう、立派なギャラリーに来ましたよ、という気負いが肩から抜ける。
中の展示は、1階が新作ポスターを壁紙のように貼った小部屋仕立て、地階が過去の作品。
こちらは1階。

あー、気持ちいいなあ。で、またぼーっと見てる。


柄もじっくり見ちゃう。
帰ったらブログに書こう、と思った瞬間、また死んだフリをしたくなってしまったのであった。
2010年11月27日(土)まで
〒104-0061 中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル tel.03.3571.5206
日曜・祝祭日休館 11:00a.m.-7:00p.m.(土曜日は6:00p.m.まで) 入場無料
詳細はこちらで
www.dnp.co.jp/gallery/ggg/index.html
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11月25日 追加
より詳細な記事はこれ誰ブログ親分、excite.ism 上條桂子さんの記事をどうぞ。
服部一成の仕事展「服部一成二千十年十一月」
http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_24769/