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ノック!ミュージック—打楽器からコンピューターに至る4つの進化論—についてのフリーなトーク
ライター渡部です。

現在日本科学未来館で行われている、明和電機さんの展示『ノック!ミュージック-打楽器からコンピューターに至る4つの進化論-』 に、ミュージシャン/タレントの金剛地武志氏とお邪魔した。

なぜ、金剛地氏?と疑問の方もおられようが、詳細に書くと長いので、休刊中『スタジオボイス』に掲載された、『デザインのひきだし』(グラフィック社)に掲載中の「金剛地デザイン研究所」を参照されたし。

明和電機の土佐社長、金剛地武志さんとの対談から、音楽の基本とデザインを掘り起こす、ということは特にないフリートーク(を聞きながら撮った写真が全くカメラ目線ナシ、後ろ姿ばかりだが)どうぞ。

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明和電機土佐社長(以下土佐)「こんにちは。渡部さん、血色がよくなりましたね。これ(エクササイズのジェスチャー)?」
渡部「いえ。ここ6ヶ月ほど怠けてます。私じゃなくてこの周囲環境です。オレンジの基本色が顔に反射して、顔色よく見えるんです」
金剛地武志(以下金剛地)「なんでオレンジなんですか?」
土佐「ツクバシリーズは全部オレンジです。魚器(NAKI)シリーズは青、ノック系はすべてツクバシリーズです」
金剛地「今回の展示はどういう内容なんですか?」
土佐「100Vでノックする装置、ノッカーを使って、打楽器とコンピュータミュージックをくっつけましょうというコンセプトです。夏休みなので、子供向けを意識しています」
渡部「解説にふりがながついていて分かりやすいですね」

展示は大きく4つのコーナーに分かれている。
STEP1 機械通信時代 トントンくんでノック!
「ノッカー」(電磁石を使ったビートを刻む装置)を取り付けた音源と、スイッチ「トントンくん」をつなぎ、打楽器を操作する。
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土佐「最初は単に打楽器です。このオレンジの「トントンくん」を押すと、壁のものをノックします。(ゴンゴン)叩くと、音が出る、と」
金剛地「だるまはやっぱりいい音しないですね(笑)」
渡部「トントンくんの素材はなんですか?」
土佐「プラダン(プラスチックダンボール)と塩ビです。いかにも工業製品のように見えますが、アトリエで手作りです。ここでサルのようにポカポカやったら、次へ」

STEP2 電子通信時代 おもしろスイッチでノック!
厚紙とアルミ箔で作った手作りスイッチなど、様々なおもしろスイッチを組み合わせて、ノッカーを操作する。
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土佐「世の中いろんなスイッチがあることを分かってもらうコーナーです。5Vの小さなスイッチが、ミディタップというものを通して、ノッカーを動かす100Vの大きなスイッチに繋がりますよ、ということを説明しています」
金剛地「ミディのインターフェイスになってるんだ。んんー、何かこの、つなぎがたの感じがテクノ心をそそりますね」

土佐「これはノックの進化論のリトグラフ絵巻ですね。ノックから命が生まれてという、横山大観の生々流転のようなものです」
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(絵巻より:「ノックあれ!」神様が杖をふりあげて、何もない世界をおもいっきりノックしました。すると世界がぶるぶると振動し、たくさんの〝ビート〟が飛び出しました……)
金剛地「こんな嘘を子供に教えていいんですか」
土佐「はは、科学未来館でね」

STEP3 自動機械時代 エレビートでノック!
手動式の記憶装置「エレビート」を使って、あらかじめ決められた操作手順(シーケンス)でノッカーを動かす体験をする。
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土佐「こっからいよいよ打ち込みに入ります。コンピュータで言うメモリーとクロックを原始的なしくみで分かってもらおうと」
金剛地「これ、見たかった。100円ショップで売っているマグネットを置いて、そこを叩くところが鳴ると」
渡部「これがシンセサイザーとかの基本ですか?」
金剛地「いえ」
渡部「じゃあ、打ち込みマシーンの基本?」
金剛地「はい。それをコンピューターではなく、メトロノームをいかに電気信号に変換するかという方法を使って説明しているんです」
土佐「自動演奏って一定のリズムを作る「クロック」という装置と、リズムやメロディを記録した「メモリー」という装置で出来ているんです。そのクロックが最初なんだったかというと、振り子(メトロノーム)なんです」
渡部「今、普通にライブとかで使うコンピューターの打ち込みマシーンのメモリーは、「エレビート」の何倍くらいなんですか?」
土佐「(困惑)……ものすごいです。横とか縦とか」
渡部「東京タワーくらい?」
土佐「行くかもしれません」

STEP4 コンピューター時代 コンピューターでノック!
機械的なシーケンスを電子的に置き換えた「エレビートタッチ」による、自動演奏。
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土佐「ここで、コンピュータミュージックに辿り着きました、と。実際のコンピューターミュージックシーケンサーもこのミディタップ、クロックとメモリーというものから出来ているわけです」
金剛地「パット・メセニーは明和電機さんがこういうものを作っているって、ご存じなんですかね」
(6月11日パット・メセニーの来日時、土佐社長が楽屋で対面している)
土佐「知らなかったですね。セーモンズは見せたらうおーって言ってました」


土佐「最後に自動演奏のステージです。訳あってパンチくんレンダちゃんを持って来れないので、ノックパンチくんレンダちゃんを急遽作ったんですけど、顔をどうしようと言いましてペットボトルで作ってます。ノックトントンくんとノックドラムはたたむと箱になるんですよ」
金剛地「完璧。全部箱型に収納して持ち運べるというのは、70年代からの電子楽器の基本です」
土佐「ちょっと『電人ザボーガー』みたい。箱ののままでも鳴らせます」
金剛地「全部100Vのプラグが使われている。made in Japanを感じさせますね」

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(ノックドラムの畳まれっぷりがすごいものの、会場内の暗さに渡部の写真技術がついていかずコマ撮り出来ず。失礼)

渡部「土佐さん、フル説明ありがとうございました。掲載時、多分8月頃のお二人のご予定を教えて下さい」
土佐「飛んでイスタンブウウル♪で、文化庁メディア芸術祭の展覧会をイスタンブールでやります」
金剛地「イスラム文化圏ですね」
土佐「どこかのパーツがアラーをおとしめるような文字に見えないか心配です」
金剛地「僕はライブです。3年ぶりなので「リハビリテーション」というタイトルで」
渡部「機械に負けないで下さい」
金剛地「いや、これは敵いません」
土佐「貸しましょうか?今ゆずがライブツアーでトントンくんとパンチくんレンダちゃんと音源を使ってますよ」
渡部「そういう出張のさせかたをしていたんですか?」
土佐「始めました」
金剛地「人材派遣(笑)」
土佐「僕も着いていきますよ」
金剛地「オタマトーンをまずうまくならなきゃな」
土佐「フレットレスですし」
渡部「期待してます」

果たして金剛地氏のライブに土佐社長が飛び入りするのかどうかは、さておき、最後はお二人、メインステージでポーズ。

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by dezagen | 2010-07-28 14:55 | 展覧会
『これ、誰がデザインしたの? 続(2)』
渡部千春著、デザインの現場編集部編
美術出版社刊
04年以降の連載記事をまとめた2冊目の書籍。連載で紹介したアイテムのほか、名作ロゴやパッケージ、デザインケータイなどを紹介。
 
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