ライター 渡部のほうです。前回の続きでオキナです。
ノートというのは定番が多く、固定層があるだけに
新しい商品が出しにくい。
その中で画期的なアイデアでじわじわと新しいノートに人気が出てきたり、
かなり面白い分野でもある。
前回Project Paperを取材した、オキナからも
新しい発想でじわじわとファン層を増やしているノートがある。
オキナ 商品開発部 深川渉氏が開発、デザイン、
2009年9月から販売されている
「バンキッシュノート」というのがそれ。
名前の「バンキッシュ Vanquish」とは「克服する、打ち勝つ」の意味。
「自分の弱い意志を」とか「戦いを」とか、かなり強い意味を持つ言葉なのだけれど
というのも、このノート、大人の学習を意識していることも
命名理由の1つなのだ。
バンキッシュノートの画期的なところは、むろん中身。
表紙の「400」「600」「800」というのは、
1ページに書く文字数のこと。
一見、横罫のノートなのだけれど、よく見ると、縦にドットの罫線が入っていて、
原稿用紙のように使うことができる。
大学の授業や、社会人の資格試験などで「小論文」「論述」という課題がある。
普段PCで作業していても、試験時は紙で提出ということもあり
紙に自筆で書く練習は必須。
そのため文字数を計算しやすいノートが活躍するのである。
04年頃にも、オキナから縦ドット入り横罫ノートというのが出ていた。
その時は意匠的に受け止められ商品自体も消えてしまった。
そこに「文字数」というメリットを加え、
新しい商品として生まれ変わったというわけだ。
深川氏自身、資格試験の勉強を通して生まれたアイデアだという。
表紙「Vanquish」の文字はTrade Gothicという書体をベースにしている。
最初から大人向けを念頭に入れていたこともあり
奇をてらわず、普遍的なイメージで作った。
社会人になってからの勉強は、とかく途中で頓挫しがちなもの。
ノートを使いまくり、一冊を終えることで、
自分に打ち勝つ、そんな思いがノートの名前に込められている。
オキナHP
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