渡部のほうです。
スティグ・リンドベリがデザインした、昔の西武百貨店包装紙を知人の家で発見。
1959年に作られたもの。
2種類(白抜きのほうは制作年不明)。

タバコを置いてみたのでサイズ感が分かるだろうか。
色付きのほうは、大きなものを包むように使われ、
柄の小さい白抜きのほうは小さいもの用だったのではないだろうか。
実はこのブツを見つけるまで、白抜きの包装紙があったことを知らなかった。
『スティグ・リンドベリ作品集』 ギセラ・エロン著 プチグラパブリッシング刊
には、モノクロの写真だが、色付きのほうだけが出ている。
基本の柄を作った後、包装紙のバリエーションが作られたものだと思われる。

この白抜きの方、かなり粗い。
サインも潰れている。
デザイナー名を重視するのであれば、
かなり駄目なデザインと言えるが、
一般的なデザイン認識がその程度
な時代だったのかもしれない。
この包装紙が作られた翌年、
60年といえば
世界デザイン会議が日本で開かれた時、
つまり、日本のデザインはこれからだ、
と思っていた時期であろう。
そうしたデザイン環境を
証明するものとしては貴重な資料かも。
1つ気になるのは、リンドベリ自身がデザインの
アフターケアをしていなかったのかどうか。
売れっ子作家ゆえに、極東までは目が行き届かなかったか。
その辺の事情、今も知っている人はいるだろうか。