ライター渡部です。
etsyというサイトをご存じだろうか?
手作りのもの(とその道具、素材類、及びビンテージアイテム)を売買するサイトで、
お母さんの手芸的ニットや布モノ、ジュエリーから、
工業製品に近い小物、家具まで、
あらゆる有象無象が日々売り、買いされている。
発祥のアメリカが圧倒的に多いものの、現在売り手の所在地は
世界150カ国に広がっている。
流行やマーケティングにも左右されない破天荒っぷりがあったり
全く違う国籍の人なのに、同じようなニット製品を作っていたり、
手芸の世界というのはかなり自由である。
今回台湾で見た、
ホテルJust Sleepのインテリアや
永盛帆布のバッグ、
茶器メーカー
三希のパターン作りや、それ以前に取材をしたものなど、
台湾のもの作りの場を見ていると、
どこかで見た風であったり、ダイレクトに素材集から拾ってきたものだったり
日本で考える、マーケティングに沿ったデザイン、あるいはデザイナーのオリジナリティ、
と言った基準とは違うように感じる。
いいな、と思ったものは素直に取り入れていくくったくのなさ。
これは手芸に通じるものなのではないだろうか。
あまりにも類似しすぎていれば、違法かもしれないが、
まるっきりの真似というわけでもない。
零細企業の場合、むしろこれくらいのおおらかさがあったほうが
独自のもの作り体勢をキープでき、下請け企業として親会社に揺さぶられることもないだろう。
現在、ロハス流行もあり、台湾では「made in Taiwan」を見直そうという動きが出ている。
自国の人が安っぽいと感じていたものに、再度目を向け
その独特の味わいは台湾らしい個性なのではないか、と考えを改め始めている。
etsyの手芸作品と、台湾の生産品を全部いっしょくたにはできないけれど
domestic(家庭内、国内)で細々としていたものが
自信を付ければ、外に出て行った時に非常に強い力となる、
そんな感じがする。