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大正製薬 パブロン その3
 重要ポイント三つ目は「効き目感」。これは複数の要素から醸成されるものらしい。

 まずは、パッケージ全体のイメージ。
「メタリックな色は目をひきます。オフセット印刷(注:紙の印刷物や書籍で採用される最も一般的な印刷方法)で白地に金色を刷ってもあまりメタリック感は出ないので、一度グラビアあるいはフレキソ(注:ともに印刷様式の一種で、オフセット印刷よりも大量枚数にしっかりと色がのせられる印刷方法)で銀を刷った紙に、他の色を重ね刷りしています」

「パブロンエースAXのAXの文字が斜めで鋭い感じ、パブロンSやパブロンSCの帯上部のS、SCの文字が斜体でなびいているような感じ、これらは動きを感じさせ、即効性を喚起させます」

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図版:パブロンエースAX、パブロンS

 総合感冒薬も種類は様々。前回書いたパブロンNなどの青帯のように、効能、成分の違いにより別のカラーを差し込んだり、イラストを入れたり、それぞれの工夫も必要だ。

 とはいえ、あれもこれもと入れるわけにはいかない。薬事法に準じた表示がまず基本。来年6月からは医薬品分類の表示が追加されるなど、法律も刻々と変化する。  

 その上、箱が小さい。説明の文字は小さくても見やすいよう、ふところの大きい書体(注:「の」の内側など、線で囲まれたアキの分量が大きい書体)を使い、薬の分量表示などでは小数点の部分だけ大きくすることもある。

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図版:説明の文字部分拡大 

 改良が進んだり法律が変わったり、変動がありつつも安心を感じる「いつものパブロン」をキープさせるデザイン・テクは想像しただけでも頭が痛い。って、この頭痛、風邪だったらどうしよう。



おまけクイズ答え:
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解説:テレビや新聞広告などで使われる広告用のロゴ(右)は、印刷ほど細部の再現がきれいにでないため、印刷用ロゴ(左)よりも形が単純化されているとのこと。こちらのマークも社内デザイナーの作。

2つのマークの違いは、

・全体的なプロポーション
・線の太さ
・ワシの羽の枚数

でした。
by dezagen | 2008-12-25 20:04
『これ、誰がデザインしたの? 続(2)』
渡部千春著、デザインの現場編集部編
美術出版社刊
04年以降の連載記事をまとめた2冊目の書籍。連載で紹介したアイテムのほか、名作ロゴやパッケージ、デザインケータイなどを紹介。
 
これ、誰が書いているの?
 
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