これまでの流れ
自分を軸にして書きはじめよう。
自分の好きなモノから書いてみよう。そのために、
「自分マトリクス」と名づけた「自分の好きなものマップ」を書いてみよう。
という流れで進んでいます。
わざわざ「自分マトリクス」なんて書かなくても……
「自分マトリクス」の回に、
“「好きなモノ=その時興味あること」じゃないのかな? 興味あることなら、わざわざこんなことしないでも文章にできそうだけど・・・”
というリアクションが
はてなブックマークのコメントにありました。
「自分マトリクス」は、わかりきっている(自分が好きなことなんてわかってるよ、当然!)と思っていることを、わざわざ書き出すことが、大切なのです。
自分が書いたモノを自分が観察する。
↑の文章で、最初に出てくる「自分」と、後から出てくる「自分」は、同じ自分ではありません。
私は、私です。
というときの最初の「私」と、後の「私」は、違う意味で使われています。
最初の「私」は、関係性の中で指し示される「私」です。
後の「私」は、関係性とは関係なく、「いつもの私」「私の本質」とでも言うような、「私が私であること」それ自体を指し示しています。
だから、「私が私じゃないみたいだ」という文章が成り立ちます。
酔っぱらって、なんだか気分がいいときに「私が私じゃないみたいだ」と言ったりします。
関係性の中の「私」が、「いつもの私」とは違っていると感じる、という意味で使われます。
「私」は、「観察する私」と「観察される私」に分離するコトが可能なのです。
わざわざ「自分マトリクス」を書くと……
「自分マトリクス」は、自分の好きなコトをどんどん言葉に置き換えて、A4の紙に書いていくという単純なものです。
でも、「自分マトリクス」を作るという作業は、好きなモノを確認するという単純な行為に留まりません。
言葉にして書き出すという行為は、自分の内側にあるモヤモヤとしたコトを、きちんと整理して、人に伝わるモノにすることです。
言葉は、相手に伝えるためにあります。
自分だけが理解し、自分だけが使う言葉は、ふつーありません。
言葉は「伝える相手も、自分も、同じように使っている」という前提で、言葉によるコミュニケーションが行われます。
共同体に共通な分類体系のひとつ、それが言葉です。
誰に見せることがなくても、言葉にするという行為そのものが、モヤモヤとした自分だけの想念を、相手に伝わるモノに分類し変換し固着しているのです。
つまり「自分マトリクス」は、「観察される私」を作り出す作業なのです。
いちど、私を、「観察される私」として、切り離して、紙の上に定着します。
それを、私が観察する。
最初の他人である「私」が、「観察される私」を、観察するために書くのが「自分マトリクス」なのです。
ぼくがやっている
「発想力トレーニング講座」という講座の初回に、いつも自己紹介がわりに「自分マトリクス」を書いてもらっています。
実際にやった人の多くは、意外な自分を発見します。
好きなモノの意外な関連を見つけたり、予想外の傾向を見つけたりします。
いちど、自分を「観察される私」として突き放すからこそ、発見できることがたくさんあるはずです。
教科書的な言い方をすれば、「客観的に、自分を見てみる」ということです。
ぜひ、いちど試しに「自分マトリクス」を作ってみてください。
お題6
YouTubeが人気です。
ユーチューブ社が運営する動画共有サイトで、ユーザーがアップした動画を観ることが可能。検索すると、なつかしのCMから、プライベート映像まで、さまざまな動画を見つけることができます。
で。
「動画をほいほい観る」ことって、何て言えばいいんだろう。
YouTubeの出現によって、今まで、ネットで動画を観ていた感覚と違うふうに多くの人が動画を観ている。けど、それを指し示す言葉がない。という感じがする。
キーワードから目的のサイトを見つけることを「検索する」と言ったように(さらには「ググる」なんて言葉まで出てきたように)、なにか適確な用語がないのかなー。
と、あれこれ考えているんだけど、いい言葉が思いつかない。
そこで、今回の「お題」は、
「YouTubeなどで動画をほいほい観ること」の「伝わりやすい用語」を考えてほしい。