意見が対立したとき困らないために
いきなり実践編からスタートするというトリッキーな構成で始まりましたが、いろいろな意見のやりとりをさせていただき
*1、大いに盛り上がりました。
ありがとう、みなさん。
ブログで不毛な対話に陥らないためのポイントをまとめてみました。
これは、以前、自分のブログに書いた
『「あの曲はダメ!」って言う5つのポイント』を、さらに一般的な対話用に修正したものです
*2。
ネガティブな感想や、意見が対立した時に、問題は起こりやすいので、特にそのような場合を想定して、気をつけたいポイントを中心にまとめています。
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*1:以前、「
萌え発想術:第6回 リアクションスペシャル!」という記事で、みなさんの意見に答えて、好評でした。意見交換ができるのが、ぼくはとても楽しいので、ブログ連載は好きです。
*2:今回の「ブログ文章術」のやりとり以前に書いた文章を元に、「自分で気をつけよう」と思えるものに書き直してみました。今までの「ブログ文章術」でのやりとりは、とても有意義だったと思います。
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不毛な対話に陥らないための7つのポイント
1・主観的な感想なら主観的な言葉を使おう
大好き、つまらない、といった主観的な感想を、「質が高い」「構成が甘い」といった客観的な感想にすり替えるのはやめたほうがいいだろう。
主観的な感想でしか説明できないのなら、主観的な言葉を使うほうがいい。グッときたのなら、「ぼくは、グッときた」と書くべきである。なんとなく好きになれないのなら、「わたしは、なんとなく好きになれない」と書くべきである。
それを、いかにも客観的な事実のように(主語を「我々は」に)、すり替える必要はない。
2・具体的に説明しよう
(特に、意見が対立した場合などは)相手に伝わるように具体的に書くべきだろう。「構成が甘い」と解っているのなら、具体的にどのように「構成が甘い」のか示すほうがいい。
それはめんどうだ。ただ「構成が甘い」とだけ書きたい、と思っても、やめたほうがいい。
具体的な説明なしに主張するだけでは、「ぼく嫌いだけど、あなたは好きなのですね、意見が違って面白いね」という最初から判っている結論にしかたどり着けないだろう(もっと、最悪なのは、偏った範囲での多数決に陥ることだ)。
もちろん、ただ言いたいから言う、ということもあるだろうが、ブログは「公の場」での発表だから、それをやるにはリスクが高すぎる(もしくは品がなさすぎる)。
3・お互いの言葉をそろえよう
意見が対立していない時は、お互いの言葉をきちんと定義せず、感覚で言葉を使っていても、問題は生じないだろう。
でも、意見が対立しているときは、言葉を定義して、お互いが使っている言葉の意味をそろえなければ、うまく対話できない。
たとえば音楽の話題で、「スウィング感がいいよねー」「うんうん」って言ってるときは、お互いのスウィングの定義が(多少)ズレていても、まぁ、実質、問題は生じない。でも「あのスウィング感が良い」「いやいや、あんなものスウィングしてない」なんて対立があるときに、おたがいのスウィングの意味が違っていては、それ以上、対話を深められない。
言葉の定義をすりあわせ、根拠を述べ合うことによって、ようやくその違いが明確になるし、意見を交わし合う意味が出てくるのだろう。
4・建設的な提案をする
ネガティブな主張をするより、建設的な改善案のほうが受け入れられるだろう。「だめ!」とか「違う!」と主張するよりも、「こうしたほうが良いんじゃないか」「それが好きなら、こっちも気に入ると思うよ」といった提案をして、そちらに誘導するほうが良いだろう。わざわざ対立する必要はない。
5・感情的にならない
ブログには匿名性を活かして、失礼な罵倒を書き込む人や、噛み付いてくることを期待するような人もいる。そのような書き込みに、感情的になって、反論を書くと、ロクでもない文章を書いてしまう。感情的にならないようにしよう。
6・相手の意見に対して語ろう
相手の意見ではなく、相手自身を攻撃してしまうことは避けよう。ネットワークでちょっとやりとりしただけで相手のことが解ったように書くのは、みっともない。相手の意見との対話を心がけるようにしよう。相手が言ってないことまで想像して反論するのは、不毛な対話への道だ。
7・上記のようなことをしたり、しようとしても、できない場合
上記のような方法でも上手くいかない場合がある。好きで好きで他の人の意見を受け入れる余地もなくなっている人、怒りで視野が狭くなっている人、そんな人には、もう何を言っても無駄。そういう場合は、「いいなぁ、あんなに熱心になれて」「現実の生活でつらいことがあるのかな」と思って、あきらめるのがいい。
あきらめて、それ以上、リアクションしないほうが得策だろう。意見の交換でなくなったり、対話が有意義でなくなったと感じたら、やりとりを中止することを考えたほうが良い。
「もっとこんなところを注意したほうが良いと思うよ!」とか「ここが抜けてる!」ってポイントもたくさんあると思う。ぜひ、トラックバックやコメントで意見を下さい。
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です。
「どんな記事を人は見るのか?」「自分きっかけで書く」なんて話もでてきて、おもしろくて役に立つので、ぜひ読んでください。