★バビです。
3月24日(日)にチケットを予約をして楽しみにしていた、パラボリカ・ビス(浅草橋)の
「キノコとモリとヌイグルミ」というトークショウへ出かけてきた。
ディスカッションパネラーの一人は飯沢耕太郎氏。
バビの好きな「きのこ文学大全」(平凡社新書)
「考えるキノコ 摩訶不思議ワールド」のイベント主催や、
最近では「フングス・マギクス 精選きのこ文学渉猟」(東洋書林)という
とても面白い本を出版された、きのこ文学研究者だ。
そして、写真評論家でもいらっしゃる。
もう一人は、パラボリカ・ビスでぬいぐるみの個展を開かれているオカムラノリコさん。
オカムラさんをバビが知ったのは、だいぶ前に新宿の伊勢丹でぬいぐるみ作家展を
やっていたときのこと。
そのときすでに売約済のひときわ素晴らしいうさぎを見て心酔したんだ。
それから執拗に(w)ブログをスネイクしていたぬいぐるみ作家さんである。
偽うさぎの隠れ家
……そう、バビがまったく関係なく、それぞれに好きになった作家さんたちなのだが、
なぜか、今回お二人がトークショウを開くと言う。びっくりした! 本当に!!
これは、何がなんでも行かなくては!!と思った。

展覧会およびトークショー告知用ポスカ
この天使っぽいうさぎさんも本物はとても素晴らしかった♪
★飯沢さんは著名人なのでお顔も知れ渡っているが、
当日は、ベニテングタケのトレーナーを着て、きのこベルトをしているという
いでたちで、全面からきのこ好きオーラが溢れていた。
ご本人は胞子(奉仕)精神に溢れているのだとおっしゃっていたがw
トーク中は、オカムラさんが持ってこられ、テーブルに飾っていた
ベニテングタケのフィギュアを手に取って、終始その傘を磨くかのように撫でていて、
その仕草を拝見しているだけでも面白かった。
本当に子どもを可愛がるような感じなんだ。
植物博士は何人か知っているのだが、飯沢さんは厳密にはきのこ専攻の植物学者
ではないが、似た雰囲気がぷんぷん出ていた。
オカムラさんは、とてもふんわり、おっとりした、優しそうな方で、
ああ、この方の手で、あの目力のある、
思索に耽っているような、哲学を理解していそうな
バビの心を撃ち抜くうさぎたちが何体も生まれてきているのかと思うと、
とても感慨深かった。
ところが、お話を伺うと、おっとりした外見にそぐわず、富士の樹海でも、
どこでも分け入っていくバイタリティーのある方だった。
なんでも、息子さんが鉱物採集が趣味で、ご家族で石の採集に行かれて、
石切鋏など重い物を持って10キロも歩くことがあるんだそうだ。
帰り道は切り出した石も一緒だよ。すごすぎる…!!
鉱石に比べると、きのこは東京近辺の公園にも生えていて気軽で、
オカムラさん向きなのだとか。
そんな実体験の楽しいお話が続き、映像で実際に採取された
きのこたちの写真も見せてもらい、本当に楽しいトークショウだった。
飯沢さんはきのこに対する愛が溢れすぎていて、話しても話しても
話し足りない感じだった。
ベニテングタケの毒の麻薬の話や、きのこを見たいがあまり海外へ行った話や、
食べれるきのこも地域で形が違っていておっかなびっくり…
でも食べるという話は面白かった。
名前のついていない分類もされていないきのこが世界中に何十万とあって、
日本じゃせいぜい1000種にも足りないきのこが
認識されているだけって話には驚いた。
★他にもフェアリーリングがどうやって出来るかとかお話されていたが、
文学ときのこの話はほとんど出なかったな。
どうやって文学の中に描かれているきのこ文献を探すのか。
そのお話をされていて、タイトルに「森」が入っていると怪しいなどと言われていた。
そこで若干、シェイクスピアに触れた程度。
言うまでもなく飯沢さんは、たくさんのきのこの現れる本をお読みになられて
それをまとめたご本を出されている方。
それだけじゃなくて、きのこ図鑑(図譜)にも海外のきのこ切手にも造詣深い。

フォト
イタリアの細密画 タマゴタケとベニテングタケ

フランスの大型菌類図譜 ステンシル画のような美しさ

日本紀州藩の医者の菌譜
うん、なんというかアレにしか見えん。味わい深い。
★文学に現れるきのこの「表象」「メタファー」について教えて欲しかったなあ。
「象徴辞典」に項目入れるなら、どうなるんだろう?
バビは、まだまだリアルでなく、ファンタジーの中のきのこを捉えているだけなので、
そこでの位置づけを専門家の視点で語ってもらいたかったなと少し思った。
特に、きのことフェアリーの親和性の高さはすごいじゃないか。
フェアリーの話は、以前日記でも語ったな。↓
http://bkmoonbk.exblog.jp/17721406/
せっかく、ぬいぐるみとのコラボレーショントークだったのだし、
ファンタジー世界のきのこの役割とか、もっとお話伺いたかった。
バビが知っているよりずっと深い話が聞けたと思うのに。
質問ありますか~で、質問できなかったのが悔やまれる。
というか、トークショーが十分面白くて満足しちゃってたというのも大きいな。
きのことは違うが、森の話の中で「鏡の国のアリス」の赤の女王の逆さ言葉を
飯沢さんが深く捉えられていたのは忘れられない。
(長くなるから割愛。聞きたい子はバビに会ったときたずねてくれ)
★司会の今野さんはとてもうまくきのこにもぬいぐるみにも話題を振られていた。
オカムラさんがどうやってぬいぐるみを製作されるのかの話は興味深かった。
特注のガラス瞳や、さわり心地にこだわるのは、アーティストのこだわりですね。
プロダクツではない、アートを作るアーティストの。

オカムラさんからいただいたポストカードにもうさぎが! 可愛い!!
お話もさることながら、展示ブースでのトークショーだったため、目も楽しめた。
さすがパラボリカ・ビス。
展示が凝っていて「ベニテンちゃん」と名づけられた、
ベニテングタケのぬいぐるみたちはちゃんと白樺の周りに
フェアリーリングを描いていた。(ベニテングは白樺と共生するんだよ)
天使のような翼を持つうさぎさんは、空を飛んでいたし、
それぞれの世界の伝わる展示だった。
人形にもぬいぐるみにも造詣の深い「夜想」編集長の今野さんは
「ぬいぐるみは必ず持ち主に似てくる」という話をされた。
「え? 作家じゃなく?」と思ったが、もちろん人形もぬいぐるみも
作家に似ているのだそうだが、
ぬいぐるみは買った持ち主にどんどん似てくるのだそうだ。
なぜなら、毎日ぬいぐるみの顔を撫でている自分の手というのは、
おのずと最も触れている自分の顔をなぞるように、
ぬいぐるみにも触れてしまうのだとか。
そうすると、中身のやわらかなぬいぐるみは、顔の形が変わり、
持ち主に似通ってくるんだって。
精神論ではなくて、本当にありそうだよね、そういうの。
……と、思ってバビの部屋の幾多のぬいぐるみを見渡したが、
飾ってあるばかりで可愛がってないせいか、似てないなぁ。
あと「Well Loved」のぬいぐるみの話が出た。
これはいつかBKライブに生かしたいと思ったので内緒v
★そんなこんなで楽しい話が全然つきることなく、あっという間に時間が過ぎた。
オカムラさんのうさぎさんは絶対1体は我が家にお迎えしようと
決意しているのだが、今回出品されていた、ちょっと毛長のロップイヤーちゃんが
すご~~~く好みでたまらなかった。
が、売約済みだった。まあ、ライブがあったからなぁ…抽選にも行けなかった。くっ!
撮禁だったから、ここで作品の紹介もできない。
4月15日まで展示会はやっているので、うさぎスキーの子は、本物を見て欲しい。
ぬいぐるみは玩具だけれど、作家物はアートだ。
玩具の愛らしさを残しつつ際立つ個性で、ファンタジックな「森」を作り出している
あの空間を味わって欲しいな。
バビもこそこそ行こうと思っている。
そういえば参加者さんに、とよ田キノ子さんがいらしていたよ。
この方もとても優しそうな方だった。
森を愛する人たちは皆おおらかな優しさがあるのだろうな。
ほんとに面白いトークショーだった!!
●おまけ
会場がパラボリカ・ビスだったので、ポスカも色々買った。

アンジェリックプリティのイラストレーター、今井キラさん
月に少女が乗っている。とても素敵♪

ご存知、恋月姫さん。ぽつんと横たわるこの姿がたまらんv

山本タカトさんの凛々しいアリス。きのこが危うげ。

これは、後日カイエと入ったファミレスにあった
きのこガチャで当てた、ドクツルタケ!
めっちゃ綺麗! めっちゃ嬉しい!
バビ:文責