【7月13日ブリデコ6レポ⑤】―ファッションショウの部 後編
★真夏の夜の夢~シェイクスピアの愛 BKパート
人間は、社会に貢献しないもの、非効率なものをすべて、下らないものとして切り捨ててしまう。
だが、一方で、人は愛無しには生きていけない。
愛は割り切れる感情でない「非理性」であり、
努力した分の見返りがあるわけでもない「非効率」であり、
相手なくば成立もしない「個人主義」を否定するもの。
つまり近代以降、構築してきた人間社会の価値とは相反するものだ。
それでも、愛は常に、音楽、絵画、文学……あらゆる芸術の永遠のテーマであり、
人間の最大の関心事だ。
シェイクスピアは愛についてこう語った。
「恋は目でものを見るのではない。
心で見るものだ。だから翼あるキューピッドは盲目に描かれる。
恋の心は、どこを探しても分別はない。
だから無分別を示すよう、翼はあっても目はないのだ」
絵の上の方に注目。
目隠しをしたキューピッドがいる。
★こうした「愛」の非日常性が、「真夏の夜の夢」の中では、
三色スミレの花の汁――「恋に落ちる媚薬」として、描かれる。
妖精の女王タイターニアは、スミレの汁で、醜いロバのボトムと一夜の恋に落ちる。
「真夏の夜の夢」のテーマを語るBKと、
それに合わせて、パフォーマンスする、ブリデコフェアリーズ。
上段真ん中:フェアリーズは、タイターニアがスミレの花の汁を落とされているのを表現
下段BK キリスト教以前より語り継がれる森の精霊を表した衣装
★タイツファッションショウ「ロマンスの翼」
(tokone、sakizo、Enchantlic Enchantilly、nude SOX、Triple*fortune)
新作タイツをファッションショウとして見せながら、物語に合わせた
ダンスとパフォーマンスが繰り広げられる、幻想的なタイツパート。
モデルたちも複雑なウォーキングで魅せた。
・ダンサーマオ君:妖精王 オーベロン
・ダンサーmeraruさん:闇のロマンスの翼
・モデルATG:光のロマンスの翼
ロマンスの翼は皆持っている。
現実社会の中で、目には映らないそれは、気づかなければ、
ただ日々引きずり、肩の重荷となって俺たちをうつむかせてしまう。
目を閉じて、己の翼を感じろ!
そして、美しい世界へ旅立つがいい!
★
Triple*fortune、
pureblack Gothic Labo
今、現在「妖精」と聞いて思い浮かべるイメージは、シェイクスピアによって作られた。
19世紀に易しい言葉で書き直されたシェイクスピアが大流行し、
様々な作品が繰り返し上演された。
妖精の存在がまだ信じられていた当時、妖精を見つけることができたのは、
圧倒的に少女であり、それも「無垢な心」を持った子どもだった。
トリプルフォーチュンは、大人になってもいつまでも心に
少女や少年を住まわせている貴方にこそ着てほしいと語る。
モチーフは「真夏の夜の夢」に合わせたスミレ柄、野イチゴ柄、すずらん柄など、
野の草花を 新柄として発表。
いつまでも心に住む少女に見立てたキッズモデルとともに
モデルたちがランウェイを歩いた。
トリプルフォーチュンらしく、ほぼ全員ボンネット姿
最後は「愛」をテーマに妖精女王タイターニアのマリエも♪
オーラス では、全出展ブランドの様々なドレスに身をまとったモデルたち、ダンサーたちが
全員ステージに登場!
笑顔で手を振るモデルたちに、会場から大きな拍手が起こった。
幻想的な世界を、最後まで十分満喫されたことと思います。
おりしも、この日は、ほぼ満月の夏の夜だった。
皆様、それぞれ胸に素敵な夢を抱えて帰られたとしたら、
ブリデコスタッフ一同、心から嬉しく思います。
次回ブリデコ7は、10月18日(土)!
タイトルは「EAT ME ! DRINK ME !」 お楽しみに~~♪
※資料の絵画画像はフリー版権物を使用か、バビ私物のポストカード等
文責:BABI