S-Project レポート

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2012年 06月 13日

土地の記憶を共有するために

「街路のような建築」というコンセプトについて、別の角度からもう少し考えてみたい。通常、街路は建物の「外」で、建築はその「外」を遮断することで内部を形づくる。特に近代建築は内部と外部を厳密に区分し、内部を均質化することを目指してきたともいえる。本来は「外」である街路を建物のなかに取り込むことは、両者を隔てる壁を低くすることを意味する。
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©Office of Ryue Nishizawa

敷地内にある桜の樹は以前から近隣の人々に親しまれていた。桜の樹をめぐる人々の記憶は土地が持つコンテキストの一部であり、桜の樹を残すことはその記憶を受け継ぐことなのだ。建物が建つ以前に人々が愛でていた風景と同じではなくても、それを喚起でき、しかもそれまでと同じように人々が気軽に訪れることができる場所であること。このような方向性を踏まえると、街に対して開かれたギャラリーを核とした「街路のような建築」は、よりリアルな姿をもって私たちの前に現れてくるように思える。(鈴木布美子)
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photo by Office of Ryue Mishizawa

by S_Project | 2012-06-13 10:40 | プロジェクトについて | Comments(0)


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