execitemusic
本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

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無意識の中に潜む男女差別:ジェンダー・ギャップのないアイスランド
いつもICELANDiaブログを読んでいただき、有り難う御座います。

昨日の世界競争力ランキングに引き続き、今回は世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数」の話です。

「ジェンダー・ギャップ指数」とは、つまり男女差別指数のことで、日本の順位は58カ国中第38位という低いもの(ハッキリ言ってアラブ諸国並み)。アイスランドは他の北欧諸国と同じように男女差別がとても低く、世界第3位。58カ国中第38位という日本の地位と共に、アイスランドの第三位というのは私の実感とさして相違のない指数でもあります。ちなみにアメリカは17位で、毎年1回はアメリカへ行く身なので、アイスランドと日本の中間というのは、まさに実感するところです。

私自身長年女性をやっているので、男女差別は生まれてからずっと良くも悪くも日本の社会の中のあちこちで感じてきたことで、日本が下位に位置するのは驚くことではありません。社会のルールでは表向きには男女平等を謡っても、実社会では、そして家庭内でも、男女差別は相変わらずのところが多々あります。そんな日本の社会に居ると男女差別が当たり前としてすり込まれるので、正直なところ私は北欧(アイスランド)で活動するようになり、初めて無意識に男女差別を当たり前と思っている自分に気づいて愕然としたことがあります。
 
例えば、こんな事がありました。アイスランドに出入りするようになって間もない頃、私はある人に勧められて、アイスランド外務省へ話をしに行きました。女性ひとりの小さなプロジェクトの話を、わざわざ外務省のような国の機関へ持っていくこと自体はばかられましたが、まぁそれは横に置いておくことにしましょう。
 
私は予定通り外務省へ行き、受付とセキュリティを通って、アイスランド外務省の日本担当に会いました。私の横には背広を着た紳士が座り、私の目の前にはスーツ姿の女性が座っています。日本の慣習がぬけない私は、それを半ばジョークのように言いながら名刺を取り出し、まずは男性に差し出したところ、その男性から、まずは女性に手渡すよう即されました。”そうそう、ここはヨーロッパ。レディ・ファーストだもんねぇ”。そして名刺交換を済ませ、男性の方を向いてお話し始めると、まずは口を開いたのが女性の係官でした。私は心の中で、”なるほど、エライ人は口を開かないのか”などと思っていたら、どうもその話しぶりから、私の印象とは違うのかもしれないということを感じ始めました。

そう、外務省の日本担当はこの女性であり、男性は秘書でした。秘書に向かって発言をする私を見て、もしかしたら男好きと思われたかもしれません。日本人の私にとって、男性が主役であり女性が秘書であることが無意識にすり込まれていたと知った時、正直なところ愕然としました。私の中に男女差別は無いと思っていたのに、見事に男女差別が当たり前のようにすり込まれていたことを知る結果となりました。

その後、文部科学省、運輸省、観光省等、数々の政府間公機関に顔を出しましたが、現在までその担当係官はことごとく女性が上司で男性が部下でした。観光省へ行った時も、受付の次に通されたのが男性職員のオフィスで、一通り話しをし終えた後に「それならもっと適任者がいる」ということで、その後女性職員のオフィスに通されました。内心”おっと、私の提案は格落ちになって、部下の女性に回されたかぁ”と思いましたが、それは全く逆で、観光省では女性でないと出世できないと言われているほど女性幹部が多く、私が最終的に会ったのは観光省のトップの女性でした。

外務省のアジア全域担当こそ年配の男性でしたが、とにかく、役職の位はアイスランドに限っていえば日本人の感覚でいくと間違う場合が多く、そんなこんなで懲りたというか、やっと事態が飲み込めた私は、関係省庁へ行くとまずは女性の方が位が上であろうことを想定して、話しを始めることにしています。・・・で、それ以来、その予測は外れたことがありません。

また、日本でこうして女性ひとりでこのような物事をしていると、奇異な目で見られたり、セクハラまがいの発言もあったりしますが、アイスランドでは、日本女性ひとりの会社だからといって、一度も不愉快な思いをしたことがありません。外人で、それも女性のプロジェクトだからということが理由で、官庁に門前払いにされたり、不愉快な発言をされたりしたことは、本当にビタ一度もないどころか、このような地道な活動を行う私に対して感謝を示されることも多く、だからこそ余計にアイスランドの人々のためにこの日本で努力しようと思えるのです。

そのような社会なので、アイスランドでは男性の家事も子育ても、あまりにも当たり前。私が知る限り、家事は奥さん任せという人は存在しませんし、子育ても男性も責任を負ってごく当然。当然すぎて、かなり社会的地位のある男性に向かって「あなたが子供を迎えに行くの?奥さんは?」などと質問しようものなら、アホちゃうか、という顔をされます。
音楽業界から一目置かれるあるCDショップのオーナーは2人の子持ち。奥さんと共働きです。「そりゃ店の閉店は午後6時だよ。でも保育園は6時に閉まるんだから、その前に子供を迎えに行って当然だろう。店のみんな理解してくれてるよ。妻は激務で残業が当たり前だから、時間の自由が効く僕がやって当たり前じゃないか。」保育園のお迎えをやっている親であれば、至極当然、納得のいく発言です。でも、このような認識の日本の男性がどのくらいいるでしょうか?それが当たり前でなければいけないと知りつつ、そう考えようとしつつも、日本女性で、子育て=女性、という図式が刷り込まれている私は、やはり彼の発言に驚きを覚えざるを得ませんでした。 

男女差別は社会が悪い、男性の考え方の改革をと言われますが、日本の女性は知らず知らずのうちに男女差別を当たり前だと無意識に受け入れているのかもしれません。ごく普通の主婦とはかけ離れているような活動をしている私でも、無意識に男女差別を容認していたようです。心から差別のない社会を望むのであれば、外を見て、自身を見つめ直し、まずは自分自身とその周囲から草の根で変化を起こしていかないといけないなぁと、アイスランドとのお付き合いをするようになり、つくづくと感じています。(小倉悠加)
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# by icelandia | 2005-05-29 12:53 | アイスランドってどんな国? | Comments(9)
新聞にも書かれなかった理由:アイスランド世界競争力第4位
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社員ひとりだけのレコード会社である私は大忙しで、CDアルバムの初リリース、来日アーティスト3組(スーパー・ジャズ・カルテット、クリスチャーナ、バングギャング)、その制作と宣伝、ライブの手配を全部ひとりでやる上、アイスランド大使館から万博用の発行物を手伝ってほしいと依頼され、アイスランドと聞くと何にでも飛びつかなくては気が済まない私としては、その全部が同じように重要であるため、このブログの更新が出来ていないことがすごーく気になっていました。

いろいろと書きたいと思っていたことがあるので、ちょこちょこと小出しにしますね。

というわけで、今日は国際競争力の話題です。ちょっと固い話もたまにはいいでしょう。

この国際競争力というのはスイスの国際経営開発所(IMD)というところが毎年発表しているもので、2005年に発表されたランキングではアイスランドの国際競争力は世界第4位!ヨーロッパだけを見れば第一位です。それはなぜか?というところまでは新聞にも載っていませんね。理由は以下のようになります。

 *アイスランドの法人税は18%で、経済協力開発機構(OECD)の加盟国中最も低い。
 *欧州経済地域(EEA)加盟国なので、EU市場と関税なしの取引が可能。
 *労働意欲の高い高学歴労働者が豊富。
 *大西洋の真ん中に位置するため、アメリカ大陸とヨーロッパを航路であれば数時間で行き来できる。
 *アイスランド(氷の島)は名前ほど寒くはなく、港も一年中凍結しない。
 *外貨の売買に関する制約がない。
 *事業主が外国人であることの制約が基本的にはない。
 *ヨーロッパで最も安く電力を供給(おまけに地熱発電なので環境にやさしい)。
 *工業用地が規模を問わず確保しやすい。
 
 アメリカとヨーロッパ両方を見据えてビジネス展開をする企業のみなさん、まずはアイスランドを足がかりにしてはいかがでしょう。 (小倉悠加)
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# by icelandia | 2005-05-28 23:48 | アイスランドってどんな国? | Comments(4)
アイスランドの音楽業界事情
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 さてさて、このブログの開設当時からずーっと一度は書きたいと思っていたことがありました。それはアイスランドの音楽ギョーカイについてです。私はアイスランドに長々と住んだことはないし、ましてそのギョーカイをそれほどよく知る訳ではありませんが、全くの部外者である日本人にしては、それでもまぁまぁ大枠は把握していると思われます。
 
 日本の音楽ファンに「アイスランド出身のアーティストは?」と尋ねれば、まず最初の答えはビョークであり、少しコアなファンになるとシガーロスとかカラシ、もっとコアコアになるとムームといったアーティスト名が出てくるかと思います。で、そういったアーティストはもちろん本国アイスランドでも有名ですが、私の印象では・・・・彼らは国際的に有名なので、それに伴い国内でも有名になった、というような雰囲気があり、アイスランド国内で大スターだったから、国際的に飛び出したのね、という感じではないんです。
 
 それじゃアイスランド国内では誰が有名なのか?ズバリ、アイドルです。十代の可愛い女性や、二十代のかっこいい男性の集まりとか、まぁそいった人たちです。音楽的に良いとか悪いとかではなく、日本で爆発的に人気があっても、国際的には売り出されたことがない歌手と同じですね。そして、そのようなアイドルや国内向けのみのアーティストは、あるレコード会社に全員が所属しています。そのレコード会社がアイスランドの音楽需要の70%を占めて、残りの30%のところだけが、アイスランド国内よりも、国際的な視野で活動をするアーティストを支援しています。
 なので、ICELANDiaが扱うアーティストはその30%の部分であり、アイスランド国内で爆発的人気!という人は実は・・・・いやいや、これが居るんですねぇ。
 
 国内の大半の音楽流通を扱うこの会社は、”世界的な視野”などという考えはおよそ持たないようで、我々のような外人が所属アーティストについての問い合わせをしても、数カ月後に「海外担当部署はありません」というつれない返事が返ってくるだけで、ある意味商売気がなく、信念を貫いているといえばそうなのですが、そのような訳でICELANDiaでは扱っていません。
 
 そんな会社とは対照的なのが残りの30%で、こちらはもう極小レーベルとも言えなくて、アーティスト個人がやっている場合も多いのですが、アイスランド国内も見据えつつ、狙っているのは国際的なマーケットです。それに、70%のアイドルの音楽はどこの国でもかなり似たり寄ったりですが、30%の音楽は自分を国際的なアーティストとして確立したいと願っている人ばかりなので、音楽的にも個性があり、単なるアイドル・ミュージックよりもずっと魅力的です。その代表として国際的に高い評価を得たのがビョークであり、シガーロスでありましょう。もっとごく最近ではICELANDiaで扱うことになったバング・ギャングもそういったアーティストの仲間です。
 
 それで、まぁ打ち明け話に近くなりますが、ICELANDiaが扱うアーティストは、どこかひとつのレコード会社やレーベルに所属し、その会社との交渉のみで済むようなものではなく、15組のアーティストがいれば、少なくとも13カ所と契約を交わさなければならない感じで、ほとんどがアーティストとの直接契約になります。・・・というのがどのような意味かといえば、とーっても面倒!なんです。だって、ひとつのレコード会社と契約してしまえば、その会社に所属しているアーティストが自動的に入ってくるということではなく、全部自分で探し当てて、個別にいろいろなことをお話し納得していただき、それでやっと契約できるからです。
 
 やってみて初めて分かったのは、なぜ今までどのレコード会社もアイスランドの音楽を取り上げることがなかったのか、ということです。だって国内大手の音楽会社は外国の市場に興味がないし、残りの30%はバラバラなので、まとめるのに異常なほどの労力と時間がかかるので、効率を重んじるのであれば、手を出さないのが得策です。うーん、私はなーんと効率が悪く難しいことに手を出してしまったのだろうと思うこともありますが、でも、アイスランドという同じ島国の人々に何らかの貢献が出来るのであれば、それが一番の心の栄養です。
 
 そんなわけで、アイスランド国内を除いて、世界中のどこへ行ってもこれだけ多くのアイスランド・アーティストと契約しているレーベルはICELANDia以外にありません!ExciteのDownload Storeにはまだあまりアップされていませんが、既に20枚ほどリリースできるアルバムがあります。その半数が非常に質の高いアイスランドのジャズで、その他がポップス、エレクトロニカ等になります。
 
 隠し持っている訳ではありませんが、まだ表に出していないアルバムやアーティストには、結構驚くようなものがあり(最も驚くのは日本人ではなくアイスランド人だとは思いますが)、例えばビョークよりも前に出現して、25年以上もアイスランドのポップス・グループの頂点に君臨し続けるスツーズメンというグループもそのひとつです。スツーズメンも前述の70%の部類に入るのですが、海外に目を向けない所属レコード会社の方針に嫌気がさし、このグループは自分達のヒット曲を独自で再録音して、海外に売り出せるような環境を整えました。で、ちょうどこのグループのメンバーと知り合いだった私に、「日本で出してくれない?」。
 ICELANDiaのように駆け出しで実態がまだ無いようなレコード会社よりも、本来であれば大手の会社が扱うべきアーティストのステータスです。このグループのメンバーは、ソロとしても北欧では既に有名で、アイスランドでは全員が名士で、芸術の様々な分野で歴史に残る活躍をしているメンバーばかりです。で、そんなグループに、フュージョン・グループ、メゾフォルテのメンバーが入っているというのも面白いことです。また、AORファンならよく知るアルバム『ジャック・マグネット』のヤコブ"フリーマン"マグヌソンもいて、ヤコブの最新アルバムも今年の秋にはリリースできると思います(音源は既に私の手元にあります)。
 それから、スツーズメンの女性ヴォーカルはラッガという個性的な女性で、既に何度か来日しツトム・ヤマシタと共演していいます。その共演は愛知万博でも見られる予定です。
 
 で、愛知万博といえば・・・・と、私の頭の中ではこういった話が延々と続きますが、万博の内容はまた後日にでもしますね。万博でも来日するクリスチャーナの歌をとりあえずはどうぞ!こちらから試聴、ダウンロードできます。 (小倉悠加)
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# by icelandia | 2005-05-10 13:09 | アイスランドってどんな国? | Comments(1)
旅チャンネル(アイスランド編)も認めたポール・ライドン
いつもICELANDiaブログを読んでいただき、有り難う御座います。私も遅ればせながら『旅チャンネル:アイスランド編』を見せていただいたので、ちょこっとご報告です。

 いやぁ、すごくいい番組ですね。アイスランドというと、判を押したようにオーロラ、間欠泉、滝・・・のような大自然ばかりで、もちろんそれもスゴイことは確かですが、全部の番組がそれをやっても食傷気味になります。今回のこの番組は、確かに滝や間欠泉も出てきますが、環境保全のための水素バスや地熱発電の話、在氷日本人のお宅訪問、ニット工場訪問、ショッピング探索、福祉施設紹介等、市民の暮らしがよく見えてくるもので、とても好感が持てました。
 ブルーラグーンやオーロラも勿論紹介されていて、オーロラは寒い場所での屋外キャンプではなく、近代的な宿泊施設の玄関先でしっかりと見えていました。光が空でシュルルーっとダンスするようなあの感じ、本当に素敵です。
 
 この番組に、ICELANDiaの音源をかなり使っていただきました。いろいろな条件があったため、結局現在Excite Music Storeにアップしているものはありませんでしたが、ICELANDiaのアルバム通販で扱っているPaul Lydonがなぜか同じ曲で2回もかかっていました。このポール・ライドンのアルバムは、アイスランドの音楽業界人御用達アルバムで、なぜか「すごく気に入ってる」という音楽関係者が多く、実は私もハマッタひとりでした。それで、ポール本人にかけあって、アルバムを譲ってもらうことにしたのです。先日、ピーター・バラカン氏とお会いした時も、いろいろとお渡ししたアルバムの中で、ポピュラーではこれが一番よかったとおっしゃっていました。

c0003620_428167.jpg ほとんどピアノとヴォーカルのみの地味なこのアルバムに、みなさんなぜ惹かれるのでしょうか。私の場合は、このアルバムはレイキャヴィークの雰囲気、それも秋から冬にかけての時期にすごーくマッチすると思っています。日本の自宅でアイスランドが恋しくなった時も、まずはこのアルバムをかけます。話題が話題を呼び、アイスランドの雑誌で取り上げられたり、確かアイスランド航空の機内誌にも彼の記事が掲載された覚えがあります。
 それから、たぶん流行らせようとか、売ろうとか、そういう邪念(?)が一切なく、趣味で作ってみただけ、というのが、今の世の中ではほとんど存在しないほど珍しいのかもしれません。音楽の原点である、自己表現ということのみで作ったアルバムです。とにかく100%自分のやりたい音楽を作るというのは、簡単なようでいて難しいことです。
 70年代、私はウエストコースト系の音楽を事細かく聴いていました。バーズにさかのぼり、イーグルス系から、当時はまだ新人だったトトに至るまで全部聴いたものでした。東の方もバンドがディランのバックでがんばっていて、南部にはオールマン・ブラザースのような特色のあるバンドがかなりいて、音楽的に本当に活気があり面白い時代でした(そんな時代をリアルタイムで知っていると、今はねぇ・・・)。

 アイスランドの音楽が面白いところは、音楽がまだビジネスに締め付けられず、ピュアでいられる部分が残っていた時代の雰囲気を醸しているからです。そういう点でポールは、70年代のシンガーソングライター系の音楽にも通じるところが多分にあります。
 単なる個人的趣味で持ってきたポール・ライドンが、ピーター・バラカンさんにもよかったと言っていただき、『旅チャンネル』でも取り上げられて、どうやらみなさんの密かな愛聴盤になっていくのでは、という気配です。
 ポールについては、小さな独立サイトを作っているので(インタビューもあります)、ご興味ある方はぜひご覧ください。 (小倉悠加)
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# by icelandia | 2005-04-24 04:22 | News | Comments(4)
パット・メセニー東京公演セットリスト
懲りずに書きます、パット・メセニー。あのバンドはなぜ3時間近くも休憩なしに、あれほどの緊張感と集中力をもって演奏できるのでしょう?プロとはいえ、仕事とはいえ、聴衆側でさえ、ずーっと同じ集中力で聴き続けるのは無理です。

私自身は2日目の方がリラックスして聴けました。音楽の全体像が更によく分かって、本当に楽しい。今日は前衛的なものや革新的なのが逆に面白くなり始めて、かなり余裕。このように緻密で奇想天外で、万華鏡のような音楽を聴き慣れてしまったら、他の音楽が聴けなくなるんじゃあるまいか?ってことはないでしょうけれど、それほど麻薬的な魅力を感じます。

最新作『The Way Up』は一曲約70分の超大作。クラシックの組曲のようなものです。それで思うに、この『The Way Up』を全部通してライブで演奏されるのは、今回のツアー限りではないでしょうか?細切れにして主題の部分を5分程度演奏するということも考えられなくはありませんが、通しでやるのは今回のツアーの他はないような気がします。そうしてみると、貴重なライブを見ることができたことになります。

22日の個人的なハイライトは「ついておいで/Are you going with me? 」でした。ギターソロがとてもセクシーで、思わず官能のスイッチを押されてしまいました。私のこのスイッチを押せるミュージシャンは、ギターでは他にクラプトンくらいでしょうか。そのスイッチが押されたせいもあってか、その後のピアノとギターの掛け合いはこの世にないほど透明感があり美しく、音楽は本来こうでなくっちゃという極みで、ずーっと一生このままこの音楽を聴いていたい、という気分でした。

それにしても、パット・メセニーはいったい何種類のギターを駆使しているのでしょうか。それから、お恥ずかしい話ですが、パット・メセニーがギタリストであることは知っていても、彼のアルバムを聴いてもギターらしき音はあまり出てこない。ポップス・ロック・ファンである私が知るギターの音色は限られたもので、ヘンテコな音を出すギターといっても、10CCのギズモ程度。まさか世の中にシンセ・ギターなどというものが既に80年代に存在していたとは驚きです(知らなすぎますね)、パット・メセニーのライブ・ビデオを見るまで、”あの”音がギターであったとは夢にも思いませんでした。

それで、以下がセットリストです。国際フォーラムの2日間は変わらなかったようです。アメリカでの演奏曲目などを見つつ、自分が覚えている限りのところなので、間違っている場合はどうぞ遠慮無くご指摘ください。出展アルバムはなるべくオリジナル・アルバムを選んでいますが、分からないものもあるので、これも正しいものを教えていただければと思います。

**Pat Metheny Group in Tokyo set list **
Intro: This is Not America 『The Falcon And The Snowman: Original Motion Picture Soundtrack』
The Way Up   『ザ・ウェイ・アップ/The Way UP』
(Go) Get It   『トリオ99>00 / Trio 99>00』
James   『オフランプ/ Offlamp』
Lone Jack    『想い出のサン・ロレンツォ/ Pat Metheny Group』
Are You Going with Me?  『オフランプ』 『トラヴェルズ/ Travels』
Last Train Home  『スティル・ライフ/ Still Life (talking)』『The Road To You』
Roots of Coincidence  『イマジナリー・デイ/ Imaginary Day』
Always And Forever   『シークレット・ストーリー/ Secret Story』
Farmer's Trust 『トラヴェルズ/ Travels』
Minuano (Six Eight) 『スティル・ライフ/ Still Life (talking)』

アンコール
Song for Bilbao 『トラヴェルズ/ Travels』

今回のツアーのDVD発売を期待したいですね。それから、聴衆は21日よりも22日の方がよかった。昨日と連続で来ていて一曲目が1時間以上だと知っている人が数多くいたであろうことと、曲間に大声を出したりピーピー音を出す輩がいなかったので、雰囲気が中断されることなく、落ち着いて聴くことができました。アコースティックな曲の前でギターがアンプに繋がらず(ケーブルが分からなくなったとか?)、若干の空白時間が出来た際も、誰一人声も出さず(咳払いのみ)、みなさん、素晴らしいマナーでした(拍手!)。そういえばのりのりで演奏するパットが一度、ギターのケーブルを踏んづけて抜いてしまった場面がありましたね。

最後に、お子さんをお連れの親御さん方、ご苦労様でした。誰かに頼んで置いてくるほど小さくもないし、一人で留守番させておくにもまだ心配な年齢のお子さん(小学生中学年程度)をお連れの方をかなり見かけました。次の日は学校がないので、少し夜更かしさせても大丈夫ですしね。子供は偏見がないので、思いの外ジャズが好きなようです。音楽好きのお子さんになるといいですね。 (小倉悠加)
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# by icelandia | 2005-04-23 18:56 | Comments(2)
やっと見た!生パット・メセニー
いつもICELANDiaブログを読んでいただき、有り難う御座います。
ここはアイスランド関係のブログなので、この話題を出すのは正直なところどーかなーとは思うのですが、この感動を誰かに伝えたいという気持ちが強く、どうしても書かずにいられません!(なので、新たに「アイスランド以外」というカテを追加しました)

それほど素晴らしかったパット・メセニーの東京公演。

彼の素晴らしさは私が認める前に、グラミー賞がたーっぷりと認めていますが、ここ1-2年で遅ればせながら彼の凄さに気づいた私は、80年代からの彼のライブを見ていなかったことをこの上なく後悔していました。パット・メセニーという名前は80年代初頭から当然知っていて、でも、ラリー・カールトンとか、リー・リトナーとか、そういったフュージョン・ジャズ・ギタリストのひとり、といった感覚で、それほど特別視もしていなければ、どちらにしてもジャズはあまり聴いていない時代だったので・・・・完全に逃していました。

この1-2年でパット・メセニーを大好きになってしまったため、ライブを見ていないことが悔しくて悔しくてぇ。90年頃だったか、周囲がやたら「パットが来る、パットが来る」と騒いでいた時期があり、「はぁ〜〜?」なんて思っていたら、それから15年も経った今、自分が同じように騒いでいる(遅い!)。

なので今回は気合いを入れて、チケットを取りました。

正直なところ、根っからのポップス・ファンである私には、若干前衛的すぎて革新的すぎて、よぉわからん、というところもありますが、全般的には本当に素晴らしい。彼はギタリストであり、サウンド・クリエイターなんですね。すごく緻密で、奇想天外で、これだけ内容の濃いコンサートは、いくら催し物が多い東京でも、滅多にないのでは?というクオリティ。それから、国際フォーラムでは何度かコンサートを見ていますが、今回が一番よかった。音響抜群です(パットの場合はいつもあのように音響抜群なのでしょうか?)。座席の良さもあったかもしれませんが(卓よりも10列程度後方の中央あたりの席)、耳栓無しで気持ちよく聞けるポピュラー系(ジャズも含む)って、珍しくありませんか?

で、個人的にはアルバム『オフランプ』からの「ジェイムス」をやってくれたのが、すごくうれしかった(これって完璧にミーハーファンの感想文ですね:笑)。この曲は、80年代にどこかで聴いてとても耳に残っていて、演奏者はパット・メセニーらしいということは何となく分かっていたものの、曲名がわからないまま20年の月日が経過。80年代はお嬢さんだった私も、今では子持ちの立派な中年女性になり、今やポップスやロックよりもジャズの方が好きで、「パット・メセニーというのはみんながいいというのだから、一枚くらいは聴いてみよう」というのが命取りとなり、購入したパットのアルバムはあれよあれよという間に10枚を軽く越えました。それでやっと見つけたのが、この「ジェイムス」という曲。日本語の解説を読めば、ジャイムス・テイラー風にやったのだそうで、言われてみれば確かに”っぽい”!一時期ウエスト・コーストのシンガーソングライター系ばかり聴いていた時代があったので、ジェイムス・テイラーの曲風はよくわかります。80年代当時の私がそんな背景の曲に惹かれたということに、至極納得したのでした(解説はありがたい)

4月21日は、そんなわけで私の初の生パット・メセニー体験でした。もちろん22日も行きます。ライブは毎日出来が違うため、出来ることなら同じアーティストは2-3度続けて見たい。2度見ることができるので、わーい、わーい、と心の中で喜んでいた時に、ふぅーっと浮かんだのが、「でも、生ジャコパスは見逃したよね」ということ。そう、私がパットを初めてまともに聴いたのは、ジョニ・ミッチェルの『シャドウ・アンド・ライト』というアルバムで、そこにはジャコとパットの両者が入っていたのです。うーん、ジャコパスは見逃したなぁ・・・。

そうそう、アイスランドですよね。えーと、去年の12月オスカール・グジョンソン(オスカールの試聴はこちらでどうぞ)というサックス奏者を日本に招きました。渋谷のCDショップに連れて行ったら、「ビルが丸ごとCDショップとは信じられない」と狂喜乱舞して、あれやこれやとアルバムを購入。私は例によってパット参り。その後の昼食時は、どのアルバムをなぜ購入したかという話になり、オスカールが言うのです、「僕さ、パットのアコースティックなアルバムを最近購入して、すごく気に入ってるんだ。タイトルは・・・何だったっけ・・・」。「『ミズーリ・スカイ』じゃないの?チャーリー・ヘイデンとやった作品」「そうそれ!」と、延々と『ミズーリ・スカイ(Beyond The Missouri Sky)』がいかに素晴らしいかの話で盛り上がったのでした。パットって、アイスランドで演奏したことはあるのでしょうか?

確かにパットは私の音楽的趣向にはちょっーとばかり前衛的なのですが、それでもポップでコマーシャルな要素も多分にあり、メロディや主題がしっかりしているので、なんだかんだと言いながらも、やっぱりすごく魅力的です。
本日私はしっかりと堪能させてもらいました。明日もきっと今日以上に堪能することでしょう。(小倉悠加)
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# by icelandia | 2005-04-22 02:45 | Comments(2)
旅チャンネル:アイスランド編 あちこちの放送局で放映!
いつもICELANDiaブログを読んでいただき、有り難う御座います。更新をさぼり気味でごめんなさい。現在、アイスランド政府が作っている愛知万博用刊行物の編集お手伝いをしているため、なーんだか忙しないのですが、同時にアイスランドのいろいろな側面を読み知ることになり、とても勉強になっています。そんなところは、後ほどお裾分けできればと考えています。

さてさて、4月17日(日)に SKY Perfect! TV の「旅チャンネル」で、アイスランド編が放映されます。放送時間は21:00〜22:00。この放送を皮切りに、その後いろいろな放送局で放映予定だそうなので、アイスランド・ファンのみなさん、どうぞご期待ください。こちらで放送予定がわかりましたら、この欄に加筆するか、または別枠でご紹介します。

詳細はスカイパーフェクト・テレビのサイトにあります。
http://www.tabi-ch.net/overseas/special_euro/index.html

この番組にICELANDiaの音源を提供致しました。どのアーティストの曲がかかるかは見てのお楽しみ。スカパは見られない!という人もいると思いますが(=自分)、何とかどこかで見る機会を作ってくださいね! (小倉悠加)
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# by icelandia | 2005-04-16 01:35 | News | Comments(2)
3年でアルバム40枚以上発表!ビョークを魅了したその実力?!
 いつもICELANDiaのブログにおいでいただき、有り難う御座います。

 今日はアイスランド通しか知らないアーティストの話です。
 
 彼女の名前はシグリズール・ニールスドッティル。デビューして3年間でなーんと驚異の40枚以上のアルバムを発表。
 ごく普通の主婦だった彼女は、若い頃から誌や音楽を書きためていました。その曲は、彼女独特の楽譜(?)に記す他、あり合わせのカセットに録音してためていました。ある年のクリスマス、家族や友人用にその音楽をCDRに焼いて配り、その一枚をいつも録音用のカセットテープを購入していた音楽ショップのオーナーにもプレゼントしたことがあります。
 その音楽を気に入ったショップ・オーナーが、彼女の自主制作盤をCDショップに置くようになったのが約3年前。その後少しばかりの紆余曲折を経ていますが、彼女はいまや40枚以上のアルバムを発表する有名アーティスト(アイスランド国内だけの話ですが)。暖かな歌声、ゆったりと流れるメロディ、手書きのジャケットーーー話題が話題を呼び、彼女の熱心な音源コレクターにビョークが加わり、映画『氷の国のノイ/Noi Albinoi』のサウンドトラックに2曲が採用されるという快挙。
 
 そんな訳で彼女のことはまずアイスランド中に知れ渡り、次ぎにヨーロッパのスキモノ好きが目を付け、アイスランド航空の機内誌ではカラーで紹介されるわ、ヨーロッパ各国からも取材陣が押し寄せるわでたーいへん。さすがに「日本からはあなたが最初!」と言われましたが。アイスランド国内では、彼女のドキュメンタリーも撮影され始めています。
 
 そんな彼女の音楽は、まったりゆったり。どこか懐かしいメロディと暖かさが魅力で、その独特の雰囲気に包まれると、なーんとなく微笑んでしまいます。彼女については簡単なサイトを作ってありますので(Flashがないと見られません)、ご興味ある方は覗いてみてください。
  
 
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 「長い冬をいかに楽しむかがアイスランドで楽しく過ごせるかの鍵だから、お年寄りの励みになり、彼女の小遣いになればいいんだ」と現在レイキャヴィークで彼女のアルバムを取り扱っているショップ・オーナーは言います。そう、彼女は御年70歳以上!とても明るくさわやかな気質の女性で、アイスランドへ行く度に会うのが楽しみです。
 ちなみに、彼女の横にあるのは、これまで描いてきたアルバムのアートワークを全部集めたもの。手書きのアートワークにも味があり、ホント、その存在自体が心が和むアーティストです。(小倉悠加)
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# by icelandia | 2005-04-06 12:14 | News | Comments(0)
男女がペッタンするアイスランドの満月
 いつもICELANDiaのブログにおいでいただき、有り難う御座います。
 
 今日はICELANDiaレーベルを持つ会社、アリヨス・エンタテイメントのロゴ・マークについての説明です。
 
 アリヨス・エンタテイメントは、アイスランドと日本の文化交流の中心となるよう設立された会社です。アリヨスとは北欧物語として有名なサガ(Saga)の一文にも出てくるalljosというアイスランド古語に由来します。あえて英語にすればall light (全部、光)というところでしょうか。サガの時代に”すっかり明るい、きっぱりと澄みわたる”という意味で使われたこの言葉は、現代では環境用語として生き残り、英語でいえばアンビエント・ライト、日本語では環境光を意味します。
 アンビエント・ライト、微光、環境光----アリヨスの発信するエンタテイメントが、生活をやわらかに照らす心地よい光となるよう命名されました。
 
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 ちょっと変わったアリヨスのこのロゴは、アイスランド在住のロゴ・アーチストに作ってもらいました。人間と、自然と、宇宙をつなぐシンボルで、アイスランドの名産である羊の皮の上に、満月の上で戯れる男女が四角い窓から見える様子が描かれています。地上のバランスは、ひいては宇宙と人間のバランスであり、陰陽の男女のバランスでもあるという、大きなエコ・バランス意識を表しています。日本では満月といえばウサギの餅つきですが、アイスランドでは男女がペッタンしちゃうんですねぇ。
 パッと見ると、このロゴってなーんだろう?と思いますが、こうして説明されると、”なるほど”と思われませんか?(小倉悠加)
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# by icelandia | 2005-04-02 15:12 | プロフィール・連絡先 | Comments(2)
ボビー・フィッシャー氏、アイスランド到着
いつもICELANDiaのブログにおいでいただき、有り難う御座います。
世界のチェス王、ボビー・フィッシャー氏がアイスランドに到着しました。
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 到着翌朝、早速記者会見を開いた際、「アイスランドに来た感想は?」と聞かれて、「とってもいいよ。なにせこの前まで日本の収容所暮らしだったからね」と苦笑していました。アイスランドに不動産を購入するのかという質問には、まだ何も考えていないとの答え。
 「チェスはプレイしますか?」という核心(?)については。
 「どうだろうかぁ。まぁ、やれば出来ないこともないんだろうけど(笑)。昔式のチェスだから、覚えることが多くてねぇ。でも、やりゃできると思うよ」
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 アイスランドはかつてチェスが非常に盛んで、私の個人的な知り合いも、かつての世界ランキング保持者がいます(マジです)。でも、日常にテレビが入りこみ、テレビゲームが登場し、今は手軽に携帯電話でもゲームが楽しめる時代です。チェスもそのあおりをうけて下火になりましたが、それでもまだチェス人口は少なくないとのこと。
 フィッシャー氏の登場を受けて、チェスが再熱するのか?

 そんなことを考えながら聴くには、やはりギターイスランシオが最高でしょう。どうぞご試聴ください! (小倉悠加)
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# by icelandia | 2005-03-27 14:06 | News | Comments(0)
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